遺族基礎年金はどれくらいの金額になるのか

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遺族基礎年金はどれくらいの金額になるのか

夫や妻など一家の大黒柱が亡くなった際に、残された遺族は経済的に逼迫してしまうことが考えられます。
そういう時のために用意されている制度が遺族基礎年金であり、こちらは条件さえ満たしていれば申請することが可能です。
遺族基礎年金について、実際に貰える金額や受給資格などを知っておきましょう。

遺族基礎年金とは

遺族基礎年金とは

家族が亡くなった際に、残された遺族が受給することができるのが遺族年金です。
遺族年金には、いくつかの種類が存在します。

遺族年金について

遺族年金には遺族基礎年金を始め、遺族厚生年金、寡婦年金、死亡一時金があります。
この中で死亡一時金は年金とは言えませんが、元々は遺族年金制度の一部になっています。
他にも労災保険においては、遺族補償年金や遺族補償一時金などが用意されていて、それぞれに特徴があります。
年金と聞くと、老齢年金や障碍者年金といった、本人が受給できるようなものをイメージする人も多いと思いますが、年金の被保険者が亡くなった時は残された遺族に対して年金が支払われるのです。
それが遺族年金であり、残された遺族に対して年金が支給されれば生活の支えにもなるでしょう。
ただし遺族年金制度は条件が複雑ですので、受給条件や実際に貰える金額を理解しておくことが大切です。

遺族年金というのは、国民年金や厚生年金保険の被保険者、あるいは被保険者であった方が亡くなった際に、その人によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。
被保険者である方は、年金の受給資格期間が25年以上あることが条件です。
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金が用意されており、亡くなった方の年金の納付状況などによって、いずれかあるいは両方の年金を貰える可能性があります。
遺族年金を受給するためには、亡くなった方の年金の納付状況や遺族年金を受け取る側の年齢、優先順位などを確認しておくことをおすすめします。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は受給条件を満たしていれば、亡くなった方によって生計を維持されていた配偶者や子供が受け取ることができます。
ここに出てくる子供とは、18歳になった年度の3月31日までの期間の子のことを言います。
国民年金や厚生年金保険の被保険者であった方が亡くなった当時、胎児だった子は出生以降に受給できるようになります。

また20歳未満の方で、障害等級1級や2級の障害状態にある子供も受給することは可能です。
その際には、婚姻していないことが条件です。
遺族基礎年金を受けることができるための被保険者の条件は、以下の通りです。
「国民年金に加入中の方」、「60歳以上65歳未満で、前に国民年金に加入していた方」、「老齢基礎年金の受給権者、あるいは受給資格を満たしている方」が亡くなった場合です。
また平成38年までは65歳未満、且つ死亡日の前々月までの保険料納付済期間が、「加入期間の3分の2以上ある、または死亡日の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと」が必要です。

遺族基礎年金を受給できる条件

実際に遺族基礎年金を受け取れる方の条件は、以下の通りです。

つまり遺族基礎年金というのは、扶養していた子供が成長するまでの期間に貰える年金と言えます。
そのため扶養している子供がいない家庭や、子供が既に成長している家庭は、遺族基礎年金を貰うことはできません。

遺族基礎年金の請求に必要なもの

遺族が年金を申請する際には、以下の書類が必要です。

実際の手続きについては、最寄りの役所で行います。

遺族基礎年金はいつまでいくら貰えるのか?

遺族基礎年金はいつまでいくら貰えるのか?

遺族基礎年金は、扶養している一番下の子供が18歳になった年度末、3月31日まで貰うことができます。
遺族基礎給付額は、「77万9300円+子供の数」で計算した金額です。
子供の数による加算額については、第2子までは22万4300円、そしてそれ以降は74800円と定められています。
例えば18歳未満の子供が3人いる時の年間支給額については、「779300+224300×2+74800×1」=132万7900円になります。
遺族基礎年金で貰える金額は、一番上の子が18歳を迎えるたびに減少していくのが特徴と言えるでしょう。

遺族基礎年金は夫と妻で異なる

いざという時に役立つのが遺族基礎年金ですが、この年金は夫と妻で貰える金額が異なります。
男女間で遺族年金の金額を見るために、夫と妻が40歳と10歳の子供の例で紹介します。
夫婦はそれぞれ大学を出た後の22歳から会社員として仕事を始め、その間の平均年収は夫400万円、妻300万円と仮定します。

①夫が亡くなった場合

夫が亡くなった場合の遺族基礎年金は、子供が高校を卒業するまで支給され、年金の額は「78万円+子の加算額」になります。
子の加算額は、子供2人までが約22万円、3人目からは約7万5千円ですので、貰える額は「78万円+22万円」で100万円です。
現在子供は10歳ですので、高校を卒業するまで8年間、毎年100万円が支給されるということです。

また遺族厚生年金は妻に対して生涯支給され、年金額は夫の年収を元にして計算しますので約400万円になります。
さらに65歳までは、中高齢寡婦加算が女性だけに支給されます。
これは夫が亡くなった当時、40歳以上65歳未満で且つ生計が同じ子供がいない妻や、遺族基礎年金を受けていた妻が、子供が高校を卒業したために遺族基礎年金を受給できなくなった際に支給される遺族厚生年金に上乗せするもので、年金額は約60万円です。
65歳までの遺族基礎年金と遺族厚生年金、そして中高齢寡婦加算を合計すると約2,900万円です。

②妻が亡くなった場合

次は妻が亡くなった場合ですが、遺族基礎年金は夫が亡くなった場合と同じです。
遺族厚生年金に関しては、夫は55歳未満ですので受け取ることはできず、子供に対して支給されます。
金額は妻の年収を元に計算されて約30万円になり、支給される期間は遺族基礎年金と同じように、子供が高校を卒業するまでの期間です。
それらの遺族基礎年金と遺族厚生年金の総支給額は、約1,300万円になります。
以上のように、男女間で実際に貰える遺族年金額の金額は変わることになるのです。

再婚時の遺族基礎年金の受給資格

遺族基礎年金は、再婚した際には受給資格が無くなるので注意しましょう。
遺族基礎年金は残された遺族の生計を維持するために設けられたものですが、死別後に再婚をした場合あるいは再婚をしない内縁関係の場合は、金額を減額したり支給を停止したりするのではなく、受給資格そのものが失権するのです。
その後再婚相手と離婚をしたとしても、一度失権した受給資格は復権することはありませんので注意しておきましょう。
遺族基礎年金失権届は、年金を受ける権利がなくなった日の「失権の事由に該当した日」から14日以内に提出することになります。

この記事のまとめ

遺族基礎年金は家計を支える家族が亡くなった際に、その配偶者や子供に支給される年金です。
この年金はそれぞれの遺族によって貰える金額は異なり、夫と妻など男女間でも異なります。
また再婚時には遺族基礎年金の受給資格は失権しますので、その点についても知っておかなければなりません。

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