遺産ごとの相続手続きのあらまし

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遺産分割協議が不成立となった場合の手続き

被相続人の死亡によって遺産を相続した場合には、その後に様々な名義変更を行うことになります。
そのため名義変更が必要なものを、あらかじめリストアップしておくといいでしょう。
遺産ごとの相続手続きのあらましについて紹介します。

1)分ける処理あれこれ

分ける処理あれこれ

遺言、遺産分割協議、遺産分割調停、遺産分割審判など、遺産にかかわる事項は色々とあります。
そのいずれもが相続の方法が決まったときに、それぞれの相続人が持ち分の遺産を取得することで終了します。
その後は必要な故人の名義変更を行うことになります。
現金や動産類であれば特に名義を変更することはなく、そのまま引き取ることが可能です。
一方で故人の名義を変更しないと、その後の手続きができなくなるものも存在します。
相続を行う際に名義変更が必要な手続きをまとめておくと、その後の作業はスムーズに進むはずです。
そのため事前に、手続きの方法をまとめておくようにしましょう。

2)名義の書き換え

被相続人が亡くなった後は、故人の名義の書き換えが必要なものがあります。
その典型的なものと言えるのが、不動産のような登記制度や自動車のような登録制度です。
これらの手続きは、例えば不動産であれば登記の名義を変更しないと、その後の相続処理もできません。
また自動車についても、名義を変更する必要が生じます。
他にも株式や預貯金などもあり、株式は株主名簿の書き換えを行い、預貯金については金融機関で解約手続きを行うことになります。
被相続人が亡くなり相続が終わると、このように故人の名義変更の事務手続きが待っています。
名義の書き換えには時間がかかることもありますので、できるだけ早い段階から取り組むことが大切です。

3)遺産の分割を決めた書類が必要になる

被相続人の名義変更を行う際に、遺産の分割を決めた書類が必要になることもあります。
このような名義の書き換え手続きに必要な書類としては、遺言書、遺産分割協議書、分割調停調書、分割審判書などが該当します。
これらの書類が用意できていないと、たとえ相続人全員がその場にいたとしても、名義の書き換えはできません。
例えば不動産の場合は、いくら相続人全員で法務局に出向いても、それだけで名義変更をしてくれることはありません。
同様にその他の名義変更の場合も同じで、故人の名義を変更するには必要となる書類を提出する必要があります。
また必要となる書類が名義変更の手続きに即したものでないと、その後の手続きは進みませんので気をつけましょう。

4)遺産ごとの手続き

遺産ごとの手続き

被相続人の名義の書き換えをする場合には、様々な書類が必要となります。
それぞれの項目ごとに分けて、その手続きの方法を紹介します。

不動産の相続登記

不動産移転登記手続きには、まず登記申請書を作成することから始まります。
登記の申請書に記載する内容については、それぞれのケースや状況によっても変わってきます。
不動産の相続登記における登記申請書は自分でも作成できますが、手続きが複雑であり様々な添付書類も必要となりますので、不安な方は弁護士や司法書士など法律の専門家に相談・依頼するのもいいでしょう。
法律の専門家であれば、相続登記のすべての手続きをしてくれますので安心して任せることができます。
ちなみに移転登記手続きで必要になる添付書類は、以下のものが挙げられます。

相続が遺産分割協議で決定した場合に必要なもの

その他、裁判、調停、審判、相続放棄、遺言書、遺贈などによって必要な添付書類は変わってきます。
相続登記に必要な書類と添付書類が揃ったら、被相続人が住んでいた地域を管轄する法務局に、登記申請書と添付書類を提出します。
そして提出した書類に特に問題がなければ1週間程度で登記が完了し、移転登記されたことを証明した「登記識別情報」という書類が送られてきます。
登記識別情報の表には、その内容が見えないようシールを貼ってありますので、必要なとき以外はそのままにしておきましょう。
なお相続による所有権移転登記の手続きには登録免許税がかかり、この税額の基準である不動産価格が固定資産税評価額になります。
移転登記の税率「登録免許税」は、「不動産評価額×4/1000」です。

預貯金の名義変更、解約、払い戻し

被相続人が亡くなった後は預貯金の名義変更、解約、払い戻しも必要となります。
被相続人が亡くなると、一般的にはその故人が生前に有していた預貯金口座は停止されます。
金融機関では新聞の訃報欄などで独自に被相続人の死亡を判断して、その故人の預金の支払いを凍結します。
故人の口座については、相続手続きが終わった後にそれぞれの相続人の口座に入金されることになります。
被相続人の口座は凍結されますので、当面の生活費や葬儀費用などが必要な方は、事前に必要な金額を下ろしてしておくといいでしょう。
その場合は後々のトラブルを回避するためにも、それぞれの相続人の同意を得ることが大切です。
相続変更の手続きに必要な期間はそれぞれの金融機関によって差はありますが、大体1週間から1ヶ月程度を見ておけばいいでしょう。

株式の名義変更

生前に故人が所有していた株式の名義変更などの手続きについては、基本的には銀行と同じ手続きになります。
また相続人確認のために、故人の生まれてから死亡までの戸籍謄本なども必要です。
変更については、それぞれの証券会社になります。

自動車の名義変更

被相続人が自動車を所有していた場合は、マイカーの名義変更も必要となります。
被相続人名義のマイカーの変更については、「相続人への名義変更」と「廃車」の2つの方法があります。
名義変更の場合は、ナンバープレートの名前を管轄している運輸支局、そして自動車検査登録事務所です。
自動車の移転登録は相続人本人でも可能ですが、法律の専門家やディーラーなどでも代行してくれます。
必要な書類は以下の通りです。

変更する場合は、陸運事務所で確認しておきましょう。

その他名義変更が必要なもの

被相続人の名義変更については、その他にもいくつかあります、 その1つが公共料金など、口座引落人の名義変更です。
公共料金、いわゆる電気、ガス、上下水道などの支払いが被相続人の名義になっているときは、早急に引落し口座の変更を行う必要があります。
このとき電力会社、ガス会社、水道局に対して被相続人の相続手続きがあった旨を届け出てください。
連絡すれば後は変更に必要な書類を郵送してくれますので、必要事項を記載して提出します。
また引落し口座を変更する口座振替依頼書については、銀行に届け出している届出印を押印して返送すれば手続きは完了します。

被相続人が亡くなった後は、様々な名義変更を行うことになります。
これら名義変更には相続にかかる書類も必要ですので、早めに用意しておくといいでしょう。
また分からない点は法律の専門家や公共の窓口などで相談をして、解決をしておく必要があるでしょう。

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