個別で樹木葬はできるのか?

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個別で樹木葬はできるのか?

葬儀の方法として人気がある一つに「樹木葬」があり、終活などで選択する人も増えていると言われています。
また樹木葬以外にも散骨と呼ばれる方法がありますが、これは樹木葬とはどう違うのでしょうか?
樹木葬と散骨の違いや個別での樹木葬、公園型樹木葬などについて紹介します。

樹木葬と散骨の違い

樹木葬と散骨の違い

葬儀には様々な形態がありますが、その中でも人気がある方法の中に「樹木葬」と「散骨」があります。
「樹木葬」と「散骨」はいずれも自然葬の一種であり、混同されることも少なくありません。
樹木葬は、シンボルとなる樹木の下に遺骨を埋葬して自然へ還す方法であり、散骨は遺骨を小さく粒状に砕いた後に遺灰を海や山などを巻く方法です。
樹木葬と散骨は、どちらも遺骨を自然へ還すという点では一致しています。
またいずれも墓石を用意する必要はなく、一般的なお墓と比べてかかる費用を軽減できるといったメリットがあります。
さらにお墓のような維持管理の必要もありませんので、お墓を承継してくれる人がいないときや、将来的に自分の子供や孫に大きな負担をかけたくないという人に、適した方法であると言えるでしょう。
両者にはいくつか共通点がありますが、以下のような違いも存在します。

①場所の違い

樹木葬と散骨の違いとして、まずは場所の違いが挙げられます。
樹木葬については、法律で許可された場所以外ではできません。
そのため許可された場所を探すことになりますが、基本として樹木葬を行っている墓地や霊園などで行うのが一般的です。
一方の散骨は、漁業権が設定されているような海洋や河川、公園といった公共の土地や山林など、他人が保有する私有地ではできないことになっています。
そのような意味合いから、散骨は漁業権の設定がなく、海岸から遠く離れた場所、あるいは散骨業者が所有している山林や、所有者から許可された私有地などで行うことになります。
両者はできる場所が異なりますので、十分に注意をしておきましょう。

②埋葬する際の遺骨の形状が異なる

樹木葬と散骨については、遺骨の形状が異なります。
散骨はモラルの観点もあり、遺骨自体は粒状に細かく砕き、それ自体が遺骨であることを判別できないようにすることが重要です。
一方で樹木葬については、遺骨の形状に細かい規定は特にありません。

③かかる費用が異なる

樹木葬と散骨では、実際にかかる費用が異なります。
樹木葬でかかる費用の相場は、遺骨一体あたり10~70万円程度が目安になります。
一方の散骨は、遺骨一体あたり5~20万円程度が相場とされており、さらに遺骨を細かく砕く必要があるため、その分の費用が必要です。
遺骨を砕く作業を専門の業者に依頼するときは、さらに別途3万円程度の費用がかかることもあります。
これとは別に船などをチャーターする際には、その費用も考えなければいけません。

④墓標の違い

散骨を行う際には、遺骨を比較的広い範囲に撒くこともあり、一般的なお墓のように目で確認できるような墓標にはなりません。
これに対して樹木葬になると、シンボルとなる樹木が墓標の役割を担うことになります。
さらにシンボルである樹木自体を「故人の生まれ変わり」と信じるなど、遺族の心の拠りどころにもできるのが特徴と言えるでしょう。

個別で樹木葬?

個別で樹木葬?

樹木葬は、個別での埋葬も可能です。
個別の樹木葬には、次のような特徴があります。

①1本の木に一人を埋葬できる

樹木葬というのは、元々はシンボルとなる1本の木の下に、一人を埋葬するスタイルが基本になっていました。
個別のスタイルですので、当然ですがそれに見合った広大なスペースが必要となります。
さらに埋葬に使用する木の種類や大きさ、占有面積などについては、それぞれの霊園や墓地などによって異なります。
元々広大な敷地が用意されている場所であれば問題ありませんが、スペースに余裕がない場所では、樹木葬自体のスタイルに限界を生じることもあるのです。
個別での埋葬が可能な霊園などであれば、希望する樹木葬ができる可能性がありますので、一度問い合わせてみることをおすすめします。

②家族全員の埋葬が可能

個別での埋葬ができるところであれば、家族全員の埋葬が可能なケースもあります。
霊園や墓地が用意している個別スペースには、夫婦や家族と一緒に埋葬してもらえるようなタイプも存在しています。
他には、ペットについても同じスペースの中で埋葬できる霊園や墓地もあるようです。
遺骨は該当区画の納骨スペースで埋葬されるのが一般的で、その場合は遺骨の数によってかかる金額も変わってきますので注意が必要です。

③できる場所が限定される

樹木葬は、「里山の保全維持」や「自然再生」がコンセプトの埋葬法になり、遺骨が糧や土に還ることが目的です。
そのため実際にできる場所が限定されることが多く、都心など森林や樹木などが少ないところでは、樹木葬をしたくてもできないこともあるのです。
一方でそのような都心部については、美しいお花で包まれたガーデンタイプの樹木葬が主流になってきています。
特に女性には、都心のガーデン埋葬が人気を呼んでいるようです。

④他の埋葬方法より費用が高くなることがある

個別での埋葬方法は、他の埋葬よりも費用が高くなる傾向にあります。
何故なら、樹木保全のための費用やメンテナンス代金、他にも様々な維持管理費が必要になることが多いからです。
ただそのように費用がかかる分、他人の遺骨との区別がつきやすくなるメリットがあります。
個別での樹木葬は、ある程度の費用がかかることもありますので、利用する際にはその点の考慮も必要です。

公園型樹木葬とは?

樹木葬の中には公園型樹木葬があり、こちらは一人ずつ植樹をするのではなく、霊園や墓地での決められた区画にある樹木の周辺に埋葬する方法のことです。
公園型の樹木葬には、合同で埋葬するタイプや個別での埋葬、さらに家族で埋葬する方法など、様々なタイプが存在しています。
また最近では、樹木の周辺に埋葬する場合であっても、そこには墓誌や墓標があることから、従来のような大きい墓石がそのまま小さくなった、というイメージを持つ方も増えているようです。
公園型の樹木葬は、里山型のものとはイメージが大きく異なるのが特徴、と言えるでしょう。
首都圏だけでなく近県などの交通の便の良い場所でも、樹木葬が可能な霊園や墓地はありますので、希望される方は確認をしてみてはいかがでしょうか。

公園型樹木葬のある霊園や墓地は、以下のような場所が挙げられます。
「高輪庭苑」は、東京都港区高輪2丁目泉岳寺駅徒歩1分と、交通の便も抜群です。
「豊島染井樹木葬墓地」は、東京都豊島区駒込5丁目にあり、「駒込浄苑」は、東京都豊島区駒込7丁目、巣鴨の地蔵通りも徒歩圏内にあります。
「庭園墓花樂苑」は、愛知県名古屋市守山区で家族のお墓としても利用でき、「明治の森霊園」は大阪府茨木市泉原にあり、四季折々の情景を感じることができると言います。
公園型の樹木葬に興味がある方は、このような場所に一度足を踏み入れて考えてみるといいでしょう。

このページのまとめ

最近人気の高い葬儀に樹木葬と散骨が存在しますが、両者にはいくつかの違いがあります。
その違いをしっかり考えてから選ぶ必要があるのです。
また個別で樹木葬も可能で、合同で埋葬するものや家族で埋葬するタイプなど様々なものが挙げられます。
公園型樹木葬は都会だけでなく、近郊の交通の便の良い場所でも可能なところが現れていますので、購入を考えている方は、そのような場所を一度訪ねてみてはいかがでしょうか。

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