忌中と喪中の過ごし方(喪と忌に関する事柄について紹介)

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忌中と喪中の過ごし方(喪と忌に関する事柄について紹介)

葬儀が終わった後、一定の期間は喪に服するのが一般的です。
この喪に服する期間またその期間中のマナー等は、初めて体験する人の中にはよく分からない方もいると思います。
さらには忌中という言葉もあり、これに混同する方もいるでしょう。
喪と忌に関する事柄について紹介します。

1) 喪に服する期間は?

喪に服する期間は?

近親者が亡くなった際には、一定の期間を喪に服すことになります。
喪に服している期間中は故人の冥福を祈り、不要な行動を慎むことが一般的です。
そのため賑やかな行事や、晴れがましいイベントなどを慎しんだりすることが多いのです 例えばお正月に行う門松や玄関の飾り、鏡餅等の飾り付け、また年賀状などのやり取りを行わないこともあります。
また正月料理やお屠蘇等のお祝いごとを中止したり、年始まわりや神社・仏閣などへの初詣も控えたりもし、年賀状も出すことはありません。

喪に服する期間は、様々なお祝い行事を取り止めることが多くなります。
では一体どれくらいの期間、喪に服する必要があるのでしょうか?
これについては、明治に出された太政官布告に忌中や服(喪中)の期間について詳しく定められています。
なお忌と服(喪中)については、それぞれ謹慎度の程度によって分類されます。
目安として忌は自宅で謹慎する期間、そして服(喪中)は喪服を着用する期間と見ておくといいでしょう。

専門家のワンポイントアドバイス!

現代では忌中が四十九日まで、喪中は一年間というのが、大体の基準になっています。
基本的にそれで間違っていることにはなりません。
ただ、地域によって、続柄や性別によって期間を細かく分ける場合があります。
それは明治時代の服忌令(ぶっきりょう)の名残です。
武家のしきたり等を基にして決めた内容ですから、あからさまに男尊女卑の色合いが強く出ています。

この太政官布告は現在はすべて撤廃されていますが、仏事の慣例として現在もこの太政官布告が大きな目安にされています。
例えば父母の死亡については四十九日までが忌中、そして一周忌「1年間」までを喪中とすることが多いです。
その他は以下のようになっています。

このように大まかな目安がありますので参考にしましょう。
ただし地域によっても異なりますので、確認しておく必要はあるでしょう。

2)忌中・喪中のマナー

近親者が亡くなると忌中や喪中となります。
この間はお祝いごとなどを控える時期にもなります。
その前に忌中と喪中の違いを理解する必要があります。
まず喪中の喪に服すというのは、死者を偲ぶ期間のことを表します。

この喪中の考え方としては元々は儒教からきており、奈良時代に施工された「養老律令」や江戸~明治時代にあった「服忌令」と呼ばれる法律に規定がありました。
喪中は近親者が亡くなった後の、悲しい期間を示しているとも言われています。
また忌中とは死を穢れと表現し、それを祝いの場へ持ち込まないようにするため殺生をしない期間のことです。

しかし現代では、そこまで厳格に区別はされていません。
それらを踏まえて、忌中や喪中のマナーを見てみましょう。
忌中と喪中の期間は、通常は以下のような行事を控えるべきとされています。

結婚式といった、お祝いごとへの出席

結婚式のような華やかな行事の出席は控えた方が良いと言われています。
忌明けいわゆる四十九日が経過していれば、出席しても問題ないとされているようです。

神社へのお参りごと

忌中の期間は神社へのお参りも控えた方が良いとされています。
神式の場合は、親等によって忌明けのランクがあります。
それぞれの故人によっても異なり、最長で50日間とされています。
忌中は、できるだけ神社へのお祭りの参加は控えたいものです。
なお忌明けのランクについては神社で異なる場合がありますので、事前に問い合わせておきましょう。

様々な祝いごと

年間を通して見た際には、様々なお祝いごとがあります。
喪中や忌中の期間は、できるだけ出席は控えた方がいいでしょう。
しかしその中には既に決まっている行事もあると思います。
そのような場合の「出席する」「出席しない」は、それぞれ本人の意思や気持ち次第と言えます。
欠席するのもいいですし、どうしても出席したい方は周囲の人に相談するといいでしょう。

年末年始の挨拶

忌中や喪中の期間は、年末年始の挨拶を控えることが多いです。
よく見かけるのが年賀状であり、「喪中のため、年始の挨拶を控えます」などのハガキが届くこともあります。
このように喪中ハガキで近親者に伝える方も多いです。

禁酒

喪中や忌中の期間は、お酒を控える方もいます。
この禁酒も地域によって異なり、お酒以外に魚や肉などの生き物の摂取などを控えることもあるようです。
またお茶を控えたりする地域もあります。
ただ最近ではこのようなしきたりにとらわれず、何でも飲食するところも増えてきています。

3)忌引き期間

忌中引き期間というのは、喪中と同じように明治時代の太政官布告が目安となっています。
具体的には下記の通りです。

専門家のワンポイントアドバイス!

会社員の方であれば、就業規則などに「忌引き」としての休暇日数が定められていることが多いはずです。
会社ごとに日数を定めていますから、詳細は所属されている会社の人事部や総務部に確認してみてください。
会社としては、この「忌引き」休暇の日数を忌中(忌引き)期間として考えていることになります。

4)年賀欠礼状が間に合わなかったら

年賀欠礼状が間に合わなかったら

喪中になると、年末年始の挨拶を控えることが多いでしょう。
この場合は喪中ハガキを近親者たちに送ります。
しかしそのハガキが、期間中に間に合わない場合もあるかもしれません。
喪中のハガキは11月初旬から、遅くても12月中頃までに送るのがマナーと言われています。

しかし喪中ハガキの投函が遅れて年賀状が届いた場合は、その相手に寒中見舞いのハガキを送りましょう。
喪中期間における年末年始の挨拶の控えは本人に対するものであり、相手側からの年賀状は一向に構わないのです。
なお暑中見舞いは特に問題ありませんので心配はいりません。

5)慶弔見舞金規定とは?

慶弔見舞金というのは、スタッフやその家族の祝いごとや不幸に対して会社が支給するお金のことです。
様々な慶弔金があり、具体的には次の通りです。

これら慶弔見舞金は、法律的には企業の支払い義務はありません。
しかし現在では多くの企業が実際に支給しており、従業員に対する勤労意欲の向上や離職防止対策など、その目的も様々です。
なお慶弔見舞金の支給要件や支給額は、それぞれの企業によって異なりますので前以って確認しておきましょう。
金額が気になる方は、慶弔見舞金の相場を確認しておきましょう。

具体的には次のようになっています。

以上のように目安となる相場がありますので、会社の規定を確認しておく必要があります。
慶弔見舞金は企業が独自に金額を設定できます。
そのため一般的には給与扱いはされませんが、高額なお金が支給された場合には給与とみなされ、課税されることもあるため注意する必要があります。

近親者が亡くなり葬儀が終わった後は、家族は一定の期間を喪に服すことになるのが一般的です。
この喪中や忌中にはそれぞれ期間があり、その間に守るべきマナーも存在しています。
地域によって異なる場合がありますので、不明な点は親戚縁者や周りの方に相談してみるといいでしょう。
現代ではそこまで厳格に守られてはいません。
それでも故人と親しかった方や親戚等、周囲の人への配慮やマナーとして一定以上は守る必要があると言えます。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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