納棺式の内容を理解しておく必要があります

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納棺式の内容を理解しておく必要があります

お通夜の前には様々な準備を行いますが、その一つが納棺式です。
納棺の儀は専門の納棺師や葬儀屋のスタッフが行うのが一般的ですが、遺族もその内容を理解しておく必要があります。
当日スムーズに式を進めるためにも、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。

白装束と旅支度とは?

白装束と旅支度とは??

納棺の儀式は地域によってその内容が異なりますが、最後に遺体へ白装束と旅支度を着させるのが一般的です。
お葬式を仏式で行う場合は直接遺体に白装束と旅支度を着せるか、あるいは納棺する際に遺体の近くに置くことになります。
白装束というのは仏の弟子になるために必要な衣装のことで、旅支度というのはその名前の通り旅をする際に必要になる衣装のことです。
仏様がいる世界に行くまでに四十九日の日数がかかることから、そのような旅支度を着せるのです。

なお浄土真宗の場合は、人は亡くなった後はすぐに極楽往生するという教えがあることから、仏式のような旅支度はしていません。
白装束と旅支度は、湯灌や納棺の儀式を行う際に遺族から順番に2人1組になって、手甲、脚絆、頭陀袋、六文銭、天冠、杖、わらじなどを遺体に付けていくのが一般的です。
紐については、その一方は真っすぐに伸ばしたままの状態にして、他方をそれに絡めてから結ぶ片結びが一般的です。
六文銭は紙に印刷したものを使用しますが、このお金は三途の川を渡る際に必要だと言われています。
天冠は額に付ける三角布のことであり、亡くなった後35日目に閻魔王のところにたどり着いた際、閻魔様に会うために必要となる正装とされています。

天冠は額については地域によって変わってきますが、現在の納棺の儀では額に付けず遺体の近くに置くことが多いです。
また最近では今までの白装束ではなく、その代わりに故人が生前に愛用していた洋服などを着せることも増えています。
ただ洋服を着せる場合は火葬する際にトラブルにならないよう、不燃物や危険物が付いていないかをしっかり確認する必要があります。
もし危険物がある場合には、それらを除去してから入れることになります。

納棺での旅支度の手順

納棺の際に行う一般的な旅支度は、以下の手順に沿って行われます。

① 故人に足袋を履かせる

足袋には長い紐が付いていますので、後で交差してから結ぶために手前の方にもってきます。
紐は立て結びで、このときはほどけないようしっかり結ぶのがポイントです。

② 脚絆を付ける

脚絆はすねに、手には手甲を付けます。
これは弱い部分を保護する役割があります。

③ 頭陀袋に入っている六文銭を取って故人にもたせる

頭陀袋に入った六文銭は、三途の川の渡し賃だとされています。
六文銭というと穴の開いた硬貨をイメージしますが、遺体に金属は付けることができないので紙に印刷したものを使用します。
遺族の中には紙のお金だと不安に感じる人もおり、その場合は本物の1万円札などを入れることもあるようです。

④ 合掌している両手の上に数珠を乗せる

生前に故人が使用していた数珠があれば、それを利用します。
数珠は、ただ持っているだけで功徳があると言われています。

⑤ 納棺

納棺する際は、周りにいる人が協力して行います。
男性陣が故人を持ち、女性陣はお柩のところを待ったりして手を添えます。
納棺が終わったらドライアイスをあてます。

⑥ 故人に白装束を着せる

白装束は着物の背中側を上の状態にして故人にかけ、帯は真ん中で一度結んで両側の腰の辺りに差し込みます。

⑦ 編み笠に天冠を入れて頭の上に差し込む

かつては額に付けていましたが、現在では編み笠に入れることが多いです。

⑧ 草履足元に入れて利き腕に杖をもたせる

最近の杖は金属製のものが多いので、その場合は棺に入れることはできません。

⑨ 故人に布団をかぶせる

一通りの儀式が終了したら、最後に故人に布団をかぶせます。

⑩ お柩に副葬品などを入れる

ここでは燃えるものだけに限りますので、金属や陶器、果物などの燃えないものやプラスチックのような爆発しそうなものは入れることができません。
メガネについては、火葬場で骨壷に入れることが多いです。

以上が納棺の際に行う、一般的な旅支度の手順です。

納棺式で入れる物。愛用品は?

愛用品は?

納棺式では故人が生前に愛用していた物を入れますが、すべてを入れることはできません。
納棺の際は入れて良い物といけない物がありますので、事前に確認しておきましょう。
入れて良い物と悪い物を事前に把握しておけば、納棺の儀式もスムーズに進むはずです。

納棺の際に入れても良い物

最初は、納棺の際に入れても良い物を紹介します。
納棺では、基本的に燃えやすい物であれば入れても大丈夫です。
例えば写真や手紙などは燃えてなくなりますので可能ですが、故人の生前の写真は縁起が悪いということで入れない人もいます。

また同じ写真であっても生前に愛用していたスポーツ用品など、納棺できない物を写真撮影しているものは特に問題ありません。
その他にも故人がヘビースモーカーであれば好きだったタバコや愛読本、お菓子、衣服、人形やぬいぐるみなども挙げられます。
ぬいぐるみは大きくなければ、特に入れても問題ありません。

納棺の際に入れてはいけない物

次に、納棺の際に入れてはいけない物です。
基本的には、炉の中で燃え残ってしまうような物や燃やすと炉が破損してしまう恐れがある物は、入れてはいけません。
燃え残ってしまう物としては、手鏡や硬貨、カメラ、メガネ、携帯電話、スマートフォン、指輪、腕時計、入れ歯などが該当します。
一方で炉の故障や破損原因になる物としては、ライター、カメラ、ゴルフクラブ、ゴルフボール、野球ボール、釣り竿、ペースメーカーなどがあります。

中が空洞で密閉された物は、基本的に入れることができませんので注意しておきましょう ペースメーカーについては、医療機関で必ず除去してもらうようにしましょう。
その他にも公害や汚染の原因になってしまう、プラスチック製品や発砲スチロール、化学合成繊維なども該当します。
さらに燃焼の妨げになってしまう物、いわゆる水分が多く含んでいる食べ物や飲み物、ページが多い本なども同様です。

他にまだ存在する可能性がありますので、詳しいことは葬儀会社や火葬場のスタッフに問い合わせておくと良いでしょう。
ちなみに地域によっては風習などもあり、納棺の際に変わった物を入れるところもあります。
例えば岩手県は、三途の川の渡し賃として100万円と記載したものや、山形県では三途の川で洋服をはぎ取られないようにわざと古い着物を着せるようですが、最近では着せない人もいるようです。

納棺はいつやるの?

お通夜式の前に納棺の儀を行いますが、一般的にはいつ頃に行っているのでしょうか? 納棺の儀を行う時期は地域によっても異なりますが、一般的には逝去後1~3日後の間に行うことがほとんどです。
ただそのタイミングは遺族の希望が優先されますので、その場合は実際に行う日にちが前後することもあります。
納棺の日程については、喪主の日程なども考慮して決めるのが通常です。
詳しいことは葬儀会社のスタッフに相談しておくと良いでしょう。

納棺の儀式では白装束と旅支度を着せ、納棺式は故人が生前に愛用していた物を入れます。
ただこの愛用品については入れて良い物と悪い物がありますので、注意しておきましょう。
また納棺は逝去後1~3日後の間に行うことが多いです。

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