寿陵のメリットや注意点

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寿陵のメリットや注意点

生きているうちにお墓を購入することを生前購入と言いますが、同じような意味合いのものとして「寿陵」という言葉があります。
生前にお墓を購入することができれば残された家族の負担を軽減できるなど、それなりのメリットを得ることができます。
寿陵とはどのようなものか、その意味やメリットなどを紹介したいと思います。

寿陵とは

寿陵とは

寿陵というのは、自分がまだ生きているうちにお墓を用意することを言います。
いわゆる生前購入のことですが、どうしてお墓を生前に購入することを「寿」と言うのでしょうか? 「寿」というおめでたい言葉が入っているわけですが、これには意味があります。
「まだ生きているうちに自分のお墓を準備しておくと長生きできる」という言い伝えがあることから、寿という文字が使われるようになったのです。
これは元々中国に端を発しており、中国に古くからある言い伝えのことで、秦の始皇帝といった多くの皇帝が寿陵を建立してきた事実があるからです。

日本の場合は「まだ生きているうちにお墓を建てるのは縁起が悪い」、「早くからお墓を建てると早死にする」など、寿陵の持つ意味とは逆のことをイメージする人も少なくありません。
寿陵に対して否定的な見解を持つ人は少なくはなかったのですが、その考え方も徐々に変化してきているようです。
ここ最近では、「子供世代にお墓にかかる負担を残したくない」など、寿陵を肯定する人たちが増えてきています お墓に刻まれた戒名などが、朱色に施されているのを見たことがある方もいると思います。
これはその名前を持っている人がまだ亡くなっていない、生きていることを示しているのです。

寿陵で注意したい点

お墓を生前に購入する風潮は少しですが、高まりつつあるようです。
それはそれでいいと思いますが、寿陵を建てるときには以下のように注意してもらいたい点があります。

①子供の意見を聞く必要がある

まずは子供の意見をよく聞くことです。
何故子供の意見を聞くことが大切なのかと言えば、実際にお墓参りをしてくれるのはその子供たちだからです。
お墓を生前に購入することになるため、本人にしてみたら自分のお気に入りのもの、好みのお墓を購入できるなどのメリットが得られます。
ただどんなに本人が気に入ったお墓や霊園であったししても、その場所が子供たちの住んでいる家からあまりにも距離があると、お墓参りもしづらくなってしまう可能性があります。

さらに寿陵で先祖代々が入れる墓を購入したとしても、そのお墓に肝心の子供たちが入る意思がなければ、逆に大きな負担となってしまいます。
せっかく子供の負担を無くすために購入したお墓が、逆に大きな負担になってしまうというのでは、本末転倒です。
それならわざわざ生前にお墓を購入せず、亡くなった後に子供に任せた方がいい、ということになります。
メリットがデメリットになってしまうことがありますので、まずは子供の話をしっかり聞くようにすることが大切です。
寿陵を購入する際には、子供に継げるようなお墓にするのか、それとも継がなくても良い永代供養にするのかなどを子供ときちんと話し合い、また購入する寺院や霊園などにも本人の希望をしっかりと伝えなければいけません。

②お墓の形式に関する説明をよく聞く

そしてお墓の形式に関する説明をよく聞くことも大切です。
この説明を聞くことについては、最近の情勢を見ると解かります。
現在は様々な種類のお墓が現れていますが、だからこそとても重要と言えるのです。
お墓の種類は多いことから、どのようなお墓があるのかを事前にしっかり聞いておくようにしましょう。
それがスムーズなお墓の購入へと繋がってくるからです。

③現在の菩提寺に寿陵のことを話しておく

現在お付き合いのある菩提寺に、事情をしっかり話しておくということも重要な点として挙げられます。
これは今現在近隣のお寺の檀家になっているのに関わらず、生きているうちに新しいお墓を建てようとしている人に該当します。
菩提寺には先祖代々のお墓がありますので、それをどうするのかを決めておく必要があるのです。
先祖のお墓は特に何もしないでそのままにしておくのか、あるいはお墓を処分して更地にしてしまうのかなど、新しいお墓を購入する前に解決しておく必要があります。
寿陵を購入する際には、注意点についての検証も必要です。

寿陵の手順

寿陵を購入する際には、手順に沿って行うとスムーズに手続きも進めることができます。
まずはどこにお墓を建てるか、その場所の選定を行いましょう。
例えば公営霊園の場合は、遺骨がなければ埋葬を認めてもらえないこともありますので、最初に希望する霊園に問い合わせをして、寿陵ができるのかをしっかり調べておく必要があります。
自分が入りたいような霊園が決まったら、次は現地訪問をしておきましょう。
現場に実際へと赴き、お墓の状態や立地条件、交通の便や霊園の雰囲気などを、自分の目で確かめることが大切です。
特に交通の便には注意が必要で、その場所が通いづらいところにあると、亡くなった後に家族がお墓参りに行くときに大きな負担に繋がる可能性があります。

そのため現地訪問をする際には、電車やバスの状況や本数なども調べておくと良いかもしれません。
家族が車を利用してお墓参りをするような場合は、近くに駐車場があるか、あるいはパーキングなどの有無も調べておくといいでしょう。
お墓を建てる場所が決まったら、次は墓石選びになります。
最近は自分の好きなデザインや、趣味を活かしたお墓を購入する人も増えてきていますし、墓石に各自が好きな言葉を刻むなど、個性溢れるお墓にすることも良い方法ではないかと思います。
その点については、実際に購入する石材店などと相談してから決めると良いでしょう。

寿陵のメリット

寿陵のメリット

寿陵にはいくつかメリットがあり、その一つが子供の負担を軽減することです。
子供の負担を軽減することは、誰もが納得できる点ではないかと思います。
一般的なお墓を購入すると150~200万円、あるいはそれ以上の出費になってしまうこともあるでしょう。
今はお墓購入のためのローンも色々とありますが、それでも額が大きくなると子供の負担が増えることにも繋がります。
親がその分の費用を準備することで子供の経済的な負担を減らすことはできますが、お墓を建てる際には時間や精神的な負担も大きいものです。

例えば納骨については、四十九日の法要と一緒に行うのが一般的ですが、家族が亡くなってからお墓を購入すると、納期がギリギリになったり間に合わなくなったりするかもしれません。
子供の負担を少しでも減らすためにも、生前購入は大きな意味を持っていると言えるでしょう。
そして自分好みのお墓を建てることができる、という点もメリットと言えます。
自分でお墓を建てることができれば、特に種類が豊富に揃った現代では、とても重要なことではないかと思います。
現在では一般的な個人墓を始め、樹木葬や永代供養墓など様々な種類のお墓が存在しますので、自分の好みのお墓を建てておけば安心に繋がるのではないかと思います。

このページのまとめ

寿陵というのは、生前にお墓を購入することを表しています。
いくつものメリットがあることから、実際に生前にお墓を購入する人も増えているようです。
ただ注意するべき点もありますので、遺族や親族などとよく相談してから決めることが何よりも大切です。

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