お寺の「宗旨宗派不問」には様々な意味合いがある

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お寺の「宗旨宗派不問」には様々な意味合いがある

墓地を購入しようとするときには、寺院に依頼をする人が多いのではないでしょうか。
寺院墓地の中には宗旨宗派を重視するところもあれば、宗旨宗派不問のところも存在しています。
また寺院墓地を利用する際には、維持にかかる管理費などの確認もしっかり行っておきましょう。

宗旨宗派不問とは?

宗旨宗派不問とは?

寺院墓地を購入しようと思ったとき、お寺によっては様々な規制を設けているところがあります。
お寺によって規制は異なりますが、その一つに「宗旨宗派不問」というものが存在し、様々な意味合いがあるようです。
「宗旨宗派不問」という条件については、その言葉通りに解釈をすると、お寺でお墓を購入できるのは宗旨や宗派に関係なく、どのような宗教の信者であっても問題がない気がするかと思います。
しかしそれを信じて、お寺へお墓の購入を申し込んだところで断られることもあるのです。
「宗旨宗派不問」というのは、文字通りに「どのような宗教信者であっても構わない」というわけではなく、お寺によっては以下のように細かい規制を設けているところもありますので、利用する際には確認の方を怠らないようにしましょう。

「宗旨宗派不問」の意味

お寺で掲げている「宗旨・宗派不問」ですが、これには複数の意味があると言われています。
具体的には「過去はもちろん、これからも宗教は一切不問」、「在来仏教であれば宗派不問」、「過去の宗派は関係ないがこれからは管理寺院の宗派に従ってもらう」など、3つの意味合いがあります。

①「過去はもちろんこれからも宗教は一切不問」

これは文字通り、これまで様々な信者であっても問題ない、というものです。
過去に仏教徒であってもキリスト教を始めとして、これからイスラム教の信者になろうとしていても、宗教のことは一切問われることはなく、誰でも気軽に納骨堂の購入ができ利用できる、という意味があります。
菩提寺などによって実際に表示する文言は異なりますが、新聞広告や雑誌などでは「宗教宗派一切不問」などと書かれていることが多いのではないか、と思われます。
「宗旨宗派不問」の意味が、過去はもちろん今後も宗教は一切不問であれば、よりたくさんの人が利用できるようになるでしょう。

②「在来仏教であれば宗派不問」

ここでの在来仏教というのは、法曹宗や華厳宗の他に、融通念仏宗、律宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗、日蓮宗、時宗といった13宗派のことを指しています。
それら13の宗派に属していれば、特に問題はないのです。
そのためそれ以外の宗派、例えばキリスト教やヒンズー教、イスラム教や創価学会など、他の宗教の信者の方は納骨堂の利用ができないということになります。
仏教徒以外の方は、過去はもちろんこれからも宗教は一切不問、という条件を掲げているお寺に相談をすることをおすすめします。

③「過去の宗派は関係ないがこれからは管理寺院の宗派に従ってもらう」

これから墓地を購入するときは、その前にどのような宗教や宗派に所属していても構いませんが、これから納骨堂を購入する際には管理する寺院の宗派の信徒になり、今後の法要などについては管理する寺院の宗派が掲げている規則などに則って執り行う、というものです。
このような条件をお寺が掲げている場合には、たとえ在来仏教やキリスト教の信者であっても、お寺が管理する墓地の敷地内では、他の宗派の僧侶に依頼をして法要することはできないのです。
そのため改葬を行う際には、戒名もまた付け直さなければならないこともあるようです。

以上のように、「宗旨宗派不問」には様々な意味合いがあります。
埋葬後の宗旨や宗派を一切を問わなければ、お墓を埋葬した後であっても、これまで信仰してきた宗教のままでお墓を利用できることが大きなメリットと言えるでしょう。
こちらの場合は、どのような宗旨や宗派に関係なく利用できますので、購入する前やその後であっても、特に注意する必要はないでしょう。
ただそれ以外の場合は宗旨や宗派が決まっていますので、申し込みをするときはもちろん、申し込みをした後も十分に気をつけることが大切です。

寺院墓地の管理費

寺院墓地の管理費

寺院墓地を利用する場合には、申し込みをした後に一定の管理費をお寺へと納める必要があります。
利用者の中には、先祖代々の継承墓を保有している人もいるかと思います。
そのような先祖代々の継承墓を持っている場合には、お寺の管理者に年間管理費を支払わなければなりません。
「そんな話は聞いたことがない」、「両親がお寺に継承墓の管理費を支払っているなんて初めて聞いた」など、驚いている方もいるかもしれません。
しかし継承墓を保有しているのであれば、必ず年間の管理費を支払う必要があるのです。
石材店などが管理・運営しているような霊園であれば、一年に一回あるいは3回や4回など、指定した口座から管理費の引き落としが行われます。

霊園については、そのような契約を行うことがほとんどです。
しかし寺院になると、ある時期にお寺に管理費を持参するような規定になっていたり、菩提寺の僧侶や檀家総代などがそれぞれの檀家のところへ集金に行ったりすることもあります。
そういう背景があることから、親世代がお墓の年間管理費をお寺に支払っている事実を知らない子世代が増えているのかもしれません。
親世代が支払いをしていることを知らないままお墓を引き継いだときには、うっかり滞納してしまうこともあるでしょう。
親と同じ住宅に住んでいるのであれば、そのようなトラブルも回避できるかもしれませんが、離れて生活していると知る機会はなかなかないと思います。

年間管理費の相場

寺院墓地を利用する際には年間管理費が必要になりますが、実際にかかる料金が気になる人も多いのではないでしょうか。
お墓の維持管理にかかる費用はそれぞれのお墓によって変わりますが、相場としては1~10万円程度が目安になります。
1~10万円と結構な開きがありますが、年間管理費というのは、寺院墓地かそれ以外によって違いが出てくる可能性があります。
一般的な寺院墓地の年間管理費は1~2万円程度で収まるところが多いのですが、由緒正しいお寺や檀家であること自体がステータスになっているお寺などの年間管理費は10万円、あるいはそれ以上に膨れ上がることもあるのです。
各お寺によって年間管理費が変わってきますので、利用する際には事前のチェックが必要です。

管理費の利用用途

寺院墓地の利用者が支払う管理費は、様々なところで利用されています。
実際の利用用途は、寺院墓地や公営霊園、民営霊園など運営形態などで変わってくることがあります。
中でも寺院の場合は、墓地全体のメンテナンスや掃除道具のお手入れ、さらに水道の使用料などに使われることが多い傾向にあるのです。
お墓参りへ行った際に、お寺に設置されている手桶や柄杓など使って水を汲んだ経験を持っている方もいるでしょう。
それらも利用者が支払う管理費によって賄われています。

このページのまとめ

寺院では「宗旨宗派不問」という条件を掲げているところもありますが、お寺によって意味合いが異なりますので、事前に確認しておくことが大切です。
また寺院墓地では年間管理費を支払う必要があり、利用者が納めた管理費は様々なところで活用されています。
寺院墓地を利用する際には、利用する予定のお寺のシステムを理解しておきましょう。

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