近年、新しい埋葬方法が増えてきている

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近年、新しい埋葬方法が増えてきている

葬儀は宗教や宗派によって形式が違うため、その形に乗っ取って行われますのであまり問題はありません。
お墓への埋葬でも違いはあり、決められた方法に流される形で行うことが一般的です。
しかし近年では、新しい埋葬方法が増えてきていると言います。
先祖代々のお墓に入る予定のない方は、その新しい方法を考慮している方もいるかもしれません。
新しい形での埋葬方法についてを紹介します。

1)合葬墓とは?

合葬墓とは?

埋葬方法には、様々な種類があります。
最近の新しい埋葬方法の1つに、合葬墓と呼ばれる形式があります。
合葬墓は複数の遺骨を1つの墓所に一緒に納めるタイプのお墓であり、一般的には納骨堂形式のものが多いです。

また合葬式墓所、永代供養墓、合祀墓などと呼ばれることもあります。
永代供養墓には「供養」という宗教的な用語が使用されますが、合葬墓の納骨形態によってその名前も様々です。
なお合葬墓には次のタイプがあります。

カロート共同墓タイプ
カロート「納骨棺」を共有するタイプです。
地上部には、お墓、記念碑、仏像などを建てます。
ミニ墓集合タイプ
小さな墓石を建てるタイプで、カロートは個別になります。
カロートタイプ
墓石を持たず、納骨堂に遺骨を納めるタイプです。

以上の3つがあり、それぞれの用途によって利用することになります。
またメリットとデメリットもあります。

葬墓のメリット
合葬墓のデメリット

メリットばかりにとらわれてデメリットを軽視してしまうと、後々のトラブルに発展してしまう可能性があります。
トラブルで多い例としては、遺骨を返してもらえないことです。
例えば親族が遠方に引っ越しをした場合に、合祀されているためお墓の引っ越しができず、墓参りをすることが難しくなってしまうと状況です。
このようなトラブルを防ぐためには、一定の期間合祀せずに個別の骨壺で安置してもらうといいでしょう。
合祀を行っていないのであれば、骨壺を返却してもらうことができるので、引っ越しや万が一の時にも備えることができます。

以上のようなトラブルもありますので、安価であるからといって安易に合葬墓を選択することはおすすめできません。
利用用途やデメリットなどもよく理解し、総合的な判断することが大切です。
現在は経済的な理由から合葬墓を選んだとしても、将来家族がお墓を建てたりした場合に合葬墓を行った後では、個別に遺骨を取り出すことはできないからです。
合祀墓を利用する方は初めから合祀するのかどうか、家族や親族と協議をして選択しましょう。

2)自分の条件に合ったものを見定める

最近は新しい形態の葬儀が増えていますが、選ぶ際は以下のように自分の条件に合ったものを見定めることが大切です。
供養の期間

供養する期間は、それぞれの家庭や地域によって異なります。
そのためそれら※供養の期間によって、お葬式を選ぶことも大切です。
それぞれに合った方法がありますので、どのようなものがあるのかを知っておきましょう。

専門家のワンポイントアドバイス!

※下線部「供養の期間によって、お葬式を選ぶ」という表現が不明確です。

お墓を用意するならば、供養の問題についても必ず考えておかなければなりません。
宗教によっても異なりますが、たとえば仏教の中でも宗派によって、年忌法要の執り行いが異なっているのです。
最近は三十三回忌をもって弔い上げとする傾向が強いのですが、二十三回忌と二十七回忌を省略する代わりに二十五回忌を行ったりもします。
三十三回忌でなく、五十回忌を弔い上げとする宗派もあります。
更に同じ宗派でも地域によって、異なっています。
このように複雑である上に、最近新しく霊園ができる度に独自のルールが作り上げられています。
したがって、新規にお墓を用意する場合には、今後の供養についてもよく考えておく必要があります。

供養の方法

日本人のおよそ9割の方が、仏式の葬儀を行っていると言われています。
そのため仏式のお葬式を選ぶ人も少なくはなく、仏式でもその宗派によって形式や内容に違いが生じます。
実際に選ぶ時は、これらの点を確認しておかなければなりません。
例えば菩提寺がある家庭は必ず聞いておき、無い場合には葬儀会社に相談しましょう。
また仏式以外にもキリスト教式や神式などもありますが、近年は宗教にとらわれないような自由葬も人気です。
その他にも生前、故人が好きだった音楽で葬送するなどの珍しい方法も存在します。

納骨パターン

納骨のパターンによっても選ぶことができます。
合葬墓とまた同じでカロート共同墓タイプ、ミニ墓集合タイプ、カロートタイプはそれぞれ納骨の方法が異なります。
例えばカロート共同墓タイプは、地上部にお墓、記念碑、仏像などを建てる形式です。
他に納骨堂に納めるタイプもありますので、どのパターンが妥当なのか見定めておく必要があります。

施設環境

お葬式は実際に行う施設環境も重要となります。
それぞれの施設によって環境が異なり、写真だけで判断するのではなく現地に足を運ぶなど、自分の目で確かめるようにしてください。
またその場所が遠方地にあるなど、簡単には行けないような場合もあるでしょう。
その場合には、近くに最適な施設はないか探してみましょう。
改めて見直した結果、最適な場所が見つかるというのはよくあることです。
ネットを使うなど、様々な方法を駆使して探してみましょう。

価格

以前と比べて新しい葬儀の形は増えており、その価格も安くなっています。
ですので価格で選ぶことも、理由としては申し分ないと言えます。
こちらもネットを利用すれば簡単に比較検討できます。

3)自然葬

自然葬?

ここ数年で樹木葬や海洋散骨など、自然葬と呼ばれる埋葬方法も話題になっています。
自然葬が注目されているのは、従来のお墓と比べて比較的費用を安価に抑えることができ、継承者がいない場合でも大丈夫といった点が挙げられます。
※個人専用のお墓または夫婦専用のお墓を建てることができる、これが自然葬の特徴でもあり魅力でもあると言えます。
核家族化や少子高齢化など様々な事由が進む日本において、低費用や相続不要の2つを両立できる供養スタイルは、まさに現代に合ったお墓ではないでしょうか。

専門家のワンポイントアドバイス!

※下線部の表現が不適切かと思います。

自然葬とは、墓石等の人工物を使わないから「自然葬」です。
したがって「墓を建てる」という表現は正しくなく、「用意する・準備する」という表現が適切です。
「自然葬」という言葉が流行し、墓石を使った花壇をお墓とするようなものまでも、「自然葬」と表現することがありますが、それは本来の「自然葬」ではありません。

しかしいくら現代にマッチした方法であっても家族や親族、友人などに相談することなく購入してしまうと、後々トラブルの原因になることもあります。
そこで樹木や散骨など、自然葬のお墓を購入する際のポイントを押さえておくことも大切です。
自然葬としては海洋散骨、樹林・樹木葬などが一般的です。
これら自然葬を行う際は、遺骨についてしっかり理解しておきましょう。
自然葬を行う場合に、遺骨は戻らないことを頭に入れておいてください。
この点が従来のお墓との大きな違いになります。

遺骨を埋蔵するお墓では後から遺骨を取り出すことはできますが、自然葬の場合には後から遺骨を取り出すことはできません。
そのため実家の移転など、引っ越しに合わせて改葬の手続きをすることもできなくなります。
「遺骨は戻らない」、この点を前提に熟考して購入するようにしてください。

自然葬全体について専門家のワンポイントアドバイス!
補足①

本来の自然葬は、「死んだ後に自然に還る」がテーマです。
墓石などを使うことはありませんし、石や金属、プラスチック等でできたカロートも使いません。
遺骨を微細粒にし、土の中に埋めます。
もしくは海や山に撒きます。
このようにして、何も残さずに自然に還るのです。
最近は、遺灰を袋に入れたものをカロートに入れそれを地中に埋め、三十年後に掘り出して合同葬にするというものまで登場しました。
結局は流行に流されず、自分が望む埋葬方法をしっかりと見極めることが必要でしょう。
ちなみに遺骨が土に還るには何千年何万年もの時間が必要です。
百年単位では土に還ることは難しいでしょう。

補足②

海洋散骨や山への散骨は、法律的に合法ではありません。
現在は黙認されている状況です。
勝手に海や山に散骨してしまうと犯罪として処罰されるだけでなく、所有権者などに損害賠償請求される可能性が高いのです。
自分の所有する土地なら大丈夫と判断しても、隣接する土地の所有者から訴えられる可能性もあるのです。
また条例により禁止している自治体も少なくありません。
そのため、必ず専門業者を介して散骨するようにしましょう。
最後に、散骨の際の重要な留意点をお伝えします。
山に散骨した後に土を撒いてかぶせると、明らかな犯罪です。
土をかぶせた途端、「墓地」以外に「埋葬」したことになり、「墓地、埋葬等に関する法律第四条第一項」違反で処罰されます(「墓地、埋葬等に関する法律第二十一条第一項」により、罰金又は拘留若しくは科料に処せられます)。

4)遺灰をまく

新しい葬儀の方法として注目されている自然葬ですが、この遺灰をまくという方法も特徴の1つでもあります。
海洋散骨、樹林・樹木葬など故人の遺灰をまいて、供養を行います。
実際の供養方法はそれぞれの葬儀会社によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

5)最近は『宇宙葬』『樹木葬』もある

最近は宇宙葬や樹木葬など、今までになかった新しい葬儀も現れています。
それぞれに特徴がありますので、それがどのような内容になっているのかを確認した後に選ぶようにしてください。
自分の条件に合った方法を見定めることが大切です。

埋葬方法にはいくつかあり、その中には新しい方法も現れています。
この新しい埋葬にはそれぞれ良し悪しの特徴がありますので、すぐに決めずに家族や親族とよく相談することが大切です。
選び方も色々あるため事前に調べておきましょう。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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