形見分けするものやその時期とは?

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形見分けするものやその時期とは?

故人の遺品を整理を行う際には、対象となる商品を形見分けとしていただくことがあります。
形見分けというのは昔から行われている日本独自の儀式であり、現在も様々な地域で見ることができます。
そんな形見分けについて、その時期や内容、形見分けする物などを紹介していきます。

形見分けとは

形見分けとは

形見分けというのは日本独自の風習や慣習、儀式の一つであり、一般的に生前に故人が大切にしていたものを、相続人や近親者、友人などに分けることを言います。
いただいた遺品を通じて、個人の思い出などを共有するのが目的でもあるのです。
形見分けとしていただく品物は様々で、昔は着物が多かったようです。
何故なら着物は丈を直せば誰でも着ることができるものであり、形見分けとしての代表的な品物とされていました。
その考えは現在も残っており、着物を着ることで肌に魂が宿るという、日本独特の思想にも由来していると言えます。
例えば寛永3年に活躍した儒学者の小瀬甫庵が執筆した「甫庵太閤記」の中には、自身の死期を悟った秀吉が形見分けを行った話もあります。
他にも2500年ほど前の話も有名で、当時お釈迦様の教えによって遺品を売却し、それによって得たお金を等分するような教えも語り継がれています。

形見分けで注意したいポイント

形見分けを行う場合には、いくつか注意すべき点があります。

①贈与税について

形見分けをされるものに贈与税がかかるのかは、事前にしっかり把握しておきましょう。
故人の遺品には様々なものがあり、その中には美術品や骨董品、株式など価値の高い品物が出てくるケースがあります。
その場合に注意したいのが贈与税であり、ケースによっては多額の贈与税が発生することもあるのです。
贈与税というのは、1年間でいただいた財産の合計額が110万円を超えると発生し、期限内に税務署に納めなければいけません。
形見分けも例外ではなく、相続した財産の合計が110万円を超えたら贈与税の支払い義務が出てきます。
遺産額が少なければ問題ありませんが、多い時は場合によっては形見分けする相手に迷惑が掛かることもありますので注意が必要です。
高価なものを形見分けする時は事前に商品の価値を把握するなど、十分に注意をしておきましょう。

②包装について

相手に何か物を贈る場合には、その商品は包装するのが一般的です。
そのため形見分けの場合もきちんと包装した方が良いと思う人もいるかもしれませんが、実際には注意する必要があります。
形見分けも相手に物を渡すことになるため、きちんと包装したほうがいいと思われがちです。
しかし形見分けでは、包装をしてはいけないのです。
何故なら、形見分けはよくあるプレゼントではないからです。
商品に包装をするのは相手にプレゼントなどを贈る時であり、あくまで形見分けはプレゼントではないことから、包装しないまま渡すのが一般的です。
どうしても商品を包みたいのであれば豪華な包装紙ではなく、奉書紙や半紙などを用いて軽く包む程度に留めておくのが無難と言えます。

③遺産分割について

形見分けをする際には、遺産分割を完了しておくことが大切です。
例えば故人の相続人が複数人いる場合には、形見分けは故人の遺産の一部としてみなされ、相続の対象になります。
そのため形見分けの対象になった物は、相続人全員の共有物になるのです。
既に遺産分割が完了して個々の遺産が特定されていれば問題ありませんが、そうでなければ後々のトラブルに発展する可能性があります。
遺産分割が完了していないのに、相続人の一人が勝手に形見分けをしてしまうと、他の相続人から訴えられることもあります。
そのようなトラブルを回避するためにも、必ず事前に遺産分割を完了してから行うようにする必要があるのです。

④無理強いしない

形見分けを行う際には、無理強いしないことが大切です。
生前に故人と仲が良かったなど、親しくしていた方たちに「是非とも故人の形見分けをもらって欲しい」と、その相手に強く勧める遺族もいます。
気持ちは分かりますが、自分だけでなく相手の気持ちも考慮する必要があります。
相手が「是非いただきたい」という気持ちを持っていればそのまま勧めても構いませんが、そうでなければ無理に勧めないようにしましょう。
相手は形見分けでもらいたいと思っていない場合もあります。
親族に遠慮していることも考えられますが、どちらにしても無理強いは禁物です。
本来形見分けというのは無理に相手に渡すものではありませんので、相手側の気持ちを配慮することも必要です。

形見分けの時期

形見分けの時期

形見分けを行う際には、その時期が気になる人もいるかと思います。
形見分けを行う時期については何時しなくてはいけないなど特に決まりはありませんが、一般的な約束はあります。
一般的な時期としては法要などがあり、代表的なものとして四十九日法要などの儀式と一緒に行うところが多いようです。
神式の場合、五十日祭や三十日祭などの区切りで行っています。

またキリスト教では形見分けというような儀式はありませんが、日本では実際に行われることも少なくはなく、その場合は1ヶ月命日の追悼ミサの時に実施しています。
日本の四十九日法要、あるいは神式の五十日祭というのは忌明けに該当する日でもあり、この日に故人の審判が終わるとされているのです。
この日をもって故人は仏の元に行くことになり、そのため形見分けは故人の最期のお見送りや、故人を忘れないための大切な儀式として根付いています。

遺品の着物は形見分けする?

故人の遺品として着物が残されることもあるでしょう。
昔は形見分けの代表的な物として着物を渡すことが多かったですが、現在は注意が必要です。
確かに今までも形見分けとして着物を渡すところもありますが、必ずしも喜ばれるとは限りません。
着物の仕立ては、実際に着る人の身長や腕の長さ、体格などを採寸し、それぞれに合ったサイズで仕上げています。
一概には言えないのですが、現在の女性は昔の人たちと比較して、背丈が大きい人が多いです。
そのため裄や身丈などが短い場合もあり、形見分けとしていただいた袖を通してみても袖丈が非常に短く、パッと見で見栄えが悪かったり、身丈が短すぎておはしょりができなかったりすることもあります。
当たり前のことですが、サイズが合わない着物は必要ない、つまり持ちたくはないはずです。

そのため故人の遺品に着物がある場合には、それを形見分けすることは難しいのです。
相手がどうしても欲しいというのであれば渡しても構いませんが、ありがた迷惑になる時は他の方法を探ってみることも大切です。
遺産で受け継いだ着物の処分の方法としては、「そのままゴミとして処分する」、「オークションやフリマなどで売る」、「買取業者に買い取ってもらう」などの方法があります。
どの方法でも構いませんが、手軽に高い値段で売りたいのであれば、専門の買取業者に依頼することをおすすめします。
着物専門の買取業者であれば、リサイクルショップなどに売るよりも高値で買取ってもらえる可能性が高いからです。
買取業者はネット検索で調べることができますので試してみましょう。

この記事のまとめ

遺産相続の際に見られる形見分けは日本独自の風習や儀式であり、生前に故人が使用していたものを、相続人や近親者、友人などに分ける行為のことを言います。
形見分けの時期としては、日本では四十九日法要など区切りのよい時に行うのが一般的です。
また遺品の着物も形見分けはできますが、相手側の気持ちを考慮する必要があります。

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