仏壇を購入する際の注意点

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仏壇を購入する際の注意点

日本では基本的に自宅に仏壇がある、という家庭は少なくありません。
新築などで家を建てたりする人は、これから購入を予定している方もいるかもしれません。
仏壇を購入する際の注意点などを紹介しますので、購入予定という方は参考にしてください。

1)仏壇は小さなお寺みたいなもの?

仏壇は小さなお寺?

仏壇とは、一般的には以下のような役割を持っています。

如何なる理由があっても、遺族の心のよりどころとなるものには変わりがありません。
仏壇の前に座って手を合わせることで遺族は慰められることになり、自然と先祖に対する感謝の気持ちが芽生えてくるでしょう。
そのような意味でも、仏壇というものは家の中の小さなお寺とも言うことができます。
元々仏壇とは、位牌を安置するためのものと思っている方もいるようですが、本来はその家の主派である本尊「仏や菩薩など」を祀るものであり、この世で浄土を表している大切な場所と言えます。

これを仏教的観点から見ると、各宗派の中でも最も大切な仏である本尊を祀る小さなお寺でもあるのです。
本尊と一緒に故人の位牌も安置し、毎日供養をすることが仏壇の本来の意味と言えます。
そのようなこともあるため仏壇という名前から、あまり堅苦しく考えないことが大切です。
細かいことは考えずに仏壇に毎日手を合わせてご本尊やご先祖様にお祈りをする、それだけでいいのです。
そうすることで自然と感謝の気持ちを捧げられるようになっていきます。

また毎日お祈りを行うことで、心の安寧も得られることでしょう。
仏壇は家の中の小さなお寺と言われ、内部には寺院の内陣と似た造りを再現しています。
寺院の内陣を模して、様々なものが彫刻で彫られているのです。
ちなみに内陣というのは寺院の本尊を祀るところであり、仏教ではまさに理想の世界ということができます。
内陣のある仏壇にも、その中心に本尊を祀ることになります。
なお仏教ではお墓よりも仏壇の方が重要と説いており、それぞれの宗派によってその造りなどが変わってきます。
新規に仏壇を購入する際は、事前に寺院や僧侶などに相談しましょう。

2)住宅環境に合わせてデザインを選ぶ

仏壇を購入する際には、それぞれの住宅環境に合わせてデザインを選択する必要があります。
各家庭によって仏壇を設置する場所は異なり、仏壇のサイズなどは当然変わってきます。
そのため実際に購入する前に、安置場所の寸法などを測定しておきましょう。
最初に安置する場所を定め、その場所のサイズ、高さ、幅、奥行きなどをしっかりと測っておくことは重要です。

特に仏間に納める場合は、仏間の内側寸法は必ず必要になります。
そのため内側の寸法は、念入りに測定しなければなりません。
仏壇は観音開きになっており両側に扉が開きますので、そのスペースも考慮しましょう。
それぞれ住宅環境が異なりますので、そのサイズに合わせてデザインを選ぶようにしてください。

3)仏壇の基礎知識

仏壇の基礎知識
位牌

故人の戒名「法名・法号」と没年月日、俗名、享年などを記した木の札のことです。
通常は自宅にある仏壇やお寺の位牌壇などに安置して、そこで故人の霊をお祀りすることになります。
また位牌には仮位牌と本位牌があり、葬儀を行う時に使用するのが仮位牌です。
仮位牌は四十九日の間だけ用いるのが一般的であり、忌明けが来るまでに漆塗りの正式な位牌である本位牌を用意しておきます。
四十九日の忌明け後からは本位牌を使用することになりますが、元々は仏壇にお祀りするものです。

そのため仏壇がない方は、仏壇の購入も考慮する必要があります。
なお仏壇が用意できない時には、位牌はお寺の位牌檀などに安置してもらうことも可能です。
お寺に安置する位牌は、「寺位牌」や「寺院位牌」などと呼ばれることもあります。
これら寺位牌は一般的な本位牌と比べて、サイズが大きいものが多いです。

本位牌には戒名の文字を彫り、それが2週間程度かかりますので、できるだけ早めに準備しておく必要があります。
そのため位牌は仏壇店などで購入し、可能であれば文字入れなども依頼しておくと良いでしょう。
この文字彫りには手彫りと機械彫りの方法がありますが、現在ではその多くは機械彫りになっています。

開眼供養

開眼供養は開眼法要とも呼び、お墓、仏壇、位牌などを新規で購入する際に僧侶に依頼して読経を行う儀式となります。
開眼という文字があるように元々は仏像の目を開くという意味を持っており、この法要によって初めて仏像に霊験が宿ると信じられています。
仏像を作る際は大部分ができあがった後、最後の作業として目を描きこみます。

ここまでの儀式が開眼法要になり、これらの儀式がすべて終わると仏像が完成します。
なお浄土真宗では開眼供養をすることはなく、御移徙と呼ばれる慶事法要を行います。
開眼供養の実際ですが、通常は四十九日などの節目に合わせて行うことが多いです。
新規に位牌や仏壇の開眼供養をする時は、仏像をお迎えする慶事の後に弔事を行うことになります。

須弥壇と本尊

須弥壇とは、お寺でご本尊様を安置する際の台のことを言います。
須弥山と呼ばれることもあり、古代インドにそびえ立つ山を模して造られています。
仏教では須弥山の頂上に帝釈天などの神様が住む世界があるとされており、そのために須弥壇の上は神の領域とも言われています。
実際は壇の上に仏様を安置したり厨子や宮殿を設置したりして、その中に仏像を安置することもあります。

一方の本尊とは宗教の信仰対象になるもので、それらを模した仏像などの彫刻品や掛け軸などの絵のことを言います。
一般家庭にある仏壇や寺院の本殿では、その中央にご本尊が据えられるのが一般的です。
先祖代々の仏壇にはご本尊が設置されることが多く、子孫が代々本尊を受け継いでいます。

観音開き

両開きの一種であり、2枚の戸やそれと似たものが中央より左右に回転する開き方のことです。
あるいはそのような方法によって、開閉する扉なども該当します。

過去帳

仏具の1つであり、故人の戒名「法号・法名」、俗名、死亡年月日、享年などを記した帳簿のことです。
またその形状は折本と和本に分類され、日付入りと日付なしのものがあります。

材質

紫檀、重硬な材質のものが多く、芯材は褐色になっています。
またダークブラウンの木目が特徴でもあります。

仏具

ご先祖を敬ったり供物を捧げたり、礼拝したりするための道具のことです。

仏壇には様々な型があります。
金仏壇、唐木仏壇、家具調仏壇などがありますので用途によって選びましょう。

4)購入のポイント

いつ購入する?

身近な人が亡くなった後に購入することが多く、購入する際は四十九日の法要までを目安にすると良いでしょう。

どこに置いたらいい?

安置場所の決まりなどは特にありませんが、一般的には仏間に安置することが多いです。

開眼供養はどうやる?

近くの神社やお寺、仏具店に相談してみましょう。

そうじの仕方は?

仏壇のそうじでは、以下の点な注意しておきましょう。

仏壇を購入する際には、注意点がいくつも存在します。
仏壇には種類も多くあり、開眼供養などの儀式もありますので、まずは仏具点などに相談してみると間違いはありません。
設置場所やデザインなどに注意をし、置き場所の幅を測ることは必ず行いましょう。

専門家のワンポイントアドバイス!

仏壇を購入する前に、家のどこに安置するのかをよく検討しましょう。
そしてその場所に合うデザイン・色・大きさから、仏壇を選ぶべきです。
マンションのリビングに置くのであれば、そこに似つかわしい仏壇を選ぶべきです。

仏壇の向きについて諸説ありますが、住宅事情もあり、仏教では方角に吉凶もないので、あまり神経質にならなくてもよいと思います。
ただし事前に場所を決めておかないと、後から置き場がもめ事になり、折角用意した仏壇を手放すという事態にもなりかねません。
これは、実際にあったこととしてお聞きした実話です。

また、仏壇の買い替えや処分については、お寺や仏具店と相談しましょう。
粗大ごみとして処分するのは、お勧めできません。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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