死亡診断書の代筆

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死亡診断書の代筆

死亡診断書は基本的に故人を生前診察してくれた医師が発行してくれますが、医師以外の人の代筆は可能なのでしょうか? 医師以外の方でも可能であれば、事務手続きの簡素化が期待されます。
死亡診断書の代筆などについてを紹介します。

1) 死亡診断書の代筆は可能?誰ならいいの?

代筆は可能?
看護師の死亡診断書の代筆

被相続人が亡くなった後に記載する書類に死亡診断書がありますが、この診断書は医師や歯科医師だけが記載できます。
他にも死体検案書がありますが、これは担当医師だけにしか発行できず、歯科医師にその権限はありません。
このように現在の法律では、医師や歯科医師でないと死亡診断書は発行できないとされています。
ただ「死亡診断は医師の立ち会いが必要」という常識が変わりつつあります。

それが看護師の代筆です。
そのときは医師が遠隔診療を行い、指導の下で看護師が死亡診断書を代筆することになります。
厚生労働省でそのガイドラインが示されていますが、具体的には必要となる教育研修を受けた看護師が、ICT端末などを使用して担当医師に必要な情報を提供します。
そしてそのデータを元にして担当医師が遠隔で死亡診断を行い、その後に看護師が死亡診断書を代筆するという流れになります。
なおこの場合の医師の死亡確認は、それが12時間以上かかると予測される場合に限ります。
このように被相続人が亡くなった後、12時間以内に医師が死亡確認をできないなどの条件がありますが、実現されれば事務手続きがよりスピーディーになることは間違いありません。

看護師が死亡診断の代筆ができる要件

担当医師の指導の下、看護師が死亡診断の代筆ができる要件は以下の通りです。

以上が厚生労働省による、「ICTを利用した死亡診断に関するガイドライン策定に向けた研究」の内容です。
これらの条件を満たしていれば、担当医師ではなく近くにいる看護師が死亡診断書の代筆ができるようになります。
看護師不足が叫ばれている現在、それらがどの程度実現できるのかに期待がかかっています。

死亡診断書を代筆できる看護師の要件

死亡診断書を代筆できる看護師の要件としては、以下が挙げられます。

なおここでのターミナルケアとは、患者さんの死亡日と死亡前14日以内に2回以上の訪問看護などを行い、その上で行った場合が該当します。
一方で訪問看護の経験がある看護師は全体の2%程度と、かなり低い割合になっています。

またターミナルケアの経験がある看護師の割合はさらに低いとされていますので、どれだけ現実的な制度となるのかが注目されています。
当面の間は看護師による死亡診断の全例を把握するために、実際に適切に運用されているどうかを確認すると言われています。
そしてその結果を元にした、ガイドラインの再検証を行う予定です。
死亡診断書の作成は原則として医師が行いますが、その前提となる死亡原因の診断は、医学的には高度な判断が求められます。
ですので診断書の代筆を行う看護師も、きちんと研修を受けて知識を身につける必要があります。
ここで大切なのは死亡時刻や死因なども含め、医学的に正確な診断書を作成することです。
そのためには研修もさることながら、死の3兆候、死亡時間などをしっかり記録して、医師に正確な情報を送ることも必要です。

2)死亡診断書を役所に代理で提出することは可能?

代理で提出?

死亡届を最寄りの役所に提出する場合は、添付書類である死亡診断書を添えて提出することになります。

そして死亡届を提出する際は届出人を立てる必要があり、この場合の届出人になれるのは以下の人になります。

死亡届の届出人は、故人に代わって署名したり押印したりする役割を持っています。
届出人は書類に記入する人であり、実際に自治体や役所に提出する人は別の代理人でも構いません。
そのためお葬式をしてくれる葬儀会社など、葬儀の専門業者のスタッフも代わりに提出できます。
死亡届や死亡診断書の提出を面倒に感じる方は、このように葬儀会社に依頼してみるのもいいでしょう。
ただそのときは、被相続人の個人情報について配慮する必要があります。

3)死亡診断書の発行場所

死亡診断書の用紙は、病院や葬儀会社あるいは最寄りの役所の戸籍課などにありますが、通常は医師が保有していることが多いので診察した病院で発行してもらえます。
死亡診断書が必要になるケースには、死亡届が挙げられます。
これは医師から死亡診断書を発行したもらった後に、故人の死亡を知った日から7日以内、死亡地あるいは死亡者の本籍地などに提出することになります。
ちなみに死亡届はA3サイズになっており、死亡診断書と一体になっていることが多いです。

なお死亡診断書の発行には、手数料が必要です。
病院から死亡診断書を発行してもらう手数料はそれぞれの病院によって異なりますが、3,000~10,000円程度が目安になります。
一方で死体検案書は、30,000~100,000円程度の手数料が必要です。
死亡診断書と異なり、死体検案書は死亡した後の検案代や遺体を入れる納体袋などの料金も必要です。
そのためどうしても高額になってしまうのです。
死体検案書は、遺体を検案した警察や監察医務院で発行してもらえます。

また死体検案書を発行するのは、以下のケースになります。

様々な事項がありますが、要するに交通事故や孤独死、自殺や他殺など担当医師が患者さんの容体経過を把握できていない場合は、このように検案を行うことになるのです。
またたとえ病院で亡くなった場合でも、検案を行う事例は存在します。
例えば患者さんが交通事故に遭って病院に搬送された後に亡くなった場合に、その病院の医師が継続的に診療していることにはなりません。
そのため他の場合と同じように、検案を行うことになります。

死亡診断書は法律によって、医師や歯科医師だけしか作成できないことになっています。
しかし一定の条件のある看護師にも、死亡診断書の代筆を認める動きがあります。
また死亡診断書は代理で役所に提出できますので、葬儀会社などに依頼することも可能です。

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