形見分けと遺品整理はどう違う

お金と生活 -Money&Life-

形見分けと遺品整理はどう違う

家族が亡くなった後は、お葬式や法要など様々な行事が行われますが、「遺品整理」もその一つと言えます。
遺品整理は故人の財産などを整理しますが、形見分けとはどのような違いがあるのでしょうか?
また遺品の供養やお焚き上げなども、気になる点ではないかと思います。
遺品整理について、その内容や形見分けとの違いなどを知っておきましょう。

遺品整理とは

遺品整理とは

遺品整理というのは、亡くなった方が残した遺品を整理して、周りをキレイにする行為です。
故人の遺品には様々なものがあり、例えば亡くなった人が生活していたアパートやマンションなどには数多くの日用品が残されていますが、その中には財産価値がないものも少なくありません。
厚生労働省発表の推計によると、65歳以上の高齢者の独居世帯が、2035年には何と全世帯の15%にも達すると言われています。
今後、高齢者の独居世帯が増えていくと、遺品整理を行う頻度が高くなる可能性があります。
同居する家族がいないまま亡くなってしまうと、その方が残した財産の処分は遺品整理の専門業者が行うことが増えることでしょう。

遺品整理の実態

遺品整理は故人の家族や親族が行うのが一般的ですが、最近は遺品整理を専門の業者に依頼するところが増えています。
遺品整理を専門業者に依頼する際には、廃棄物収集運搬業許可など必要な許可を届け出している業者を選ぶ必要があります。
そうしなければ、後々になって様々なトラブルに発展してしまう恐れがあるからです。
故人が残した遺産の中に金銭的価値の高いものがある場合には、相続財産とみなされることもあります。

故人の遺品の中に高価なものがある場合には、それを勝手に処分することはできず、遺産分割や相続の承認など、遺族の間で何かしらの結論が出るまで待つ必要があるのです。
専門の業者を選ぶ際には、金銭的な価値の有無に関係なく、きちんと整理してくれるところを見つけた方がいいでしょう。
また思い出の品や心情的に価値をつけることができない品物があるときは、専門業者に依頼する前に遺族で整理しておくといいかと思います。
大切なものを業者が勝手に処分してしまわないように配慮しながら、遺品整理に対する負担を強いられないよう、専門業者を上手く活用することをおすすめします。

遺品整理を行う最適な時期

遺品整理をする際には、時期について悩む人もいるのでないでしょうか。
遺品整理の時期については、四十九日法要が終わってからが良いと言われていますが、実際は遺品整理に特に決まった時期などはありません。
そのため遺族によってまちまちであり、遺族の気持ちの整理がついたときなど、全体的に落ち着いたときにすることが望ましいでしょう。
ただ孤児が賃貸マンションなどに住んでいるときは、注意が必要です。
何故なら賃貸マンションは、借りている分の家賃を支払う必要があるからです。

公営住宅は、故人が亡くなってから49日までに部屋を明け渡す必要がありますので、できるだけ早い時期に遺品整理を行う必要があります。
一方で持ち家であれば、その必要はありません。
持ち家すなわち故人の所有物件であれば、時間的な余裕もありますので落ち着いて遺品整理をすることができます。
基本的に遺品整理はできるだけ早めに行うことが理想ですが、個人で遺品整理を行う際には、多くの方が断捨離や大掃除などをする年末や、3~4月頃の引っ越しシーズンは避けた方が良いとされています。
何故なら3~4月頃は、ゴミ収集の予約を取るのが難しいからです。
さらに土曜や日曜、祝日などは公共のゴミステーションが休みのケースが多いため、できることなら避けた方が無難です。
個人で遺品整理を行う際には、それ以外の時期を見計らって行うようにしましょう。

遺品の専門業者に依頼するメリット

遺品の整理を専門業者に依頼する最大のメリットは、何と言っても時間や体力を省けることではないかと思います。
遺品整理の経験がある方は分かると思いますが、故人が遺品を片付けることになると、かなり大変な作業になります。
若くて力のある男性でも大変なのに、女性や高齢者の方であれば尚更です。
遺品には軽い荷物だけでなく重い物もありますので、それらを一人で運ぶのは困難を極めます。
その点、専門の業者であれば大きく重たい家具や不要品などがあっても大丈夫ですので、面倒くさいリサイクルの分別や換金作業なども全て引き受けてもらえます。
専門業者にもよりますが、早ければ数時間程度で整理してもらえますので時間の節約にもなり、もちろん体力を使う必要もないのです。
時間や労力などの都合がつかない方は、遺品整理業者に依頼するのも良い方法ではないでしょうか。

遺品の供養やお焚き上げはどうすればいい?

遺品の供養やお焚き上げはどうすればいい?

遺品供養の方法として、「お焚き上げ」があります。
お焚き上げというのは、これまで大切に保存していた物を焼却且つ浄火することで、故人の魂をあの世に送って供養する行事です。
神棚や仏壇など粗末に取り扱うことができない物に対して、昔から神社などでお焚き上げをしていますので、知っている方もいると思います。
現在では故人の手紙や手帳、写真など様々な遺品についても、焼却可能であれば焚き上げの対象になっています。

遺品整理では供養やお焚き上げをすることもありますが、これらについては必ず行うべきことというような、必須項目ではありません。
しかし遺品整理の世界では、故人がこれまで大切にしていた物を処分する必要があり、そのような行為は遺族や親族にとって精神的な負担になることがあります。
遺品の供養やお焚き上げは、遺族側の心の負担を少しでも軽くしようというものです。
ただ遺品は一度処分してしまうと、二度と手元に戻ることがありません。
後々のトラブルを回避するためにも、供養やお焚き上げをする際には内容の確認をしっかり行うようにしましょう。

「形見分け」と「遺品整理」違う?

遺品整理とよく似たものの中に「形見分け」がありますが、遺品整理とどう違うのでしょうか? 形見分けというのは、元々は仏教を開いたことで知られているお釈迦様が、弟子に自らの遺品を渡したことに由来しているようです。
日本においては、故人が身に着けていた物には魂が入っているという考え方もあり、そのような思想が子孫に受け継がれていき、故人の形見分けとして習慣化しているのです。
他にも様々な説があるかもしれませんが、形見分けと遺品整理の違いはどこにあるかです。
形見分けは、生前に故人が愛用していた日用品などを思い出の品として、遺族や親族などの近親者に送るという、お葬式に関係した慣習の一つになります。

そして故人の形見を受け取った人たちが、形見を介して故人との思い出を偲んだりしますが、それが故人の供養にも繋がっていくのです。
形見というのは、遺族や親族などの残された側にとって、心の拠り所になることあるのです。
一方で遺品整理は、形見のように故人との思い入れのあるものだけを取り扱うのではなく、その他の物も含まれます。
つまり故人との思い入れの多い形見分けは、一般的な遺品整理とは異なるのです。

この記事のまとめ

遺品整理とは、故人が残した財産をキレイに整理することです。
遺族や親族など、残された者にとって心の拠り所になるような形見分けとは異なります。
遺品整理には遺品の供養やお焚き上げがありますが、これは「必ず行なわなければならない」という必須行為ではありません。

サイトカテゴリー

お金について
貯蓄について
仕事とお金について
結婚とお金について
家と車とお金について
保険とお金について
会社とお金について
老後とお金について
葬儀とお金について