戒名は日本だけの慣習

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戒名は日本だけの慣習

日本では人が亡くなった後に戒名をつけるのが一般的ですが、ペットなど人間以外の動物にもつけることは可能なのでしょうか?
仮につけることができるとすれば、本人がつけることも可能なのか気になるところでしょう。
人間以外の戒名について、そして戒名とはどのようにつけるものなのかを紹介します。

犬や猫のペット葬儀に戒名はあるの?

犬や猫のペット葬儀に戒名はあるの?

現代社会では犬や猫など、ペットを飼っている方も珍しくありません。
ペットも家族の大切な一員ですので亡くなった後もしっかり祀ってあげたい、と考える飼い主さんも決して少なくはないと思います。
犬や猫などのペットが亡くなったときには、人と同じように戒名をつけて供養や葬儀したいと思う方もいるかもしれません。
そもそも人間と同じように、ペットに戒名をつけるような習慣があるのかすら、一般的には知られていません。
そのため軽々しくつけて良いのか、迷うこともあるでしょう。

基本的に戒名というのは、人が亡くなったときに菩提寺の僧侶から与えられる特別な名前になり、仏教で使用されているものです。
そのため犬や猫などのペットに、戒名をつける習慣などは存在しません。
それでは戒名をペットにつけてはいけないのかということになりますが、結論から言えばペットに戒名を授けることはできません。
そもそも戒名というのは仏門に入った方、要するに仏の弟子に与えられる特別な名前だからです。
仏教では人間と動物は区別するような教えになっていますので、ペットに戒名を付与することはできないのです。
人間と犬や猫などの動物は、亡くなった後に辿る世界が異なるとされています。
そのためペットのお葬式を仏式で行ったとしても、戒名になると話は異なります。

ペットに戒名をつける

人間と動物は亡くなった後に辿る道が異なることから、ペットへ戒名をつけることはできないのが通常です。
厳密にはペットへの戒名の付与は「できない」、もしくは「いけない」ということではなく、ただ単に「つける必要がない」というのが、正式な回答になります。
そもそもペットと言うのは生前に人へ悪さを働いたり、何か特別な問題を起こしたりすることはなく、それぞれ一生懸命に飼い主のために生きています。
またたくさんの人を癒してくれますし、決して人を騙すなどして裏切るようなことはありません。
犬や猫などの動物は正しい生き方をしているからこそ、人間のように悔い改めることもなく、戒名をつける必要がないのです。

ただ最近のペットブームを反映してか、ペットのお葬式やペット霊園など人間と同じように供養できる環境が整ってきています。
そのような中でペットに戒名をつけたい、と考える飼い主が増えてきているのも事実です。
ペットに対する戒名の決まりや特別な規定などはありませんので、人間と同じように戒名をつけることは可能と言えます。
昨今のペットブームに乗るかのようにペット専用の葬儀会社なども存在し、様々なサービスを提供するようになりました。
ペットの戒名のつけ方も確立してきていますので、気になる方は葬儀会社などに相談してみると良いでしょう。

ペットの戒名

ペットの戒名はつける必要がないと言われているだけですので、希望する飼い主はつけることも可能です。
犬や猫などの戒名については、菩提寺の僧侶はもちろんペット葬儀会社などの専門業者や飼い主本人でもつけることができます。
ペットを飼う家族が増えてきたこともあり、ペットに戒名をつけてくれるお寺や専門業者も増加しています。
ペットの戒名を希望している飼い主は、そのような専門業者に任せた方が安心して供養できるのではないでしょうか。

戒名はどうやって決める?

戒名はどうやって決める?

戒名自体は自分でも決めることができますが、その場合は以下のように戒名の構造をしっかり理解しておく必要があります。

戒名の構造

戒名には以下のものがあります。

①院号

院号というのは仏教に深く帰依した証になり、元はお寺や社会に大きく貢献したなど特別な事由があるときに付されるのが一般的です。
逆にそのような事実がないと、つけられないことにもなります。
最近はお寺との関係性などにこだわらずに、院号を使用することもあるようです。
院号としては「○○院」や「○○院殿」などが一般的になり、「○○軒」、「○○庵」と付されることもあります。

②道号

道号というのは亡くなった方の性格や人柄、他にも仕事や趣味など様々な要素を総合的に考慮してつけられます。
例えば頓知でお馴染みの一休さんの「一休」ですが、実はこれも道号です。
一休というのは、一休さんが開いた悟りの境地などを言葉で表したものになります。
道号は分かりやすいのが特徴になり、例えば真面目な人であれば「誠岳」、故人が優しい人であれば「優雲」、また美容係の仕事をしていた人であれば「清心」など、一言でその人のことが分かる名前をつけることが多いのが特徴です。

③戒名

戒名は2文字で書くのが通常です。
名前のつけ方は様々になり、その中でも最も簡単なつけ方としては、自分の名前と尊敬する人から1文字ずつを取ってつけるものがあります。
他にも御仏や経典などを参考にすることもあります。
具体的には真言宗であれば「真」、浄土宗は「浄」、また阿弥陀如来であれば「慈」、大日如来は「照」などです。
浄土真宗の戒名は法名と呼ばれ、2文字ではなく「釋○○」のように3文字で構成されています。

④位号

位号というのは、戒名の位を表すためのものです。
成人男性であれば「信士・居士・院信士・院居士」、成人女性は「信女・大姉・院信女・院大姉」などで、これは後になればなるほどそのランクも高くなります。
一方で未成年の方は、それぞれの年齢によって位号も定まります。
具体的には、3歳位のお子さんであれば「嬰子・嬰女」、5歳位のお子さんは「孩子・孩女」、そして15歳位では「童子・童女」の文字が付されるのが一般的です。

著名人の戒名

戒名をつけるときは上記の構造に従ってつけることになりますが、初めての方は分からないことも多いかと思います。
その場合には、著名人たちの戒名を参考にしてみるといいでしょう。

①美空ひばり「茲唱院美空日和清大姉」

美空ひばりと言えば昭和の歌謡界を代表する歌姫でもあり、「慈唄」「美空」「日和」を見ても分かるように、どれもイメージにふさわしいものばかりです。

②黒澤明「映明院殿紘國慈愛大居士」

黒澤明は日本を代表する映画監督になり、「映」はもちろん「紘」の文字もピッタリではないかと思います。

③近藤勇「貫天院殿純義誠忠大居士」

近藤勇は新選組の局長として歴史的に有名で、幕府のために最後まで佐幕派として戦い、誠を貫いた武士でもあります。
戒名の「純義誠忠」という文字はまさにふさわしいと言え、その生き様を表しているのではないでしょうか。

菩提寺に相談しておく

戒名を菩提寺の僧侶に依頼するときはもちろん自分で決める場合であっても、菩提寺の僧侶に相談することをおすすめします。
戒名は菩提寺のお墓に埋葬する際に必要なものとなり、戒名がなければ入れないことがあるからです。
意外とトラブルも多いので注意しておきましょう。

戒名は基本的には人間専用のものになり、犬や猫などのペット葬儀には必要ありません。
ただつけることは可能ですので、お寺や葬儀会社などに相談すると間違いはないかと思います。
戒名の基本的な構造などをしっかり理解しておくことで、自らつける際にも上手くいくのではないでしょうか。

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