出棺の意味や手順

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出棺の意味や手順

お葬式や告別式が終わった後には、日本では火葬を行うことになります。
ただその前に、出棺の儀式を行うことがあります。
その場合は出棺の意味や手順、挨拶などの基本的なマナーを心得ておくことが大切です。
出棺の手順やマナーなどについてを紹介します。

出棺の意味

出棺の意味

出棺というのは、お葬式や告別式などにおいて斎場などの火葬場に向かうため、安置場所から出発する行為のことを言います。
出棺には霊柩車を使用するのが一般的ですが、遺族側の事情などによっては霊柩車以外で出棺を行うこともあります。
神式のお葬式では、出棺のことを「発柩」と呼んでいます。

出棺の時間

仏式のお葬式では、葬儀や告別式が終わってから出棺されることが多いですが、地域によっては出棺が終わった後に葬儀や告別式を執り行うところもあります。
そのためそれぞれで出棺の時間は異なりますが、出棺の時間設定は火葬場の使用状況などによっても左右されることから、事前に予約を入れた火葬場の時間に合わせて時間を調整する場合が多いようです。
他にも出棺を行う場所から直接火葬場へ向かう場合や、故人の自宅やこれまでの思い出の場所を周りながら向かうなど、遺族の意向に合わせて時間を調整することもあります。
出棺の時間については、全体的に火葬場の予約の時間などから逆算するのが一般的です。

出棺時に鳴らすクラクション

ドラマなどでは出棺する際によく車のクラクションを鳴らす光景を見ることがありますが、これを実際に行っているところもあります。
出棺時にクラクションを鳴らす行為には様々な説があるようですが、クラクションを鳴らすタイミングやその長さなどの決まりは特になく、あくまで運転手に一任されている場合がほとんどです。
出棺というのは故人との最期のお別れの儀式でもありますので、霊柩車から鳴らすクラクションというのは、参列者に向けた故人からの最期のメッセージなのかもしれません。

出棺の手順

出棺の手順

お葬式や告別式が終わった後に行う出棺の儀式は、以下の手順で行います。

別れ花

納棺の儀式では「別れ花」がよく行われており、ここでは故人に向けて何らかの言葉を話しかけながら、体の周りに生花を飾り、その後に華やかにお見送りをします。
別れ花で使用する切り花については、通常は葬儀会社の方で用意してくれますが、自分で用意したい場合は事前に親族や葬儀会社などに確認しておくと良いでしょう。
また儀式で用意するお花は大げさなものは避け、目立つような包装なども控えておきましょう。
仏教のお葬式では切り花が嫌われているため、別れ花のような儀式は行っていません。
その代わりとして、故人が生前に愛用していたもの、枕飯や枕団子、線香、お香などの燃えやすいものを入れています。
入れる順序は、お焼香と同じように遺族との関係性が深い順に行うのが一般的です。

釘打ち

棺の蓋を閉めた後は、棺の四方角に対し手釘打ちを行います。
釘打には、「故人が何事もなく無事にあの世に旅立てますように」という想いが込められています。
最初は釘の半分を葬儀会社が打ちますので、残りの分は遺族など血縁者が軽く打ち込みます。
最後に葬儀会社が封じて終わりになりますが、釘打ちそのものは地域によっては行わないところもあります。

お棺を霊柩車に乗せる

遺体が入れたお棺は、主に男性が霊柩車に運びます。
霊柩車へのお棺の移動は喪主が位牌を、そして次に故人と近い遺族が遺影を持ち、葬儀会社の指示に従って行います。
お棺を運び出して霊柩車に乗せる際には頭の向きなどが問題になることがありますが、これは地域などによって異なりますので、葬儀会社の指示に従って行うようにしましょう。

喪主の挨拶

火葬場に運ぶ準備が終わったら、遺族は会葬者に対して挨拶を行います。
その際は横一列に並び、葬儀に参列していただいたことや、故人が生前にお世話になったことなどに対する感謝の気持ちを述べます。
挨拶が終了した後は遺族一同で一礼し、霊柩車で火葬場に向かいます。

出棺の挨拶

出棺を行うときは喪主や遺族の代表が挨拶を行いますが、その際は例文などを参考にしてまとめてみるのもいいと思います。

喪主の挨拶例
例1

「本日は、お忙しいなか、○○の葬儀にご会葬くださいまして誠にありがとうございます。
このようにたくさんの方々にお見送りいただき、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
残された私たちは未熟者ではございますが、今後とも故人同様、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願いいたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。」

例2

「本日はご多用のところ、わざわざご会葬いただき誠にありがとうございました。
このように生前からご親交いただきました方々からお見送りいただき、故人もさぞ喜んでいることと思います。
ここに生前のご厚誼に対し厚くお礼申し上げます。
今後は私たち一同、故人の遺志をしっかりと継ぎ、一層頑張っていくつもりでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。」

親族代表の挨拶例

「親族を代表いたしまして、皆様方にひと言ご挨拶申し上げます。
本日はご多用にもかかわらず、ご会葬、ご焼香賜りありがとうございました。
おかげさまをもちまして、○○の葬儀も滞りなく済みまして、これより出棺の運びになりました。
このように皆様方からお見送りまでいだきまして故人もさぞ感謝していることと存じます。
残された私どもに対しても、今後とも変わりないご指導・ご厚誼を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。」

喪主代行の挨拶計

「本日はお忙しい中、○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございました。
本来なら喪主である○○からご挨拶申し上げるところでございますが、悲しみのあまり体調を崩しまして臥せておりますので、故人の○○である私が代わってご挨拶申しあげたいと思います。
故人の生前中は、様々なご厚誼にあずかり深く感謝いたしております。
また遺族に対しても今まで以上のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。」

出棺、入れるもの

出棺の際に、お棺の中に生前に故人が好きだったものを入れることがありますが、入れてはいけないものがあります。
それは燃えないものです。
基本的には金属製のものやガラスなど、あるいは燃えにくいものは入れることができないようになっています。
また果物であっても、メロンやスイカといった大きなものは燃えにくいものとされており、たとえ燃えても大量の灰が出ることから禁止されていることがあります。
それでは何を入れたらいいのかになりますが、棺に入れていいものとしては手紙や寄せ書きなどがあります。
他にもお菓子やタバコなどもあります。
洋服や着物も可能になり、 生前に故人が気に入っていた洋服なども少ない枚数であれば可能です。

出棺、棺を持つ人

納棺の儀式が終わったら、葬儀会社から棺の近くに何人かの男性が呼ばれることがあります。
基本的に男性の遺族を含む、6~8人程度で持つことになります。
当日は色々と忙しいかもしれませんが、故人との最期のお別れの儀式ですので準備しておくと良いでしょう。

出棺は故人の遺体を安置している場所から、火葬場に向けて出発する行為のことを言います。
出棺の際はその手順や挨拶、入れるものや棺を持つ人など、事前に確認しておく必要があるでしょう。
不明な点は、葬儀会社のスタッフなどに相談して解決しておきましょう。

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