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最近では葬儀の形態が大きく変わりつつある

最近は葬儀の形態も大きく変わってきていることもあり、身内だけで行う家族葬や密葬などに加えて、永大供養や散骨などの自然葬までが注目を集めています。
そのような新しく登場してきた葬儀は、テレビなどの特集や雑誌などで取り上げられることもあり、今後も利用者は増えてくる可能性があります。
世の中のニーズに応えるように登場し、現代の風潮や環境に適していると言われて続々と新しいスタイルの葬儀が生まれています。
どのような葬儀があり、どのような形で行われるのかを紹介していきます。

葬儀

永代供養合葬墓とは?

最近の少子高齢化や核家族化などの影響もあることから、お墓の維持が難しい状況に陥る家庭も増えています。
その代わりに台頭してきているのが、新しい葬儀形態の一つである「永代供養合葬墓」です。

供養の期間

「永代供養合葬墓」というのは、複数の人の遺骨を同じ場所に埋葬していくお墓のことです。
合祀墓と呼ばれることもあり埋葬地を共有しますので、礼拝の対象になる石塔も必然的に共有することになります。
合葬墓での供養期間はそれぞれの施設によって異なりますので、事前に確認しておく必要があります。
永代供養合葬墓の名称には「永代」という文字がありますが、必ずしも永久的に供養をするわけではありません。
例えば霊園とお寺でもその期間は異なっており、霊園では亡くなった方の30回忌が終わった時点で、永代供養の期間が終わるような規定を設けているところも少なくありません。
一方でお寺の場合も供養の期間が明確に規定されているわけではなく、例えば子孫の方が檀家を離れたタイミングで、永大供養ではなくなると解しているところも存在します。
それぞれお世話になる菩提寺によっても異なりますので、お願いする際にしっかり確認しておく必要があるでしょう。

供養の方法

永代供養を行う方法ですが、それぞれ宗派や実際に管理しているお寺や霊園などによっても大きく異なります。
法要を毎月しているところもあれば、お盆やお彼岸など特別な行事の時に行ってもらえるなど様々です。

納骨パターン

永代供養合葬墓の納骨も、依頼するお寺や霊園などによっても変わってきます。
個別に納骨するところもあれば、他の人の遺骨と一緒に埋葬するなど様々なパターンがありますので、こちらも事前に確認しておくと良いかと思います。

施設

永代合葬墓のサービスは全国の施設で提供されていますので、希望される方はネット検索などをして確認しておくといいでしょう。
それこそ多種多様な施設が存在しますが、中でも特徴のある合葬墓をいくつか紹介します。

空海寺(奈良県奈良市)

空海寺は奈良の大仏で知られている東大寺の近くにある施設になり、1000体以上もの遺骨を受け入れられる合葬墓です。
壮大な五輪塔に特徴があり、亡くなった人の死後の安寧を祀ってもらえます。
石塔ですが、地下はハシゴで降りることができ、人が入れるほどの大きなスペースが設けられているのが特徴です。
その部分に納骨室が設置されていて、遺骨は土に還るように造られています。

一心寺(大阪市天王寺区)

一心寺は、納骨された遺骨で仏像を造る、という画期的な供養法が特徴です。
こちらは明治20年からスタートし、現在13体の骨佛が祀られています。
現在でもたくさんの人の遺骨が納められていて、そのようにして祀られた骨佛へお参りに訪れる人も少なくありません。

金剛宝寺(大分県玖珠郡)

金剛宝寺は大分県で有名なお寺の一つになり、大分県と熊本県を跨いだ、阿蘇くじゅう国立公園内に建てられています。
金剛宝寺は、四十九日法要、永代供養、管理費などの費用が比較的安いのが特徴と言えます。
さらに九州一円に限りますが、お寺側で遺骨を引き取りに住宅へ出向く、というサービスも行われています。

お寺
価格

合葬墓を利用する際には、かかる費用が気になる人も少なくはないと思われます。
しかし現実的には、永代合葬墓の費用は各施設によってまちまちになり、安いところもあれば高いところも存在します。
安い施設では3~15万円程度でできるところもありますが、高いところでは30~200万円以上かかるなど、かなりの幅があるのが特徴と言えます。
ただ供養の方法として最も簡素なこともあり、全体的には費用は安いようです。
合葬墓は1年に数回程度の合同法要などを行うのが一般的ですが、それも個別にではなく合葬という、まとめて執り行われることから、安い費用でも可能になるのです。

カロート共同墓

カロートというのは、お墓で遺骨や骨壷を納める納骨室部分のことを言います。
カロートは納骨室が地面上にある「地上タイプ」と、地面下にある「地中タイプ」とに分類できます。
中でも洋式の芝生墓地などは地中型が多く、和型は多くの骨壷を埋葬するために2段カロートもありますが、水捌けなどの理由から回避されることも少なくありません。

ミニ墓集合

ミニ墓集合は、小さな墓石を建てるものになり、カロートとは別になります。
お寺や寺院などによって形態が変わることもありますので、事前に確認しておくといいかと思います。

カロートタイプ

カロートタイプは、そのすべてを石材で組み立てる石棺カロートが人気を呼んでいます。
カロートの内部にある床部分の全てをコンクリートなどで埋めるのではなく、手前にある土の部分を残したままにすることもあります。
この方法によって、お墓を半永久的に使用できるようになるのです。

自然葬

最近では、世の中の風潮も伴うことで自然の中に還りたい、という故人の気持ちを汲むことが増えてきました。
そのため自然葬と呼ばれる埋葬方法も、注目をされるようになりました。

法律

葬儀の方法には色々なものがありますが、現在では散骨といった自然葬も注目を集めています。
自然に還すという意味もあるのですが、法律的には問題はないのかが気になる点だと思います。
散骨は違法なのかが最も重要なことになりますが、実際には違法でもなければ合法でもない、というのが現在の状況だと言えるようです。
「散骨は違法ではないのか?」と疑問に思っている方もいるかもしれませんが、実際はグレーな状態にあるというのが正解です。
現在では、節度をもって行われる散骨については、法律によって罰せられるようなケースはありません。
もちろん遺骨をそのままの状態で撒いてしまうと遺棄罪に問われますが、パウダー化するなど節度を持って行うのであれば問題ありません。
遺族や祭祀承継者などが、葬送する目的で遺骨を粉状にするような行為は、損壊罪にはあたらないとされているからです。

散骨ルール

散骨を行うときには、遺骨を粉骨することが大切です。
遺骨の形状が以前と比べて分からないようにすることがルールになり、細かくパウダー化して撒くことになります。
遺骨の状態が誰が見ても解かるようでは、問題視される可能性があります。
また散骨する場所にも注意を配る必要があるでしょう。
例えば海に散骨したいと考える人もいると思いますが、その際には観光地や海水浴場、漁業区域などは風評被害なども出てくる可能性がありますので、細心の注意が必要です。
山などに散骨する場合には、民家などが多い生活空間や多くの人が集まる観光名所は避けるべきです。
そして散骨を実施するときは、各自の態度にも気をつけなければなりません。
例えば骨壷などを持ちながら行列をしたり、喪服の着用などを避けるというのが、最低限のマナーと言えます。
現在は法律や条例などが存在しないこともあり、専門業者などが独自の判断で実施しているのが現状でもありますが、そこは節度を持って行うことが求められるのです。

遺言状でしっかり意思を残すことが大切

散骨を希望する方は、遺された遺族にそれが分かるように遺言書などにしっかり書き残すようにしておきましょう。
最近の終活ブームも相まって、自分のお葬式などを遺言書にまとめておく人も増えてきてはいますが、散骨を希望する方は一緒にその旨を記しておくといいと思います。

遺言状

遺灰をまく

新しい葬儀の形態として人気のある散骨ですが、遺灰をまく際にはどのように行えば良いのでしょうか?

業者に依頼

散骨で遺灰をまくことは家族だけでもできるかもしれませんが、専門の業者に依頼するのが一般的です。
最近の散骨のニーズを察知して、散骨のサービスを提供する業者も増えてきているのが現状です。
その中には、行われるべき行事などを引き受けてくれるところもありますので、思い切って任せてみるのもいいかもしれません。

散骨の場所?

散骨する際に注意しなくてはいけないのが、遺灰をまく場所になります。
実際に場所の選定については、色々調べたり許可を求めたり、大変な労力が伴うことが予想されます。
他人の持っている土地などに、勝手に散骨すると問題になる可能性があるからです。
観光地や民家など、たくさんの人が集まる場所は避けなければいけません。
その辺りについては業者の方が心得ていると思いますので、事前の打ち合わせなどで確認しておくといいでしょう。

宇宙葬や樹木葬、海洋葬?

散骨を始め、現在ではそれこそ新しい供養が登場しています。
ユニークなものから厳かなものまで、色々な供養の方法があることが解かります。
いくつかを紹介します。

宇宙葬

ユニークな供養の方法の筆頭としては、宇宙葬と呼ばれる方法が存在します。
小さなカプセルの中に遺骨の一部を詰め、衛星ロケットなどに積んで宇宙へ運ぶという方法です。
この時に使用するロケットは地球の軌道を周回後、大気圏に突入して消滅することから、その際に遺骨も一緒に消えてしまうことになります。
ただロケットの打ち上げが必ず成功するという保証もなく、費用も莫大にかかるのが難点になり、日本ではあまり選択する人はいないように思われます。

宇宙葬
樹木葬

樹木葬というのは、シンボルとなる樹木を墓碑に見立てて、その周辺に散骨をしたり納骨を行う方法になります。
山に立っている樹木の根元に粉砕した骨を撒く方法や、共同墓地に不特定多数の遺骨を埋葬するなど様々な方法があります。

海洋葬

海洋葬というのは、粉砕した遺骨や遺灰を海にまいて、故人を祀るという方法です。
生前に海が好きだったという方や、地球レベルの自然回帰を望んでいる人などにおすすめの方法と言えるでしょう。

まとめ

昔と比べて、最近では葬儀の形態が大きく変わりつつあるのが現状です。
故人の意思を反映させるだけでなく、現在の風潮や考え方の違いから、死に対する想いが変わっているからかもしれません。
中にはユニークなものから、厳かなものまで様々な種類の供養の方法がありますので、気になるものがある人はしっかり確認しておきましょう。
それぞれに特徴がありますので、故人の意思を尊重した方法が望ましいと言えるでしょう。

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