死亡診断書を紛失した場合

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死亡診断書を紛失した場合

被相続人が死亡した際に届け出るものの1つに死亡届があり、その死亡届に添付するのが死亡診断書になります。
死亡診断書は公的な書類として多くのところで利用されていますが、不注意によって失ってしまうこともあるでしょう。
その場合は早急に対処する必要があります。

1) 死亡診断書を紛失してしまったら?

紛失
死亡診断書について

被相続人が亡くなった場合、診察してもらった病院から発行してもらうのが死亡診断書です。
死亡診断書というのは、法律的には医師や歯科医師だけが作成・交付できる書類であり、その一方で担当医師は相続人などの遺族からの交付請求を拒否できない、とされています。
したがって死亡診断書をもらうには、一般的には病院や診療所などの医療機関の他に、介護老人保健施設などの介護関連施設などからも発行してもらうことができます。
死亡診断書は、死亡届と一緒に最寄りの役所に届け出ることになっており、その提出期は原則として「被相続人が亡くなった事実を知った日から7日以内」と定められています。

被相続人が亡くなった後、まずは葬儀を行うことが多いと思いますが、その場合は火葬許可書や埋葬許可書も必要です。
これらの書類は死亡届や死亡診断書を提出した後に交付されますので、できるだけ早い段階で申請することが大切です。
ただ被相続人が亡くなった後は様々な手続きが待っていますので、バタバタすることもあるでしょう。
ですのでその間に、以前いただいた死亡診断書を紛失してしまう可能性もあります。
死亡診断書を紛失してしまった場合には、再発行の手続きを行うことになります。

死亡診断書の再発行

死亡診断書は、原則的に通常は原本として1通のみが発行され、死亡届と一緒に役所に提出した後は返却されることはありません。
役所に死亡診断書を提出した以降は、原本の提出が求められるようなことは公的にはまずないからです。
その他の手続きとしては、生命保険金の請求や遺族年金の請求などで必要になる場合がありますが、そのときは役所が発行する死亡診断書の写しでも大丈夫です。
そのため遺族側も、通常は原本以外に請求することはありません。

ただ死亡届を提出する前に死亡診断書を紛失してしまうと、話は別になります。
コピーではなく原本を紛失してしまった場合には、再交付の手続きを行うことになります。
この点については、医師法にも規定があります。
医師法によると、医師は相続人などの遺族から再交付の請求があれば、その求めには応じなければならないとされています。
死亡診断書というのは最初に交付した死亡届を、役所に提出する前に紛失や盗難に遭うなどの止むを得ない事情を除いての再発行は、一般的にあり得ません。

ですのでたとえ対応してもらえても、発行までの時間や手数料などが変わる可能性があります。
もちろん病院によっては早急に対応してくれるところもあるかもしれませんが、すべての機関がそのように対応してくれるわけではありません。
医療機関によって色々と事情が異なりますので、紛失してしまった場合は早急に医療期間に連絡して対処してもらいましょう。

死亡診断書の発行料金

死亡診断書は公的な書類になりますが、発行料金については特に規定はありません。
そのため実際はそれぞれの医療機関や医療施設によってまちまちです。
高いところもあれば安いところもありますので、料金が気になる人は事前にチェックしておくといいでしょう。
大体の目安ですが、国公立病院や国公立大学附属病院などの公的な機関の場合の料金は、3,000~5,000円程度を見ておくといいでしょう。
中でも国立病院機構の団体に属する医療機関は、そのほとんどが一律3,240円(税込)となっているようです。

一方で私立の医療機関は、死亡診断書にかかる手数料を公表していないところも多くあり、実際の料金には大きな幅があるのが現実です。
例えば都内にある大きな病院の場合は、公的機関と大体同じ程度かやや高めに設定しているところが多いようです。
医療機関の場合は、他の診断書と同じように死亡診断書も保険が適用されません。
他に介護老人保健施設などで死亡診断書を発行してもらう人もいると思いますが、その場合の手数料は5,000~10,000円程度を見ておくといいでしょう。
そして再発行の場合も同じ程度の料金がかかりますので、死亡診断書を紛失してしまった方は規定の料金を用意しておきましょう。

2)死亡診断書の保存期間

死亡診断書の保存期間

医療機関が発行する書類にはそれぞれ保存機関があり、規定の機関が過ぎるとそのまま処分されることになります。

役所の死亡届

役所に提出される死亡届は、その左半分に死亡届が、右半分が死亡診断書になっています。
死亡届を提出した市区町村で診断書を請求すれば、届け出したコピーに対して、その役所が原本のコピーである旨を証明して発行してくれます。
その保存期間ですが、市区町村の場合は亡くなった方の本籍地であれば1ヶ月間、それ以外の場合は1年間です。
それ以上の期間を超えてしまうと、死亡届を提出された自治体を管轄している最寄りの地方法務局に移管されることになります。
その後はそこで保管されることになりますので、問い合わせは法務局にする必要が生じます。

病院で発行する死亡診断書

病院で発行する死亡診断書ですが、こちらは他の診断書と同じようにカルテがないと作成できません。
医療法ではカルテの法定保存期間を規定しており、それによると最低5年になっています。
ですのでその病院が、医療法の規定にしたがって処分していれば発行はできません。
しかし5年を超えても保管されていれば発行してもらえる可能性がありますので、問い合わせて確認してみましょう。
ちなみに診療の記録はカルテ以外にも、エックス線フィルム、照射録、処方せん、透析記録などがありますが、それらの保存期間は3年間となっています。
医療機関のカルテは保存期間が決まっていますが、カルテと同じように診療が継続していればそのまま保存の義務が続きます。

3)身寄りがない人の死亡診断書はどうする?

亡くなる人の中には、様々な事情で身寄りがない人もいます。
そのような身寄りのない人が亡くなった場合は、原則としてその地域の市町村が葬祭などを行うことになります。
被相続人が亡くなった際に本来は相続人が相続するべきですが、その肝心の相続人がいないか、あるいは存否が不明の場合には一旦市町村長が管理する仕組みになっています。
たとえその方に遺産があったしても、その遺産から治療費を勝手に徴収することはできませんので、病院から市町村長に全額を引渡します。

身寄りのない人が亡くなった病院から市町村に連絡すれば、葬祭などをしてくれます。
この場合は死亡診断書などの費用も負担してくれますが、亡くなった方に財産があればそちらから支出されます。
身寄りのない人の葬祭はしてもらえるかもしれませんが、その内容は最小限のものに限られます。
身寄りがない人が亡くなったときは、まずは最寄りの役所に連絡した方がいいでしょう。

大切な死亡診断書を紛失してしまった場合には、発行してもらった医療機関で再発行の手続きを行わなければなりません。
その場合は手数料が必要となりますので、最低限用意しておきましょう。
また死亡診断書には保存期間もあり、身寄りがない人の死亡診断書は市町村役場に連絡することになります。

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