死亡した後の戸籍

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死亡した後の戸籍

家族が亡くなると最寄りの役所に死亡届を提出しなければならず、それが受理されると戸籍にもその旨が記載されます。
死亡届の提出はとても大切な行為となりますので、期限までに必ず申請をしましょう。
死亡届とはどのようなものか、その内容を紹介していきます。

死亡届を出してから戸籍ができるまで

死亡届を出してから戸籍ができるまで

最寄りの役所に死亡届を提出し、それが受理されれば戸籍にその旨が記載されます。
戸籍というのは人が生まれてから死亡するまで、個人の人生についてを公的に記録した書類です。
戸籍に記録されているのは、父母の名前、生年月日、出生地、婚姻者、死亡日など、人生の中でも大切なポイントとなるものです。
そのため本人が亡くなり、死亡届が提出されると戸籍にも記載されることになります。
死亡者の戸籍が故人だけ、または故人以外にその家族が誰もいない場合は、死亡届が受理されると戸籍そのものが除籍されます。

戸籍は「本籍」と「筆頭者」によって管理されており、このうち筆頭者(戸主)はその戸籍の代表者になります。
筆頭者を中心に家族単位で整理されているのが特徴です。
現在ある戸籍の謄本が戸籍謄本、そして戸籍から除去された謄本が除籍謄本です。
亡くなった方の戸籍というのは相続を行う際に重要となってきますので、死亡届を忘れずに提出しなければなりません。
故人の除籍謄本が必要なときは、亡くなった方の本籍地で受け取ることができます。
故人の本籍地と住所地が同じであれば、申請の手続き自体について時間的な問題は特にありません。

しかし住所地と本籍地との距離が離れている場合は、そこまで出向いて取得するか郵送による手続きのどちらかを選択することになります。
ちなみに死亡届を自身の住居地に提出した場合は、遠い場所の本籍地まで通知されるのに数日を要することかあります。
そのため除籍謄本については、その後でしか取得できなくなります。
また戸籍というのは、法改正によって古い戸籍については改製原戸籍になります。
そのため法改正が多いような時代で育った方は、関係する戸籍や改正原戸籍の数もそれだけ増えてきます。
故人の財産を相続する場合には、被相続人の出生から死亡までの記録が記入されたすべての戸籍が必要ですので、早い段階から準備しておくことをおすすめします。

戸籍謄本と全部事項証明書

戸籍謄本は戸籍の原本をすべてコピーし、そこに市区町村長名や公印などを押して発行されます。
例えば夫婦と未婚の子供が3人いれば、その5人の未婚の子の中の1人が結婚すると4人の戸籍謄本になります。
現在は戸籍情報は磁気ディスクで保管されるようになりましたので、その名称についても従来の戸籍謄本から戸籍全部事項証明書に変更されています。
戸籍謄本と戸籍抄本については戸籍に記載された情報が全員か、あるいは一部かの違いになります。

葬儀後に必要になる場合

故人の戸籍謄本は、葬儀が終わった後に様々な手続きで必要となります。

遺言書の検認

故人の遺言書があるときにはそれを検認する必要が生じますが、その際に戸籍謄本が必要です。
公証役場において公証人が作成した公正証書遺言の場合は必要ありませんが、自筆証書遺言、秘密証書遺言を開封する際は検認事務が必要です。
この場合に必要となる謄本は、故人、相続人全員、受遺者(遺言によって特定の財産の贈与を受ける者)です。
提出先は故人の住所がある家庭裁判所になり、特に提出期限は設けられていませんができるだけ早めに提出することが望まれます。
なお提出する書類としては、開封・閲覧をしていない遺言書の原本も必要となります。

相続税の申告や納税

相続税については、故人から相続する財産の額が基礎控除額を上回った際に必要です。
このときに必要となる戸籍謄本は、故人のものと相続人全員になります。
提出する場所は故人の住所地の税務署で、提出期限については本人の死亡の翌日から10ヶ月以内です。
その他の提出する書類は、申告書、住民票、住民除票、印鑑証明書などです。
これらの詳細については、最寄りの税務署に念のため問い合わせましょう。

生命保険金の請求

戸籍謄本、生命保険金を請求する場合も必要です。
生前に故人が生命保険に加入していたときには、その死亡保険金を請求する際に戸籍謄本が必要です。
このときに必要な謄本は、故人と保険金受取人のものです。
提出先については実際に契約していた保険会社であり、提出期限については本人の死亡から2年以内になります。
提出する書類は戸籍謄本の他に死亡保険金請求書、保険証券、最後の保険料を支払った領収書、死亡診断書、受取人の印鑑証明書などです。

成年後見人は死亡届を出せるのか?

死亡届を出せる?

人が亡くなると死亡届を提出することになりますが、成年後見人は届け出ることができるのでしょうか? この点については、成年後見人の任務について確認しておく必要があります。
成年後見人の任務は委任の規定が準用されることから、民法653条の規定により成年被後見人の死亡によって終了することになります。
ただ例外規定もあり、急迫の事情がある際はそれに伴う必要な処分ができることになります。

これらのことを踏まえた上で戸籍法86条では、人が亡くなると死亡届を提出する旨の規定があります。
そして届出義務者は、同居の親族、その他の同居者、家主や地主、家屋、土地の管理人と規定されています。
また戸籍法の一部の改正により、死亡の届出については同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人もできるという規定が追加されました。
この規定により成年後見人も死亡届を届け出られるようになりましたが、あくまでも義務者でないことを頭に入れておく必要があります。

孤独死の死亡届は誰が出す?

家族が亡くなるとその遺族が死亡届を提出することになりますが、独居で親族のいない方が孤独死をした場合は誰が届け出るのでしょうか? 通常、死亡届は本人の死後7日以内に最寄りの役所への届け出が義務付けられています。
この届け出については、戸籍法に明確な規定が存在します。
上記の通り死亡届の届け出人となるのは、同居の親族、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族、その他の同居者(本人との関係は特に必要無し)、家主、地主、家屋、土地の管理人になります。
以上に該当する方が届け出ることになりますが、例えばアパートやマンションで孤独死した際には、物件を賃貸した大家さんや管理事務所の責任者が該当します。

またその土地が借地であれば、その土地の所有者などが提出することになります。
これら届け出人については、法律に規定した順序に関係なく届け出られるのが特徴です。
そのためシェアハウスで生活している方が孤独死した場合は、同居人はいたとしてもマンションの管理人が届け出しても問題ないということになります。
また死亡届の用紙には、その届出人欄に(公設の長)というものが記載されています。
これは例えば入院中に亡くなったのであれば病院長、各種の施設に入所中に死亡した場合はその施設の長が該当することになります。

死亡届を提出してそれが受理されると、その届け出を基にして新しい戸籍を作成することになります。
また死亡届については成年後見人も提出できるようになり、さらに孤独死の死亡届は戸籍法に規定した者が行うことになります。
具体的には個々のケースで変わってきますので、不明な点は役所に問い合わせてみるといいでしょう。

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