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住宅ローンの返済について知っておかなきゃいけない5つのポイント
1) 繰り上げ返済とは
ローンを組んで住宅を購入した方は、長期に渡り、毎月ローンを返済することになります。
このローンにおける元金返済を前倒しして、支払いすることを繰り上げ返済と言います。
繰り上げ返済は通常のローンに上乗せして支払いするため、早くローンを終えることができたり、或いは、毎月の負担額の軽減、利息を安く済ませることができるというメリットがあります。
繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
それぞれ同じ繰り上げ返済でありながら異なる特徴を持っています。
① 期間短縮型
期間短縮型の繰り上げ返済は、毎月の返済額は変わりませんが、返済期間を短縮し、支払う利息を安くすることが可能です。
- 具体例
- 借入金額:3000万円
- 返済:元利均等
- 返済金利:年利2.5%
- 返済期間:35%
この場合の返済総額は、45,044,198円となります。
元金3000万円に対して、利息は15, 044,198円となります。
しかし、1年後に100万円繰り上げ返済を行うと、トータルの利息は13,755,796円となり、約130万円も利息が安くなり、返済期間も33年で完済可能になります。
しかし、毎月の支払い額が安くなるわけではないので、繰り上げ返済の効果が実感できるのは、ローン完済後になると予想されます。
しかし、ローンの圧縮効果は高く、効率的にローンを早期返済するにはおすすめの返済方法です。
② 返済額軽減型繰り上げ返済
これは繰り上げ返済後に毎月のローン返済額を少なくする方法です。
毎月の返済額が減少した分、家計への負担が少なくなるのが特徴です。
ただし、返済期間は変わらないということ、利息の圧縮効果は期間短縮型の方が高いと言えます。
- 具体例
- 借入金額:3000万円
- 返済:元利均等
- 返済金利:年利2.5%
- 返済期間:35%
1年後に100万円の繰り上げ返済をおこなった場合は月々の返済額は、初年度返済額の118,536円から114,493円となり、月々の支払いが約4千円安くなります。
利息は、繰り上げ返済なしの15, 044,198円に対して、約48万円安い、14,558,759円になります。
返済額軽減型は、同条件では利息の圧縮効果は期間短縮型の繰り上げ返済に劣りますが子供がいる家庭などでは、家計のキャッシュフローを安定させてローン返済を進めていくことができるので少しでも毎月の返済額を減らし、家計にお金を残したい方にはお勧めです。
繰り上げ返済の選択は、自分や家族のライフプランに合わせて検討しましょう。
2)銀行によって返済の手数料が異なる?
借入残高の一部繰り上げ返済の場合は、現在は手数料無料が主流です。
手続きはインターネット上で行います。
しかし、一部の地方下位銀行(信用金庫、信用組合)では店頭手続きのみというケースも多く、数千円~数万円の窓口手数料も取られます。
借入残高の全額の繰り上げ返済をする場合は取り扱っている金融機関とそうでない金融機関がありネット銀行系(ソニー損保、楽天銀行)では、手数料が無料、大手銀行では数千円から数万円の事務手数料がかかります。
3) 繰り上げ返済を行うタイミング
繰り上げ返済は早期に行うほど、利息の圧縮効果が高いため原則としてはできるだけ早く行った方が良いでしょう。
具体例
借入金:3000万円 金利:2.5% 期間35年元利均等において1年後と5年後にそれぞれ100万円を繰り上げ返済した場合の利息
- 繰り上げ返済なし →15, 044,198円
- 1年後に繰り上げ返済→13,727,687円
- 5年後に繰り上げ返済→13,969,036円
1年後に繰り上げ返済した場合は約128万円、5年後では約107万円となります。
このように同じ100万円の繰り上げ返済でも、一年後に行うか、五年後に行うかの差だけでも約20万円も差が出ることがわかります。
繰り上げ返済を行うのであればなるべく早期に行うのが得策でしょう。
4) 借り換えとは
自分が住宅ローンを組んだ時点と比べると何年か先に「金利が安くなっていた」、「繰り上げ返済の条件が良くなっている」といったことが起こる可能性があります。
そんな時には「借り換え」をすることで金利返済分の圧縮が可能です。
借り換えは現在ローンを組んでいる金融機関のローンについて、借り換えを検討している金融機関からの融資で一度完済します。
そして、従前のローン完済後に借り換え後の金融機関でローンを組みなおし、返済をしていくというものです。
5) 借り換えの費用について
住宅ローン借り換えの諸経費は金融機関によって異なりますが、借り換え時の事務手数料だけでも30万円~200万円かかります。
金融機関に支払う費用
1.事務手数料
30万円から200万円。
借り換えの事務手続きにかかる費用になります。
ネット銀行では、借入額の2.1%、大手都市銀行では3万円前後となります。
2.保証料
金融機関が、万が一住宅購入者が、住宅ローンを支払えなくなったときの信用会社の立替をしてもらうための手数料です。ネット銀行では無料が多いです。
3.団体信用生命保険料
住宅ローンを借りた本人が病気などで、死亡または高度障害になり、ローン返済不可能になった場合、保険金で残っているローンを支払いする保険。通常は金利に含まれているため無料ですが、公的ローンのフラット35などを利用している場合は、年払いで、融資残高×0.358%を保険料として支払います。
金融機関以外に支払う費用
1.印紙税
ローンを組む際の契約書に貼り付ける印紙代金です。
法律で下記のように定められており、契約金額が高いほど印紙代が高くなります。
融資額 | 印紙税 |
---|---|
100万円超~500万円以下 | 2000円 |
500万円超~1000万円以下 | 1万円 |
1000万円超~5000万円以下 | 2万円 |
出展:国税庁ホームページより
2.登録免許税
最初のローンを組む段階で購入した自宅と土地は銀行の担保となり抵当権が設定されます。
この最初の抵当権の抹消登記に係る登録免許税、1件1000円がかかります。
通常は土地と建物それぞれに費用が発生しますから、登録免許税は2000円になります。
また、同様に借り換え先でも抵当権を設定することになるので、抵当権の設定は、融資額×0.4%になります。
3.司法書士の報酬
元々の金融機関の抵当権の抹消、そして借り換えの金融機関で抵当権の設定登記の手続きを行う必要がありますから司法書士に依頼します。
相場は5万円~10万円です。
借り換えのメリット
借り換えのメリットは、返済額の削減ができることです。
そして、金利タイプを変更できるというメリットもあります。
最初は変動金利で借り入れしていたけれども、経済状況の変化で金利上昇の可能性が高まってきたと判断した場合、固定金利に切り替えることが可能です。
実際に借り換え前の金融機関でも固定金利へ変更可能なケースはありますが、固定金利は一般的に高めです。
しかし、特に長期固定金利に特化した金融機関に変更することで将来の金利圧縮も可能です。
借り換えの注意点
ただし、借り換えには注意が必要で、確かに金利が圧縮されるなどの一定のメリットがありますが、最初にローン組んだ時以上に諸費用が発生します。 そのため諸費用があってもコストメリットが享受できる場合のみ借り換えを利用するべきでしょう。
一般的には、次の条件を満たしていれば、住宅ローン借り換えの効果があります。
- 1) 住宅ローン残高が1000万円以上ある。
- 2) 借り換え後の金利が借り換え前の金利より1%以上低い。
- 3) ローン期間が10年以上である。
現在は保証料が無料の金融機関もあり、住宅ローン借り換えのメリットは以前に比べると出やすくなっていると言えます。
各金融機関を検討して窓口に相談するのが良いでしょう。
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