社葬の費用は経費として計上できる勘定科目もある

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社葬の費用は経費として計上できる勘定科目もある

社長や重役の方が亡くなった際に、会社が主催をしてお葬式をすることもありますが、一般的にそれを社葬と呼んでいます。
その際には、社葬の内容や規模によってかかる費用が異なりますので、事前に葬儀会社に確認するなどして把握しておくことが求められます。
社葬の費用や経費として認められる勘定科目や、支払い方法などについて知っておきましょう。

社葬の費用?

社葬の費用?
社葬について

社葬というのは、これまで会社に様々な功績を残してきた人物を、会社を挙げて祀るお葬式のことを言います。
会社によってお葬式の規模や内容は異なりますが、社葬そのものは社会にとって必要であると認知された場合に執り行うことができます。
社葬は会社が主催をすることから、より多くの社員や関係者が故人を偲ぶことができ、たくさんの人が参列することで一般的なお葬式と比べて大きな供養にもなり、遺族の気持ちも癒してくれるのです。

社葬そのものは、残された社員たちが故人の志を受け継ぐ決意をするなど、心機一転のために行われることもあります。
中には企業の信用度を高めるために、広報活動の一環として執り行うところもあり、それだけ大切な儀式でもあるのです。
一般的なお葬式と同じように社葬も費用はかかりますが、社葬の費用は会社の経費として計上できるものと、そうでないものがありますので事前に理解すしておく必要があります。

法人税法

社葬について法人税法上では、「社葬を実施することが社会通念上相当であること」、さらに「社葬を行うために必要と認められる費用」であれば、福利厚生費として損金計上できる旨の規定があります。
社葬費用を経費として計上するためには、法人税法にもあるように、生前に故人が会社へ貢献したという事実と、社葬を行うことが世間から見て妥当と判断されることが必要です。
その一つである「社葬を行うことが通念上相当である場合」ですが、その判断ポイントは、やはり故人の会社への貢献度になり、生前にどれだけ会社に貢献したのかをしっかり見極めることが大切です。
判断内容は様々ですが、例えば会社での地位や経歴が他の方より優秀であったと認められる時は、社葬を行うことが相当であると認められます。
さらに故人が亡くなった事情が会社の業務と深く関係している場合も、「社会通念上」と判断されることになります。

以上のように、世間的に社葬が認められる条件としては、生前に故人がどれほど会社に貢献したのかなど、故人の死亡理由が大きく関係します。
故人が会社の創始者である時や、会社に多大な貢献をしてきたことが明確な場合、社葬が認められることが多いのです。
その他にも会社の業務をしている時に、不慮の事故で亡くなった場合も社葬が認められるとされていて、社葬の費用を経費に計上できるようになります。

社葬の費用は経費として計上できる?勘定科目は?

勘定科目は?

社葬費用を経費に計上するには、社葬を行うことを決めた取締役会の議事録が必要です。
取締役会の議事録には、以下のように様々な事由を記載します。
具体的には、「故人を社葬にする理由」、「社葬で行う範囲」、「社葬費用のうち会社が負担する分」などです。
取締役会議事録は、社葬にかかった費用を会社経費として認めてもらうなど、税務処理で欠かすことのできない書類になります。
社葬を行うことが妥当であると認められれば、実際に社葬にかかった費用を会社経費として処理できるのです。
経費として認められた勘定科目は福利厚生費になり、福利厚生費については支出年度の損金に算入できます。

社葬の費用として認められるもの

社葬には様々な費用がかかりますが、社葬でかかった費用の全てを経費としては計上することはできません。
実際に社葬費用として認められる経費としては、「葬儀会場使用料」、「葬儀会場設営費」、「お布施(読経料)」、「生花や祭壇費」、「屋外設備費」、「警備にかかった費用」、「社葬通知状の作成費用や会葬御礼、会葬御礼品など」、「飲食費や新聞広告費」などがあります。
社葬費用が経費として認められると福利厚生費として会計処理できますが、例えばお布施などは領収書がないため、把握するのが難しい面もあります。
そういうものは菩提寺などの支払先と金額、さらに支払日などを記録しておくと良いでしょう。

社葬の費用として認められないもの

社葬の費用として認められないものもあります。
それは遺族側で負担するべき費用と判断されたものであり、具体的には「個人的に行った葬儀や密葬の費用」、「仏壇や仏具購入費」、「墓地や霊園費用(墓石も含む)」、「戒名料」、「初七日や四十九日といった法要費用」、「香典返しなどの返礼品にかかった費用」、「納骨費用」、「役所への手続きにかかった費用」などです。
これらの項目は社葬の費用としては認められませんので、費用として認められるものとセットにして覚えておきましょう。

葬儀費用はクレジットカードが使えるか?

葬儀費用は現金払いや銀行振込などが一般的ですが、クレジットカードでの支払いは可能なのでしょうか? このクレジットカード払いについては、葬儀会社によって対応が異なりますので、各自で確認しておく必要があります。
当然のことですが、クレジットカード払いに対応している葬儀会社であれば、葬儀費用をクレジットカードで支払うことは可能です。
クレジットカード払いの制度を導入している葬儀会社は、全国的に見るとはまだ少ないようですが、カード払いが一般的になっている昨今の事情を踏まえると、今後は葬儀会社の方でもクレジットカード払いを導入するところが増えてくることが予想されます。

クレジットカード払いの場合には、一括払いや分割払い、リボ払いやボーナス払いなど様々な方法がありますので、その中から選択できます。
ただクレジットカードにはそれぞれに利用限度額がありますので、場合によっては全額の支払いができないこともあるでしょう。
葬儀費用が利用限度額を超えるようであれば、クレジットカード会社に利用限度額の引き上げの申請をしておくと良いでしょう。
基本として葬儀の費用はクレジットカードでの支払いも可能ですが、僧侶の読経料や戒名料など、お寺に関する費用についての支払いはできませんので注意しておきましょう。

葬儀の費用を相続財産から支払う場合

葬儀の費用は、相続財産から支払うこともできます。
全国平均では約200万円とも言われている葬儀費用は、誰が支払うかの法的な決まりはありません。
明確なルールはないもののいくつかの方法は存在し、その一つが相続財産になるのです。
被相続人に財産があれば、葬儀費用などの負債はその相続財産から弁済できます。
葬儀費用を相続財産から支払うメリットとしては、実際に支払った分だけを相続財産から差し引けることが挙げられます。
そのため相続税の計算もしやすいと言えるでしょう。
つまり相続財産から葬儀費用を支払うということは、相続税対策にも結びついてくると言えます。
故人に財産がある場合は、検討してみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

社葬には様々な費用がかかることになりますが、それらの費用の中には経費として計上できる勘定科目も存在します。
また葬儀の費用は、クレジットカードや故人の相続財産からの支払いも可能です。
ただクレジットカードについては対応していない葬儀会社もありますので、事前に確認しておきましょう。

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