様々な場面で死亡診断書が必要になる

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様々な場面で死亡診断書が必要になる

死亡届や年金の支給停止、生命保険の保険金請求など、様々な場面で死亡診断書が必要になることがあります。
ですので必要となる場面や事柄を、事前に把握しておくのはとても重要と言えるのです。
既に頭に入れておけば、いざという場面でも慌てることなく手続きを行えるはずです。

1) 死亡診断書と医療費控除の関係

医療費控除の関係?
医療費控除について

死亡診断書を発行してもらう際は、ある程度の手数料がかかります。
そのためその分の費用を、医療費控除にあてることができるのか気になるところです。
医療費控除というのは、通常は税金を納めている本人とその配偶者、そして生計を共にしている親族などの扶養家族が、その1年間に支払った医療費を対象としています。
自らが負担した合計が10万円以上を超えながら年間の所得200万円以下の場合を例にとると、所得の5%以上になった際の超過した部分については、200万円を限度として所得税より医療費控除を受けることができるというものです。
この医療費控除は、確定申告をする際に一緒に申告を行います。

また準確定申告を行う場合も、通常の確定申告と同じように医療費控除を受けることができます。
準確定申告で対象となる期間は、通常の場合と同じです。
つまり故人が死亡した年の1月1日から死亡した日までが、対象の期間になるのです。
この期間に、本人とその家族が支払った医療費の合計額を計算します。
医療費控除では、死亡した後に支払った入院費などの医療費は控除できませんので注意しておきましょう。
そして医療にかかった領収書が必要になりますが、申告する際は領収書の日付にも注意が必要です。

保険などで補てんされる金額については、その分を差し引いて計算します。
医療費の領収書は準確定申告書に添付して提出するか、準確定申告書を提出する際に一緒に提示することになります。
場合によって領収書が多くなる場合もありますが、そのようなときはノートにまとめるなど、見やすいように工夫するといいでしょう。
さらに領収書と一緒に、支払先や明細書などを記載しておくと便利です。
様々な方法がありますので、その中から自分のやりやすい方法を選択しましょう。

医療費控除の対象になる医療費

医療費控除は、以下の医療費が対象になります。

なお医師などによる診療などを受けるためにかかった通院費や医師などの送迎費用、入院する際の部屋代や食事費用、コルセットなどの医療用器具購入代金、入院の際に自己都合で支払った差額ベッド代などは含まれません。

死亡診断書にかかった経費

医療費控除では様々な医療費が控除されますが、死亡診断書はどうなのでしょうか。
死亡診断書や死体検案書は、病院から発行してもらう際に費用がかかりますので控除してもらえれば助かると思います。
死亡診断書の料金は保険診療外になります。
そのため医療費控除ではなく、相続税を計算する際の債務として控除することになります。

準確定申告で認められる医療費控除は、以下が挙げられます。

被相続人が死亡した後に病院から発行された入院費などの領収書に死亡診断書の費用が含まれている場合も、それぞれに分けて計算して申告することになります。

2) 死亡診断書はいつまでにどこへ提出する?

どこへ提出?
死亡診断書と死体埋火葬許可申請書

死亡診断書は様々なシーンで使用しますが、原本が必要なのは死亡届を提出するときです。
死亡届については本人が死亡した後、7日以内に最寄りの役所に死亡診断書の原本と一緒に提出します。
死亡診断書の原本については、通常は臨終直後からお葬式まで1通だけで大丈夫です。
他にも生命保険金の受け取りなどがありますが、それぞれの保険会社によって様式などが異なりますので、事前に問い合わせておきましょう。

また原本が必要な場合は複数枚の診断書を用意しておくといいのですが、お葬式が終わってから問い合わせて死亡診断書の原本を取り寄せても、十分に間に合います。
死亡届提出というのは、通常は「死体埋火葬許可申請書」と一緒に提出するのが普通です。
死体埋火葬許可申請書を提出することで火葬埋葬許可証を発行してもらえますが、この許可証がないと遺体の火葬ができませんので早めに提出する必要があります。

死亡診断書の提出先と提出期限
雇用保険受給者資格証の返還
期限
本人が亡くなってから1ヶ月以内

手続先は実際に受給していたハローワークです。

生命保険金の請求
期限
本人が亡くなってから2年以内

手続先は、契約していた保険会社です。

生命保険金は死亡診断書の原本が必要ですが、請求金額によってはコピーで可能な場合もあります。
健康保険加入者の埋葬料請求
期限
本人が亡くなってから2年以内

手続先は、健康保険組合、社会保険事務所です。

船員保険加入者の埋葬料請求
期限
葬儀から2年以内

手続先は、健康保険組合、社会保険事務所です。

労災保険の埋葬料請求
期限
葬儀から2年以内

手続先は、故人の勤務先を管轄している労働基準監督署です。

国民年金の遺族基礎年金請求
期限
逝去から5年以内

手続先は、故人の住所地の市区町村国民年金窓口です。

国民年金の寡婦年金請求
期限
本人が亡くなってから2年以内

手続先は、住所地の市区町村国民年金窓口です。

厚生年金の遺族厚生年金請求
期限
本人が亡くなってから5年以内

手続先は、故人の勤務先を所管する社会保険事務所です。

労災保険の遺族補償給付請求
期限
本人が亡くなってから5年以内

手続先は、故人の勤務先を所管する労働基準監督署です。

3) 死亡診断書提出時に必要な印鑑はシャチハタでOK?

死亡診断書は様々な場面で必要になりますが、診断書の申請では申請書に印鑑を押す必要があります。
そのときに必要な印鑑は、シャチハタでも大丈夫なのでしょうか? シャチハタはインクで滲んだりかすれたりすることもありますので、一般的な契約書などでは不可になることが多いです。
一方で死亡診断書というのは亡くなった人を実際に診断した人、要するに担当した医者が記入し、その際の印鑑はシャチハタでも問題ありません。
シャチハタも印鑑に該当しますので、死亡届も受理してもらえます。

死亡診断書や死体検案書は、申請する病院によっては手数料が高くなることもあります。
そのため通常の医療費控除として申請したい、という人もいると思います。
しかし死亡診断書は医療費控除ではなく、相続税を計算する際の債務として控除することになりますので注意しておきましょう。

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