親の自立を促す考え方について説明

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親の自立を促す考え方について説明

配偶者を失うことで、親が一人身の生活となることもあるかと思います。
そのことがきっかけとなり親と同居を考える人もいると思いますし、そのままの生活を続けて別居して暮らす人もいるのではないでしょうか。
しかしこのときの考え方として、親の面倒を見るという考えがある場合は、気持ちを切り替えなければいけません。
基本は自立を促すことです。
親の自立を促す考え方について説明します。

1)なんでも助けてあげようとは思わないで

なんでも助けてあげようとは思わないで

配偶者を亡くし一人身になった親に子供が関わっていくことは、ごく当たり前のことと言えます。
しかし葬儀や届出の手続き、家事全般について親に代わって全て実施してしまうことは、あまり良い行動とは言えないのです。
その理由は、この行動が全て親の老化を助長させていることに繋がるからです。

外出は適度に行う

高齢者に対して、年齢的な理由から外出を控えさせた方が良いという考えを持ち、家から出さないという人も少なくありません。
そして買い物のみならず、家事全般を手伝ってあげる人もいます。
しかしこの行動は足の筋力を低下させるきっかけとなり、余計に歩行困難に陥ってしまう原因を作ることになるのです。

高齢でも自力歩行できる人が多い

世の中には足の筋力が低下して歩行が困難だった90歳の女性でも、トレーニングを続けていたら自力で歩行できるようになった、という実例もあります。
また反対に高齢の人が足の骨折が原因で入院した際に、以降の筋力の衰えから歩行が難しくなったという例もあるのです。
つまり何でも助けてあげるということは、年老いた人にとっては良い行動とは言えません。
その人が本来持っている、元気な能力を衰えさせてしまうことに繋がるからです。
そのため手を差し出すときは、本当に本人のためになるのかをよく考えて行動することが大切です。

高齢者の長生きの秘訣

同じ高齢者でも、長生きをする人とそうでない人がいます。
人それぞれ長生きをする秘訣はあると思いますが、特に大きな要因となっているのは毎日の定期的な運動が大きいようです。
ノルウェーの研究チームによると、1日30分の運動をするだけで死亡リスクが極端に減る、という結果もあります。
具体的には定期的に運動を続けていた70~80代の高齢者と全く運動をしない高齢者を比較して、病気による死亡リスクがどれくらいになるかを研究したものでした。
その結果、運動を1日30分週6日行った高齢者の方が、全く運動をしない高齢者よりも死亡率が40%も減少するというのです。
そのため家で何もしないでいるより、適度に運動をさせた方が良い結果になる可能性が高い、と言えます。

運動は認知症防止にも効果的

定期的な運動は死亡リスクを低下させるだけでなく、認知症の予防にも効果的です。
こちらもオランダとカナダの研究チームが70~80代の高齢者を対象として、運動によって学習能力や記憶に関係する脳にどのような影響を及ぼすかの研究をしたものです。
やはり6ヶ月間に渡って定期的に運動をしていた高齢者は、調査開始日に比べて脳が活性化されたことが分かっています。
そのため定期的な運動は死亡のリスクを低くし、認知症の予防にも繋がります。
しかも軽い運動を1日30分ほど続けるだけで良いので、早速今すぐにでも実践をした方がいいでしょう。

2)出来ることは自分でやってもらう

出来ることは自分でやってもらう

子供からしてみると、年老いた親を見ることは辛いものがあります。
また反対に親からすると子供に頼りたいと思う反面、自分のことは自分でしたいと思っているに違いありません。
そのためこうした親の気持ちを察することが、自立を促す第一歩となります。
ただしその際に気をつけなければいけないことは、高齢者は孤立に陥る傾向が強いことにあります。
そうならないために定期的に話し相手になったり、様子を見に行くなどは最低限実施しましょう。

時々訪問をする

一人で暮らす親が自立中であれば、時々家を訪問して話相手になったり家の様子を伺うことが重要です。
またその際に、家の中で特に変わったことがないか気を配ることも大事です。
特に配偶者を亡くしたばかりの親は通常の状態とはほど遠いですので、日常の仕事を怠けてしまう傾向にあります。
そしてこれが継続すると家の中が汚れ、更には生活への意欲が減退することに繋がります。

一人で暮らす親のチェックポイント

一人で暮らす親の家をチェックする際に、調べなければいけないポイントがいくつか存在します。
まず家の中に、躓く恐れがある物がないかです。
気力が衰えている親は、ちょっとした段差や床に置いてある物にぶつかると、転倒してしまう恐れがあります。
そのため小さな段差、床の荷物、滑る床などを小まめにチェックし、要因を全て取り除くことが望ましいです。
次に冷蔵庫の中に、賞味期限切れの食品はないかです。
賞味期限切れの食品を食べると、食中毒や腹痛の原因となり得ます。
そのため傷んだ肉や野菜、魚などのチェックを行って賞味期限切れの食品は破棄しておきましょう。
次に部屋の照明関係についてです。
部屋が暗いと足元が見えず転倒や事故に繋がりますので、切れた電灯がないかをチェックします。
そして最後に、清潔感が保たれているかです。
家の中が汚れていると生活意欲がなくなりますので、部屋に埃が溜まっていないかの確認を行います。

3)住まい方による支援の仕方

親がどのような形態で住んでいるのかによっても、支援の仕方は変わります。
例えば同居、近距離や近隣、遠距離の場合です。
それぞれの生活環境に合わせたポイントについて説明します。

同居の場合

同居の場合のメリットとしては、親が病気になってもすぐに対処することができる点にあります。
また親と面と向かって会話することができますので、親が孤立することを防ぐことができます。
デメリットとしては、お互いの生活に干渉をすることになるため相手を思いやる気持ちはあれど、ありがた迷惑となる可能性があります。
このケースの支援ポイントと言えるのは、お互いの生活に干渉しないことです。
そしてお互いに助けを求めているときだけ支援する、という方式にすると良い結果が得られます。

近距離、近隣の場合

近距離、近隣の場合のメリットは、お互いの生活に干渉することがなく距離感が丁度良いことにあります。
そして親は子供が近くに住んでいることから、安心感が生まれます。
デメリットとしては、何か有事の際に自宅と実家との往復が大変になる点です。
このケースのポイントは、兄弟が多いのであれば介護が必要となった際に同居をするか、一人暮らしのまま継続するかを決めておくことにあります。

遠距離の場合

遠距離の場合のメリットは子供に依存することがないため、親がいつまでも独立心を絶えず持っていられることにあります。
デメリットは有事の際に、対処が遅れてしまう心配があります。
また自立する心の強さがないと、うつ病を発症するリスクも含まれます。
このケースのポイントは、定期的に連絡を取り合うことにあります。
また家族間で、介護が必要となった際にどうするかを話しあっておくことが必要です。

配偶者を失った親の気持ちは分かりますが、できる限り自立して行動してもらうことが今後のためになることが分かります。
また適度な運動も重要で、これを行うことで長寿になるだけではなく認知症防止やうつ病防止にも繋がります。
そのためにも早期回復を望むのであれば、早い段階から自立を促すことが重要です。

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