所得税の基本的な仕組みと14種類の所得控除の種類を理解しよう

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所得税の基本的な仕組みと14種類の所得控除の種類を理解しよう

所得税の基本的な仕組み

所得税の基本的な仕組み

所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間に発生した個人の所得に対して課税される税金のことです。

所得の種類には、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類があります。
個人事業主であれば事業所得がメインになり、会社員であれば給与所得ということになります。

事業所得と給与所得を例に挙げ、所得税の計算方法と納税方法について説明します。

事業所得

収入(売上)-経費=所得
所得-所得控除=課税所得
課税所得×所得税率-控除額=所得税(支払う税額)

翌年の3月15日までに確定

給与所得

収入(額面金額)-給与所得控除=所得
所得-所得控除=課税所得
課税所得×所得税率-控除額=所得税(支払う税額)

所得税は毎月の給料から差し引かれ(源泉徴収)、年末調整で清算します。
すべて会社がやってくれるため、基本的には自分で申告する必要がありません。
楽ではありますが、その分自分がいくら税金を納めているのかという認識に欠け、税金に対する意識が低いところが問題でもあります。

上の式からもわかるように、所得が同じでも所得控除が多ければ税額が安くなります。
次の項では所得控除について説明しますが、もしかしたら今すぐできる節税対策があるかもしれません。

所得控除の種類

所得控除とは、家庭の状況により生じた税金を負担する能力の差を調整する制度です。
所得控除には、下記の14種類があります。

1.雑損控除

災害、盗難、横領により損害を受けたときに、一定の金額を控除することができます。
他の所得控除よりも優先して控除することとなっており、控除しきれなかった場合には3年間繰り越すことができます。
本人、本人と生計を一にする配偶者や親族(所得金額が38万円以下の者)が対象となります。

2.医療費控除

最高額を200万円とし、その年に支払った金額-10万円を控除することができます。

本人、本人と生計を一にする配偶者や親族の分を合算することができます。

3.社会保険料控除

その年に支払った社会保険料の全額を控除することができます。
主に個人事業主であれば国民健康保険と国民年金、会社員であれば給与から差し引かれた厚生年金と健康保険がこれに当たります。

4.小規模企業共済等掛金控除

その年に支払った小規模企業共済や確定拠出年金の全額を控除することができます。
小規模企業共済は、個人事業主や会社の役員が加入できるものです。
確定拠出年金は、個人型(IDeCo)の加入対象者が増えたことにより注目を集めています。

5.生命保険控除

H24年1月1日以降に契約した生命保険には、一般、介護、医療の3種類があり、12万円を上限とし控除することができます。
(H23年12月31日以前に契約した生命保険に関しては、10万円が上限となります。)

6.地震保険料控除

5万円を上限とし、支払った全額を控除することができます。(旧長期損害保険料は、一定金額の控除となります。)

7.寄付金控除

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに寄付した場合に控除することができます。
ふるさと納税もこちらに含まれます。
寄付した金額-2,000円を控除することができます。

8.障害者控除

障害の程度により控除の金額が変わります。
障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円を控除することができます。
本人、本人と生計を一にする配偶者(所得金額が38万円以下の者)や親族が対象となります。

9.寡婦、寡夫控除

夫と死別した人、離婚した後婚姻をしていない人、夫の生死が明らかでない人が受けられる控除で、一般の寡婦は27万円、特別の寡婦は35万円を控除することができます。
寡夫は27万円のみとなります。

10.勤労学生控除

本人が勤労学生である場合、27万円を控除することができます。

11.配偶者控除

所得が38万円(その所得が給与である場合は収入が103万円)以下の配偶者に対して38万円を控除することができます。
青色専従者として給与を受けている場合は、対象外です。

12.配偶者特別控除

所得が38万円以上76万円未満の配偶者に対し、所得に応じて3~38万円を控除することができます。
本人の所得が1,000万円を超える場合や、青色専従者として給与を受けている場合は、対象外です。

*H30年より控除を受けることができる配偶者の所得金額の上限が123万円になります。

13.扶養控除

本人と生計を一にする配偶者以外の親族(所得が38万円(その所得が給与である場合は収入が103万円)以下の者)がいる場合に控除されます。

扶養親族が16歳以上の人は38万円、扶養親族が19歳以上23歳未満の人は63万円、扶養親族が70歳以上で別居している人は48万円、扶養親族が70歳以上で同居している人は58万円を控除することができます。

14.基礎控除

本人に対する控除で、適用要件はなく一律に38万円が控除されます。

配偶者特別控除の金額がH30年から変更になり、現在国会では給与所得控除の金額の見直しが行われております。
所得税のことは生活に直結する話なので、気になるところではないでしょうか。
ぜひどの所得控除が自分に当てはまるのか見直してみてください。

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