配偶者に先立たれ、残された親の気持ちを考える。

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配偶者に先立たれ、残された親の気持ちを考える。

配偶者の死に直面すると、年齢に関係なく最悪の喪失感を味わうことになると言われています。
それは年老いた親であっても例外ではなく、自分よりも先立つ相手方の死は想定すらしていなかった出来事だからです。
またこれから育まれるであろう配偶者との輝かしい未来が、音と共に崩れ落ちるのですから尚更です。
配偶者に先立たれ、一人残された親の気持ちについてまとめます。

1)いままでの暮らし方を続ける?

いままでの暮らし?

配偶者が亡くなったことで、普段の生活が一変することは避けることができません。
しかしほとんどの場合その事実を心にしまい込み、いままでの暮らしを続けるという親は多いです。
ただし配偶者の死については、どれだけ時間が経っても整理することができないというのが現実です。
普段通りの生活に戻るには人によっても異なりますが、それなりの時間が掛かることになるでしょう。
そのためにも家族内でのケアは、とても重要な事項と言えます。

離れて暮らしている子供が取るべき行動

配偶者が亡くなった直後は誰しも精神状態が不安定となるものですので、家族全員で一緒に励ましあいながら生活すると良いです。
そしてある程度時間が経ってから、今後の生活のことを話していきます。
その際に心配は募るでしょうが、あえて同居という提案はせず時々でも顔を見せにいき状況を観察しましょう。
そして困っていたら、すぐに手助けに行く距離感が丁度良いと言えます。
だたし親も子供に心配させまいと気丈に振る舞いますので、できることなら子供側から察してあげたいところです。

要介護状態

親が健常であった場合は上記の方法で構いませんが、中には介護が必要なことも考えられます。
その場合は親を一人で生活させるわけにはいきません。
要介護の場合は介護者も大変な負担を被りますので、できれば交代で見る体制ができることがベストです。
そのため子供が複数いるときは、どのように支援をしていくかなど十分に話し合う必要があります。
また子供が少なかったり経済的なゆとりがあれば、介護サービスなどに依頼をすることも検討したいところです。

2)将来の介護について

親からすれば、自分の体のことで子供に心配を掛けたくないと思っているでしょう。
ましてや自分の介護のために、子供に苦労を掛けさせてしまうのですから尚更です。
反対に子供からしてみると、親の身体のことで心配は尽きないと思います。
しかしそうは言ってもそれぞれの家庭の事情もあるでしょうし、どのように世話をしていくかはとても難しい問題です。
中には家族間で積極的に決まる場合もありますがこのケースは稀で、ほとんどの場合はスムーズに話が進みません。

親の介護

昔は、親の世話は長男の役目という考え方がありました。
明確な理由は分かりませんが、単純に生まれた順番からきているものなのか財産分与の関係があるのだと思われます。
しかし法律の世界では遺言がない限り、子供は誰もが平等であり親への扶養義務も平等なのです。
もちろん自分の親の世話となるため、そのようなことは言われなくても理解していると思います。
しかしこれによる苦労を背負い込む覚悟や今までの生活が一変する可能性もありますので、簡単な決断ができないのも事実と言えるでしょう。

事前に話し合うことが重要

ことが起きてから話していてはいつまでも決まらない場合がありますので、事前に家族間で話しておくことが重要です。
もちろんこれは不測の事態となりますので、いつ話すかはとても難しい問題と言えます。
またこのようなマイナス的な事情は考えたくない、という気持ちもあると思います。
ですが長い人生の中でいつかは訪れることですので、もしもの場合に備え色々と家族間で話合いをしておくことが重要なのです。
話し合う内容としては誰が親の世話をするか、生活資金などをどのようにするかが大きなポイントになると思います。
例えば現在親の近くに住んでいる場合や経済的なゆとりがあると、とても大きなポイントとなるでしょう。

3)親の意志が一番大切

親の意志が一番大切

親からしてみると、自分の子供には面倒を見て欲しくないということも、多々あると思います。
しかし子供からすると、どうしても親のことを心配に思い自分たちの考えや勝手な思い込みから、様々な面を決めてしまいがちです。
そうならないためにも、できるだけ親の意見を尊重するようにしましょう。

様々なケースがある

親の面倒を見るにしても、父親だけ、母親だけ、要介護と様々なパターンが考えられます。
例えば父親だけの場合は食生活の心配が絶えなかったり、母親だけの場合は力仕事の面や心が弱い部分が出てくるなど、という考えが連想できます。
しかし「○○だからできない」と決めつけるのは、大きな間違いです。
親が一人暮らしを希望するなら、これを尊重するのも重要なことです。
その場合はできる限り遠くから応援する方法に切り替えた方が、親としても嬉しいと思います。
そのため子供の価値観や常識は排除して、どのように接していくのかをしっかりと決めたいところです。

4)一人になった親の暮らし方

片親となった親の暮らし方も、様々な状態が考えられます。
例えば今まで住んでいた家から出ずに一人暮らしを続ける方、同居して一緒に住む方、施設で生活する方などです。
それぞれのケースで、メリットとデメリットがあります。

一人

このケースは配偶者が突然いなくなるため、そのまま一人暮らしを始める場合に多く見られます。
この場合は子供が近隣に住むか遠方に住むかの、どちらかのパターンになるかと思います。
近隣に住む場合のメリットとしては、親は子供が近くに住んでいてくれるという安心感が生まれます。
デメリットとしては子供からの視点では干渉が少なくなるメリットはありますが、要介護となった際に毎日の往復が大変です。
遠方に住む際のメリットは、親は子供に頼ることができないという緊張感から、いつまでも自立心を保つことができます。
デメリットはいざという時の対応やうつ病など様々な病気を患った際に、心配の種が尽きないことにあります。

同居

このケースは親の家で子供が同居している場合や、子供の家で同居している場合です。
メリットとしてはいつ何があっても、すぐに家族が対処できる点にあります。
また家族で面と向かって会話ができますので、親の孤独感が予防できます。
デメリットはお互いの生活に干渉をすることです。
もし子供が結婚していないならそれほど干渉は気にならないと思いますが、もし結婚しているとすればお互いの関係が悪くなる可能性があります。

施設

このケースは完全に子供から離れて、有料老人ホームやケアハウスで生活することです。
メリットとしては同じような境遇の人も大勢いることから話し相手が多く、孤独感を予防できる点にあります。
またいつ何があってもプロのヘルスケアが管理してくれますので、すぐに対処が可能です。
子供としてもお互いに干渉されることが少ないため、安心して任せることができるでしょう。
デメリットとして人付き合いが苦手の人は、これによる精神的負担が大きく不向きとなります。
またお金が掛かりますので、経済的に余裕が無いと少し厳しいという点が大きいです。

残された親の気持ちというものは一生に一度経験するか否かなので、簡単には理解できないと思います。
しかしこれからの人生において、確実に起こる出来事のため覚悟をしなければなりません。
そのため家族間で今後のことを話し合い、いざという時のために備えておくことは重要だと思います。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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