公的年金のメリットについて(障害年金・遺族年金についても説明します。)

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公的年金のメリットについて(障害年金・遺族年金についても説明します。)

公的年金のメリット

公的年金のメリット
(1)公的年金の現状について

公的年金については、社会保険事務所の不祥事もありあまり良い報道がされておらず、厄介者のようなイメージを持たれてしまっています。
実際のところ、国民年金や厚生年金の保険料は年々上昇しています(厚生年金保険料の上昇については2017年に終了)。
また、支給開始年齢も、従来は60歳からでしたが、現在は原則として65歳からの支給開始となっています。
年金支給開始の開始年齢については、引き続き60歳から支給を受けることができる特例措置もありますが、年金額は65歳から支給を受ける場合の金額と比べると、最大30%も減額されるようになりました。
このように、公的年金を取り巻く環境は年々厳しくなっているように思えることが多く、そのため若い人を中心に「国民年金制度は自分たちが年金を受け取る時には波状する」と考える人が多くなり、保険料を支払わない人が増えています。
公的年金は、個人年金制度のように、納付した保険料を運用し、65歳以降に年金として支給していくだけの制度ではありません。
例えば、国民年金の支給額の半分は、国が負担して支払っています。
つまり、納付した保険料と年金支給額は連動しておらず、たとえ保険料より年金額が多くなったとしても、波状することの無い制度なのです。
障害を負った時や死亡した時、高齢になったときに最低限の生活ができるように、国民全員が助け合って生活するための制度なのです。

(2)公的年金の種類

日本の公的年金は以下の3種類です。

(3)公的年金にはどんなメリットがあるか

公的年金の最大の特徴は、加入者全員で、年金受給対象者の生活を保障するための、互助会的な意味をもつ制度であるということです。
このため、民間で運営されている個人年金に比べて大きな違いがあります。

①賃金や物価の変動により年金支給額がスライドします。

国民年金保険は、賃金や物価の変動により金額が変動するようになっています。
年金は何十年にもわたって保険料を支払うことから、年金支給開始日の物価と年金加入時の物価が大きくかけ離れ、支給時の生活水準と大きくかけ離れていることも考えられます。
個人年金は、このような場合でも支給額が増額されることはありませんが、公的年金は、物価に応じて支給額が変動するようになっているので、物価高を心配することなく年金を受け取ることができます。

②年金支給が一生涯続きます。

個人年金保険には、年金の支給額と期間が決まっている確定年金タイプと、一生涯年金が受け取れる終身タイプのものがあります。
終身タイプにした場合は、確定タイプに比べて、一回の年金額が低くな理ますが、長生きした場合は、年金の受け取り総額は多くなります。
これに対して公的年金は一生涯年金を受給することができる終身タイプのみですから、確定か終身か、年金受給方法の選択により不公平が生じることはありません。

③怪我などにより障害を負った場合の保証があります。

個人年金制度には、障害を負った以降の保険料が免除されるものもありますが、あまり一般的ではありません。
公的年金は、死亡時は一時金と遺族に年金が支給され、障害などを負った場合は、一生涯年金が支給されます。

④被保険者もしくは年金受給者が死亡した場合でも、遺族に対して年金が支払われます。

個人年金保険の多くは、現役時代に保険料を徴収し、年金支給開始時期に、徴収した保険料を原資に年金を支給します。
公的年金の場合は、被保険者の死亡時には遺族に対して一時金が支給され、かつ、以降、遺族年金が支給されます。

⑤国民年金の支給額の半分は国が負担しています。

国民年金の支給額の半分は、税金から支払われています。
したがって、国民年金保険料を支払わないということは、将来もらえる年金の税金支給分を受け取らないことになります。

⑥保険料の全額が所得税の控除対処となります。

個人年金の税制上の控除額は、その他の生命保険など、年間に支払った保険料の合計にもよりますが、最大で4万円の控除額となっています。
公的年金の税金控除額は保険料の全額です。
国民年金の保険料が16,490円ですから、1年12ヶ月で納付する保険料は197,880円になります。
実に個人年金の3倍もの税金控除額となります。
厚生年金や共済組合の保険料は給与額に比例しますので、さらに所得税控除額は高額になります。

2.障害年金

(1)障害年金とは
障害年金とは?

公的年金に加入している間に、就労することが困難な障害を追った怪我や病気にかかった場合など一定の要件を満たした場合に年金が支給されます。
障害年金には障害基礎年金障害厚生年金があり、障害と診断された初診日に厚生年金に加入している場合、障害基礎年金と障害厚生年金が支給されます。

(2)障害年金の種類

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。
厚生年金の加入者は、障害厚生年金を受け取ることができます。

(3)受給資格

外的、内的障害の種類およびその度合いにより支給されます。

①該当となる障害
a.身体的な障害
両手、両足、両眼、両耳
b.疾患
統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害や、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がん
②障害のレベル
a.1等級
日常生活が困難な障害を持っている人。
b.2等級
日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする障害レベル。
c.3等級(障害厚生年金のみ)
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するレベル。
(4)年金支給額(年額)
①障害基礎年金

障害年金の年金額は障害等級により変わります。

a.障害等級1級
974,125円(779,300円×1.25)+子供加算額(第1師、第2子224,300円、第三子以降74,800円)
b.障害等級2級
779,300円+子供加算額(金額は障害等級1級と同額)
②障害厚生年金

厚生年金加入者には、障害基礎年金に加えて、障害厚生年金が支給されます。

a.障害等級1級
報酬比例の年金額×1.25+子供加算額(第1師、第2子224,300円、第三子以降74,800円)
b.障害等級2級
報酬比例の年金額+子供加算額(金額は障害等級1級と同額)
c.障害等級3等級
厚生年金保険の加入者のみ、障害等級3等級に該当する場合にも年金が支払われます。
支払われる年金額は、報酬比例の年金額もしくは584,500円のどちらか高額な方となります。

3.遺族年金

(1)遺族年金とは

公的の加入者もしくは公的年金の受給資格期間が25年以上の者が死亡した場合に、その者の収入により生活していた配偶者、子供(満18歳の誕生日を迎える年度末まで)に支給される年金です。

(2)遺族年金の種類

遺族年金には、遺族基礎年金遺族厚生年金があります。
老齢年金、老齢障害年金と同様、厚生年金保険の加入者が死亡した場合には、遺族基礎年金に加え、遺族厚生年金が支給されます。
遺族厚生年金の受給資格は、以下の通りです。

(3)受給資格
①遺族基礎年金
②遺族厚生年金
(4)支給額(年額)
①遺族基礎年金

779,300円+子供加算額(第1子、第2子224,300円、第三子以降74,800円)

②遺族厚生年金

加入者本人が受け取るはずだった報酬比例部分の3/4の金額。

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