戒名の種類とお布施について徹底解説

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戒名の種類とお布施について徹底解説

1)戒名とは?

戒名?

戒名とは人が亡くなった後に、仏門に入った人が授かる名前です。

現世で、厳しい戒律を守って修行をし、経典を勉強し、仏様の教えを学んだ証として与えられるもので、戒名を付けてもらうことを受戒(じゅかい)と言います。
戒名は本来ならば生前に与えられるものなのですが、現在では死後に与えられるようになりました。

「没後作僧(もつごさそう)」という死者の場合でも生きているものとして扱い、仏様の弟子として送るという考えに由来しているようです。

戒名は宗派によって呼び方が違う
「戒名」と呼ぶ宗派
「法名」と呼ぶ宗派
浄土真宗
それは開祖である親鸞聖人は「私たちは戒を守れない凡夫だから阿弥陀の誓願によってのみ救われる(阿弥陀様を信じるのみ!)」という浄土真宗の教義を確立しましたので「戒」という文字を用いないようです。
「法号」と呼ぶ宗派
日蓮宗
日蓮宗では受戒はせず、法華信者は霊山浄土(れいざんじょうど)へ生まれ変わるとされているためです。

生前に戒名をいただく場合は、各寺院で行っている「受戒会(じゅかいえ)」「帰敬式(ききょうしき)」「おかみそり」と呼ばれる儀式を通過して付けてもらいます。

2)戒名のランクと相場

戒名には宗派ごとに、ランクがあります。
ランクが高いほどお布施金額も高くなります。
寺院によってお布施金額の設定が異なります。

菩提寺(ぼだいじ)がある場合は、菩提寺が決めている金額をお布施として寄付することになります。

宗派別の戒名ランクとお布施相場表
宗派 信士・信女 居士・大姉 院信士・院信女 院居士・院大姉
浄土宗 30万円~40万円 50万円~60万円 70万円~ -
真言宗・天台宗 30万円~50万円 50万円~70万円 80万円~ 100万円~
日蓮宗 - - 30万円~50万円 100万円~
浄土真宗 20万円~(釋・釋尼) 50万円~(釋・釋尼) - -
臨済宗 30万円~50万円 50万円~80万円 - 100万円~
曹洞宗 30万円~ 50万円~70万円 100万円~ 100万円~

表では左から右に戒名のランクが高くなります。
男性を○○士、女性は○○女、尼、姉など女性を表す言葉が使われた名前になります。

専門家のワンポイントアドバイス!

地域やお寺によって、お布施の金額は大きく異なります。

3)戒名の構成について

生前使っていた名前と戒名では大きく違う名前になります。
戒名には構成や決まりがありそれに沿って名前が付けられます。

戒名の構成要素

戒名は、基本的に院号(いんごう)、道号(どうごう)戒名、位号(いごう)の4つで構成されています。

①院号

院号は、寺院に多くの貢献をした、もしくは、深く帰依したなど特別な場合にのみつけられる名前です。
最近では寺院との関わりがなくともつけるケースがあるようです。

○○軒や○○庵も同様に寺院に貢献した人につけられることがります。

②道号

道号は、亡くなった人の趣味、性格、人柄、実績によって付けられます。
料理や職人といった専門職を貫いてきた方は「精覚」家族を温かく迎え自宅を守ってきた専業主婦には「温室」など道号を見るとその人の人となりがわかるようになっています。

③戒名の具体的な構成

戒名は、基本的に2文字で構成され、一番簡易的なつけかたは、生前の名前から1文字、尊敬している方から1文字もらってつけるという方法です。
御仏や、経典から文字を抜き取り、つける場合もあります。

この場合、真言宗では‘真’、大日如来では‘照’、浄土宗では‘浄’、阿弥陀如来では‘慈’などの文字が想像されやすいのですが、浄土真宗での戒名は、法名(釈○○)の3文字で構成される点に違いがあります。

④位号

位号は、戒名の位を表しています。
成人女性は‘清女’、‘大姉’、‘院信女’、‘院大姉’が選ばれ、成人男性は、‘信士’、‘居士’‘院清士’、‘院居士’が選ばれます。
(後半に行くほど位が高くなります。)

故人が未成年の場合
故人が、0歳から約3歳では‘嬰子’、‘嬰女’、3歳から5歳までは‘孩子’、‘孩女’となり、5歳から15歳くらいまでは‘童子’、‘童女’という位号が付けられ、子が男児、女が女児の意味となります。

このような院号、道号、戒名、位号は宗教のルールに従ったものなので、無宗教葬の時には故人の氏名が用いられることが多いようです。

4)戒名を受けない場合

戒名を受けない場合

現在ある葬儀会社主催のアンケート結果では、戒名が不要だという人が50%を超えるというデータがあります。

「戒名」とは、仏教を信仰した者に与えられる宗教上の名前です。
仏教を信仰している人、菩提寺をもつ家の人は戒名を寺院の住職から授かることになります。

しかし、自分には信仰している宗教がない、という方にそもそも戒名は不要といえます。

現代では信仰している宗教がないという人が増えています。
しかし、それでも多くの人が未だ仏式の葬儀を選択して、お盆には墓参りへ行き、墓前でご先祖様に手を合わせます。
これは日本の仏教は生活と一体化しており、とても深く浸透していると言えます。
そのため、特段信仰している宗教が無い人でも、親族の過去の経緯や長らく付き合っている寺院のとの関係上今後も多くの人が戒名を授かることになると言えます。

戒名がないとどうなるのか

戒名をつけないとどうなるのでしょうか。
故人に戒名を付けるのは仏教の教えからきてい るわけではないという考え方があります。
仏教が日本化する過程で生まれてきたものという見解が多いようです。

そのため、今に見られる戒名は、日本独自の伝統・習わしとして存在しており。
戒名が無くても故人は成仏することもできるようです。
しかし、現実的に戒名が無いと困るケースもあります。

戒名が無くて困るケース
①位牌に刻む戒名がない

仏壇で目にする戒名を記した位牌は皆さんもよく知っていると思います。
しかし、戒名がない場合、この位牌には何も刻まれないことになり、少し不自然な形になります。
そのような場合は位牌に生前の名前を刻むことがあるようです。

② 墓誌に生きた証を残す際、生前の名前を記すことになる

故人が入っているお墓として、墓石や墓誌等に故人の名前を彫る際は、戒名がない為、生前の名前を彫ります。
これも他の祖先が全員戒名で刻まれているのに対して、少し不自然になります。

③ 親族の理解が得られない場合がある

本人の希望で戒名が不要である旨が伝えられても、戒名がないことに違和感を覚える親族が出てくるでしょう。
このようなケースは親族間でのトラブルになることもありますから、充分理解してもらう必要があります。

④菩提寺とのトラブル

菩提寺との関係で戒名をつけないことでトラブルになるケースもあります。
寺院にお願いして葬儀を行う場合や、納骨の時には、戒名がなければ葬儀や納骨を拒否されるケースもあるようです。
寺院には「戒名を付けないのが希望です」と事前に伝えて理解を得ておくことが重要です。

5)お布施を渡すタイミング

お布施を渡すタイミングは、葬儀・法要の始まる前が一般的です。

葬儀費用と異なり、お布施は僧侶に直接渡すことになります。

お布施は、葬儀や法要が始まる前、僧侶に挨拶の際に渡します。
タイミングが合わなかった場合は、葬儀や法要のあとにお礼の挨拶を兼ねて渡します。

お布施を渡す際の注意点としては、お布施を手渡ししないことです。

お盆に置いて渡すのが正式とされていますが、お布施を包んでおいた袱紗(ふくさ)を開いて、袱紗の上にのせるようにして渡します。

表書きは薄墨ではなく普通の黒墨で「お布施」と書くか、空白のままにしておきます。
また、葬儀の時は、表書きに「〇〇家」と書きますが、法要の時は施主のフルネームを書きます。

御布施の渡し方のマナーは最低限覚えておく必要があるでしょう。
不明な点は親族の年長者によく確認を取れば解決できるでしょう。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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