入院前に知っておきたい5つの予備知識

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入院前に知っておきたい5つの予備知識

入院について考える!

はじめに

今回書くお話は全て実話です。
大学病院の中で日々様々な事が起こっています。
どんなに頑丈なプロレスラーでも病魔に勝てない時もあります。
怪我にしてもそうです。
私が働いていた大学病院はスポーツ外科もありました。
プロ野球選手でも怪我をするときはします。

絶対に入院しないで済む方法はありません。
家の外に出たらそこは戦場なのです。
駅の階段で躓いて足の骨を折る人も中にはいます。
絶対に入院しない方法はないですが、そのリスクを減らす方法はあります。

それらを全部書くとおさまらないので1つだけ書いておきます。
体調の悪い日は絶対に無理をしない事。
当たり前のようですが、これが意外と重要になってきます。
症状を悪化させないのも入院しない為の近道と言えます。

それではこれより下が今回の本文になります。

入院したらどうなる?

先ず、入院保証金が必要になります。
私が働いていた大学病院は10万円でした。
大学病院では10万円が保証金は相場です。
少し高いと思いますが、背に腹は代えられないところです。
どうしても保証金を用意出来ないケースも当然出てきます。

この場合、無理に10万円を払って下さいとは勿論言う病院スタッフはいません。
ソーシャルワーカーが親身になって相談に乗ります。
最終的に入院を決定するのは医師ですが、保証金が払えないから入院出来ないと言った事はありませんので安心して下さい。

健康保険が使えるもの

私が主に担当していたのは消化器内科です。
消化器外科とは違います。
胃がんの疑いで最初に消化器内科の病棟に入院する事になりますが、確定診断が出れば、消化器外科の病棟に移ります。
消化器内科で行う治療で、保険が適用されない治療はないと言っても良いでしょう。

強いてあげるなら、保険に加入していなかったケースです。
この場合は3割の算定ではなく10割の算定になります。
保険証を作りその交付年月日が入院した日より前であれば、差額の7割は返還します。
大体入院レベルになる症状の人で保険に加入してない人は慌てて家族が保険証を作ります。

健康保険が使えないもの

これは他の科も含めての事になりますが、第三者行為(傷害事件など)の場合保険が使えません。
保険は自分自身の病気や怪我に使うものです。

殴られた人はたまったものではありませんが、加害者が最終的にお金を支払う事になります。
警察が逮捕した場合です。
犯人が逃げると殴られた人の健康保険は使えないですが、医療保険は使える事が多いので医療保険でお金は賄う形になります。

予防注射や健康診断も健康保険を使う事が出来ません。
大体の相場ですが、インフルエンザワクチンの予防接種は、2000円から5000円の間が多いです。
インフルエンザワクチンの予防接種の金額はお寿司屋さんの時価みたいなものです。

また健康診断でも健康保険が使う事は出来ません。
金額の相場は10000円から15000円の間です。
健康診断の場合は、会社持ちが殆どですから、それ程痛い出費ではありません。
また、予防接種も早めのワクチン接種が有効なので金額は仕方がない所です。

また正常出産や、中絶手術の場合も健康保険は適用されません。
産婦人科に入院するには、他の科と異なり出産の為の入院の保証金の相場は20万円から30万円です。
これが結構大きいですが、出産一時金を申請すればある程度の額が戻ってきます。
これはしないと大損ですから、絶対に出産一時金の申請を忘れずに行って下さい。

最後に高度先進医療も保険の対象外のものもあります。
年が進む度に、保険適用外だった高度先進医療が保険適用になるケースが増えてきています。
これは非常に患者さんにしてみれば大きな事です。
高度先進医療。
名前を聞いただけでいかにも高そうですよね。
実際に保険が効かないものは高いです。

病気別の平均入院日数

消化器内科編

消化器内科は外科的治療を行いません。
外科的治療とは手術をするという事です。
消化器内科は保存療法を行います。
急性疾患の患者さんが多いです。
中でも多いのが胃潰瘍と急性膵炎です。
どちらも痛みに耐えかねて病院に来る人が多いです。

急性膵炎は中等症までは消化器内科。
それ以上症状が深刻だと消化器内科から、消化器外科に担当が変わります。
急性膵炎は激痛を伴います。
治療方法は絶飲絶食10日前後。
その間に点滴などで加療していきます。
中等症なら入院の平均日数は約1か月です。

軽い急性膵炎でも2週間は退院出来ません。
こちらも絶飲絶食です。
中等症の患者さんより入院期間は半分です。
2週間で殆どの方が退院していきます。
急性の場合は中等症までなら1か月を目安に退院出来ます。

後は慢性膵炎にならないように気を付けなければいけません。
慢性膵炎になってしまうと、退院のメドは正直見えません。
慢性膵炎は非常に厄介な病気の一つです。

胃潰瘍も手術の必要がない比較的軽度な方なら2週間程で退院する事が出来ます。
肝臓を患っている人は、腹水が溜まってしまっていると、定期的に腹水を抜かなければならず、経過が良好な人でも肝臓の場合は1か月は退院出来ません

肝臓は沈黙の臓器と言われている様に非常に怖いです。
その為、医師も万全を期して大丈夫と確信した段階で退院となります。
長い人だと3か月入院している人もいます。

入院時の自己負担費用はいくらかかる?(平均)

入院はいくらかかる?

症状や入院日数によって大きく変わってきますが、2週間で胃潰瘍や急性膵炎の患者さんが退院した場合の自己負担額は15万円前後です。
保証金で10万円が先に入っていますから、実質的には5万円を追加で払えば入院費の清算となります。
入院フロントで、お金を払って、領収書をナースステーションで見せれば、診察券が返ってきて晴れて退院となります。

高額医療費制度とは?

一定金額の医療費がかかった時に、病院でお金は一度は払いますが、高額医療費の申請を行う事によって基本的に公的機関からお金が超過した分は戻ってきます。
これを知らないと大損します。
検査入院でも高かったら申請した方が良いですね。

但し、食事代やテレビ代は含まれていませんので、ここは注意が必要です。
後は1か月単位での請求になります。
例えば9月20日から10月31日まで入院した場合、9月は10日分の医療費しか算出されません。
10月はまるまる算出されます。

合算方式でないので注意が必要です。
意外にここが盲点になっています。
1か月入院して、15日ずつの場合は高額療養費を申請しても金額が戻ってきてもそんなに多くはありませんが、何も戻ってこないよりはましです。
積極的に高額療養費に関しては請求した方が良いです。
認められれば儲けものみたいな感覚でいるのが良いと思います。

入院してしまった場合の例

入院日数

1番分かりやすい急性膵炎で書きます。
入院日数は程度によって異なりますが、2週間から1か月の間が通常急性膵炎で入院した患者さんの入院期間となっています。
1か月で退院が出来ない患者さんは症状がかなり重いです。

総医療費

退院後の通院を含めると、2週間の人は20万円。
1か月の人は30万円から40万円です。
外来通院で何が一番お金がかかるかと言うと、CT検査です。
造影剤を使って行うと、CR検査だけで約1万円はします。
毎月取る訳ではありません。
2・3か月に1回です。

標準報酬月額

基本的に3ヶ月の報酬月額の平均額をもとに算出し決定します。
この辺りは医事課の職であれば朝飯前に出来ないと大学病院の様な巨大組織では取り残されてしまいます。

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