仏式の通夜に関する作法・注意点と具体的な進行例をご紹介

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仏式の通夜に関する作法・注意点と具体的な進行例をご紹介

通夜では夜通し灯りを消さずに、故人の遺体を見守ります。
葬儀・告別式の前夜に、親族や仲の良い友人など生前の故人とご縁があった方々で、故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。
通夜では夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。

通夜は亡くなった翌日に、弔問客を迎えて行い、翌々日に葬儀・告別式という日程が組まれるのが一般的です。
そして、実際に通夜、葬儀・告別式の日程を決める際には、いくつかのポイントがあるため今回はそのポイントをご紹介します。

1)遺族・親族だけでなく一般弔問客も参列

通夜を進める

通夜は遺族や近親者、親しい間柄の人が夜通し遺体に付き添いをします。
通夜は故人との別れを惜しみ、霊を慰める大切な儀式になります。

現代ではこういった方々意外にも、例えば仕事関係者などそれほど親しくない間柄の人でも参加することがあります。
これは当日葬儀に赴けない人が、通夜に訪れて故人との別れを惜しむためです。

受付・記帳の作法

ここでは通夜の受付や記帳の際の形式やマナーを紹介します。

①通夜会場には通夜開始10分前までに到着する

遅れそうな場合でも、通夜への遅刻が30分から1時間程度であれば、必ず参列するようにしましょう。

通夜は午後18時~19時からというのが多く、仕事終わりの方は遅れてしまう可能性があります。
しかし、通夜は遅れてでも参加するというのがマナーですから、到着してお詫びをして参加するようにします。

②記帳の仕方

通夜の会場に着いたら、芳名カードというものがあります。
これにあなたの住所と氏名を記帳します。
会社関係ならば会社名と会社の住所を、個人ならば自宅の住所も書きます。

受付で係の人に「この度は、ご愁傷様でございます」「この度は、突然のことで、心からお悔やみ申し上げます」など、お悔やみの言葉を述べ、香典を渡します。

③代理の記帳の仕方

通夜に代理で参列する時は、受付で誰の代理なのかを伝えるようにしましょう。
その後は香典を渡します。
記帳の際、上司の代わりに参列する時は、上司の部署名、役職名、名前を書いた下や横に小さく「代」と書きます。
妻が夫の代理で参列する時は、夫の名前の左下に「内」とだけ書くようにします。

④受付がない時は?

自宅で通夜を行う場合、受付を設けていないことがあります。
そのような時は早めに会場に伺い、式の前に焼香をお願いします。
遺族にお悔やみの言葉を述べてから祭壇に拝礼し、香典を直接、祭壇に供えます。(香典は祭壇側に正面を向けて置きます。)

不祝儀袋の決まりについて

不祝儀袋の表書きは宗教や宗派によって異なりますが、仏式弔事の場合、「御香典」と書くことが多いようです。
また、金額の相場も故人との関係、葬儀の規模、弔問者の年齢、社会的地位によって変わります。

具体的には両親であれば5万円~10万円、親戚では 1万円~5万円以上、仕事の関係者や知人・友人・隣人:5,000円~1万円が相場となっているようです。

受付で香典を渡す

記帳を終わらせた後は、袱紗を包んだ順番とは逆に開いて香典袋を台の上に置き、袱紗は軽くたたんで手前に置きます。

受付係に「御仏前(御霊前)にお供えください」と告げて香典をお渡しします。
この時注意点としては、香典袋を両手で持ち、表書きを先方に向けて差し出します。
受付が済んだら「お参りさせていただきます」とあいさつをするのが礼儀です。

通夜の会場に入る時は、一礼して席まで進み、着席をして開式を待ちます。
席次を決められている時は案内に従い、決められていない時は、前から詰めて座ります。

注意点

都合で早めに退席する時や、年配者が多い時、遅れて来た時などは、末席に座ります。
会場内で知り合いに会っても、あいさつや私語は慎みます。

お悔やみの言葉と使ってはいけない言葉

お悔やみの言葉を述べる時は、遺族の悲しみの感情を深めないよう、思いやりの言葉で、哀悼の意を表します。
故人を想って自然な言葉で、あまり長くならないように伝えます。

通夜や葬儀には忌み言葉があります。
具体的には「重ね重ね」「度々」などといった、同じ言葉の繰り返しを使わないようにします。
これは「不幸が重なる」ということを連想させることから縁起が悪いためです。

2)喪主・遺族は弔問客の対応をしない

通夜や葬儀の際は、喪主、遺族は、玄関や出入りロまで弔問客を出迎えたり送り出さないようにします。
見送りが必要のある場合には、世話役が喪主や遺族の代わりを務めます。

たとえ、目上の人の弔問でも、喪主や遺族は、祭壇の脇で弔問客のあいさつを受けます。

弔問客が声をかけて退く際も、喪主や遺族は、自席から目礼をするか「どうもありがとうございました」と簡単にあいさつする程度にします。

3)席次は血縁の濃い順に

席次は血縁の濃い順に?
葬儀での席順は故人との関係によって決まります。
具体的には下記の通りとなっています。

祭壇右列(親族席) 喪主、遺族、親戚
祭壇左列(一般席) 会社関係者、友人、知人

親族席では、祭壇に近い方(前列)が上座となり、故人と縁の深かった順に座ります。

祭壇に向かって「左側」から喪主が座り、続いて両親、子ども、兄弟、伯父叔母・・・と血縁関係が近い順に座っていきます。

一般席も同様、祭壇に近い「右側」から故人との関係が深かった順に座ります。

葬儀委員長がいる葬儀の場合は一般席の最前列一番右側が葬儀委員長の席となります

そして実際は「親族側に座る親族とはどこまでを指すか」という細かい決まりはなく、故人との関係性や喪主の考え方によります。
地域の風習や習わし、本家・分家の関係で席順が決まることもあるようです。

なお、現代多くの人が利用する家族葬では席順の特別な決まりはありません。
これは家族葬は故人と深いつながりのあった人しか参列しないことから、一般葬のような決まりはないためです。

4)仏式の通夜の進行例

①まず弔問客は、受付を済ませる

その後は会場係の案内に従い、会場に軽く一礼して入ります。
遺族にお悔やみの言葉を述べ、あるいは目礼して到着順に着席します。

②僧侶が入堂

進行係が僧侶を案内し、一同、黙礼します。

③僧侶が着席し、読経

弔問客は少し頭を垂れて静かに拝聴します。

④焼香

僧侶に続いて喪主が焼香し、席順に従って、遺族、親族、世話役代表、一般弔問客の順で焼香します。(焼香後に、僧侶が短い説教や法話を行なうこともあるようです。)

⑤僧侶退室

全員の焼香が終わると僧侶退室となります。
一同、黙礼して見送ります。

⑦喪主挨拶

喪主は、一般弔問客に対して、弔問のお礼と生前の故人への厚誼に対する感謝を述べます。
通夜ぶるまいの用意ができているときは、その席に誘って挨拶を締めくくります。

⑧通夜ぶるまい

弔問客に対する感謝の接待です。
おおよそ一時間程度飲食をして故人を偲びます。
最後は世話役が挨拶して終わります。
地域によって通夜ぶるまいがないこともあります。
また、現在は家族葬の増加などもありあまり行われないこともあるようです。

もし、予定が重なり通夜ぶるまいを辞退する場合は、遺族や世話役の人たちに通夜振る舞いを辞退することと、事情を告げて挨拶し、目立たないように退席しましょう。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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