相続税の申告と納税の仕方

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相続税の申告と納税の仕方

親の遺産を相続した後に相続税を申告する際は、その計算や期限などに注意する必要があります。
その他にもいくつか注意事項がありますので、申告する前に確認しておくといいでしょう。
相続税の申告と納税の仕方について紹介します。

1)いつまでに申告する?

いつまで?

相続税の申告は家族の遺産を相続はした場合は、その額が一定額以上のときに必要です。
反対に遺産額が少ないときは、相続税の申告や税金の納付はしないで良いことになります。
相続税の税率は最大で55%となっており、相続した半分以上の額を国から持っていかれてしまう場合もあるのです。
またそれだけでなく期限内に税金を納付しないでいると、今度は延滞税までを負担しなくてはいけなくなります。

相続税は以下の場合に発生します。
相続税=【遺産総額-基礎控除額】で算出した額が1円以上であれば、国に税金を納めることになります。
ここでの基礎控除額は【3000万円+600万円×法定相続人数】となっており、例えば法定相続人が3人の場合は【4800万円(3000万円+600万円×3人】で算出できます。
その場合は遺産総額が4800万円未満であれば、相続税は発生しないことになります。
そのようにして相続税が発生した場合は、期限内にきちんと申告する必要があります。
気になる相続税の申告期限は、相続があったことを知った日の翌日から計算して10ヶ月以内に、最寄りの税務署に対して行うことになります。

このように被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内となっていますので、例えば故人が1月1日に亡くなった場合はその年の11月1日が期日になり、その日までに発生した税金を納めることになります。
なお申告の期限日が土日祝日の場合は、次の平日が期限日になりますので忘れずに納めましょう。
申告期限の要件である「相続があったことを知った日」というのは、要するに被相続人亡くなったことを親族が知った日になります。

ただ親族の中には、遠方地に住んでいる人もいるはずです。
遠方に住んでいたり、家族と疎遠になっていた場合は家族が亡くなったことを知るまで、かなりの期間を要することもあるでしょう。
その場合は、お葬式を行う日や相続財産の分割協議を行う日の通知を受けた日の翌日から、同じような申告期限の日数計算がスタートすることになります。
相続税には申告期限がありますが、税金の納付期限についても申告期限と同じ日とされています。

2)期限内に申告できなかった場合

相続税の申告期限は、「相続があったことを知った日の翌日から計算して10ヶ月以内」と決まっています。
しかし申告者の中には、期限に間に合わない人もいるかもしれません。
仮に期限を過ぎたらどうなるのでしょうか?

相続税の申告期限を経過しても申告の手続きを完了していない場合は、税務署に「期限後申告書」を提出する必要があります。
同時に申告者の状況によっては特例の利用ができなくなったり、延滞税や加算税といったペナルティを課せられることもありますので注意が必要です。
相続税には申告者が有利になれる特例が用意されていますが、期限を過ぎるとその特例も利用できなくなります。
そのため実際の課税額についても不利を受けることになりますが、まだ救いの方法はあります。
実は相続税の申告期限を経過しても、特例を適用する方法があるのです。

相続税の特例には例外が設けられており、その例外とは遺産配分を相続人全員で合意できたとする「遺産分割協議書」を添付することです。
遺産分割協議書は相続ではとても大切な書類になるのですが、その遺産分割協議が申告期限までに用意できなかった場合は、特例を利用しない場合の相続税を一旦納付することになります。
その後に遺産分割協議書ができたら5年以内に更生請求をして、特例を利用した際の相続税の差額を還付してもらえます。
ちなみに税金の申告期限を経過した場合や、申告額が間違っていた場合のペナルティは次のものです。

延滞税

これは延滞料金のようなもので、申告期限までに申告したかった場合は日割り計算によって、延滞税を計算して納付することになります。
延滞税の利率ですが申告の期限から2ヶ月以内の場合は7.3%、それ以降になると14.6%です。

例えば200万円の相続税を支払うとき、申告期限から5ヶ月(150日)が経過してから相続税の申告と納付をした際の延滞税は以下になります。

悪質なときは懲役刑が課されることもある

違反者には、次のように法律上のペナルティがあります。
不正行為によって相続税や贈与税を免れた者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が課されます。

無申告加算税
正当な理由なく申告期限までに税金を申告しなかった場合に課されます。
過少申告加算税
申告期限内に収めた額が不足していた場合に課されます。
重加算税
意図的に課税対象財産を隠避した場合に課されます。

3)準確定申告とは?

準確定申告とは?

準確定申告というのは、被相続人の所得税の申告です。
被相続人が亡くなった場合に、その故人は自分の所得税の確定申告をできませんので、相続人が代わりに確定申告行うことになります。
準確定申告する者は、相続人や包括受遺者になります。
(国税通則法5条1項) ここでの包括受遺者とは、その者が法人であっても申告者になります。

ただ相続税を申告する場合は申告義務者は個人になりますので、包括受遺者が法人の場合は除外されます。
そして相続人と包括受遺者が複数人いるときの準確定申告については、原則的に複数人の連署によって申告することになります。
相続人間で争いが起こっている場合は、それぞれの相続人が別々に準確定申告をすることも可能ですが、このようなときでも確定申告したことを他の相続人に通知する必要が生じます。

4)親の住所地の税務署で申告する

相続税の申告場所は、親の住所地の税務署になります。
これは相続人が国内や国外で離れて住んでいる場合に、同じ被相続人からの相続を自分が住んでいる住所地の税務署で行うのを防止する意図があります。
ちなみに親の管轄税務署が遠隔地であるときは、郵送での申告も可能です。

5)税務署からの確認は?

相続税の申告が終わると税務署から確認の通知が届きますが、これはあくまでも確認の意味で送られます。
親からの遺産財産額を計算して、それが基礎控除の範囲内であれば申告する必要はありません。
しかしそのような場合でも税務署から申告書などの案内が届くことがありますが、これはあくまでも申告の有無を調べるために送っているだけです。
税務署から申告書の通知を受け取ったら、実際の遺産額が基礎控除額の範囲内ですので、その旨を文書で税務署まで送るようにしましょう。
また財産評価を行った際に使用した資料が必要になることもありますので、大切に保管しておきましょう。

相続税を申告する際に計算方法や申告期限、申告場所など事前に納税の仕方を把握しておくことが大切です。
いざとなって慌てることがないように、日頃から準備しておくと間違いありません。
どうしても不安な方は、税理士などの専門家に相談するとスムーズに話が進むはずです。

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