自分の死後のことを考える際には献体も一つの選択肢

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近年では献体に関心が集まっており、実際に希望する人も増えています。
日本では少子高齢化が進行している中、身寄りのないお年寄りの増加などもその一因として挙げられています。
自分の死後のことを考える際には、献体も一つの選択肢なのかもしれません。

献体したらお葬式はどうなる?

献体?
献体について

昨今、献体に興味を持つ人が増えているようです。
また身寄りのないお年寄りの中には、実際に献体に申し込む人もいます。
献体というのは自分が死んだ後、その遺体を医大などに提供することを言います。
遺体を受け入れる大学側では、医学生たちがその献体を利用して解剖実習などを行うことになります。
献体というのは医学界の発展のためには必要不可欠な制度であり、とても意義のある行動だと言えます。
実際に献体を希望している人もいるかもしれませんが、献体をする場合は生前に大学や団体などに自分の名前を登録しておく必要があります。
献体は自分自身の意思や家族の同意があって、初めて成立する制度です。

献体が増加している背景

ここ最近は献体に申し込む人が増えている、と言われています。
かつての大学側は献体希望者を集めるのに苦労していましたが、近年は特に宣伝しなくても献体を希望する人が増加しています。
その背景として考えられるのが献体の社会的意義を考える人が増えたことですが、他にもたくさんあります。
それがお葬式であり、献体を申し込めば大学で死体処理をしてもらえることから、火葬費用などがかからなくて済みます。
この利点とも呼べる部分が、献体増加の一因として挙げられています。

少子高齢化が進む現在、その中には身寄りのない高齢者も増加しています。
自分の死後の行き場のことや残された家族にお葬式などの金銭的な負担をかけたくない、と思っている人が献体が増える要因と言えるのです。
ただし、注意する点もあります。
献体を希望する人の中には、大学が葬儀費用まで負担してくれると思っている人もいるようです。
それは誤りで、大学側が負担するのは遺体の搬送費と火葬にかかる費用の負担だけで、お葬式を行う際の費用は遺族が支払わなければなりません。
献体に申し込む際は、その点についてもしっかり理解しておく必要があります。

献体すると葬式費用や墓代がかからないの?

献体すると…

献体というのは本人が亡くなった後、無条件無報酬で遺体を提供する制度であり、医学の教育に役立てるために行います。
解剖学を学ぶ学生にとって、なくてはならないものと言えるでしょう。
献体という制度は主として医学を学んだ人が行いますが、一般の方でも可能であり最近では身寄のないお年寄りの中にも献体を希望する人が出てきています。

その中にはお葬式の費用や墓石代が必要ない、つまり死んだ後のお金がかからないので献体を希望する人もいるようです。
ただ献体は葬儀とは何ら関係はありませんので、注意しておきましょう。
お葬式ですが、献体を希望する場合であっても遺族が希望すれば基本的に行われことになります。
また献体が終わると火葬をし遺族に遺骨が戻されますので、その後にお墓にも入れることも可能です。

献体の流れ

献体の一般的な流れは、臨終、大学への連絡、お通夜とお葬式、大学が遺体の引取、解剖実習、1~3年後に火葬実施、遺族が遺骨の引取といった感じになります。
医療機関で亡くなった後は、そのまま献体登録した大学に引き取ってもらうことも可能ですが、通常はその前に通夜と葬儀を行うことが多いです。
お通夜とお葬式が終わった後に、遺体を引き取ってもらいます。

通常のお葬式では、告別式が終わった後に火葬を行い、その後に初七日の法要を行います。
そして火葬の段階で、遺族が遺体を引き取ることになります。
一方で献体は遺体を大学に搬送した後、2~3年してから火葬が行われます。
火葬が終わって遺骨になった時点で、遺族が遺骨を引き取ることができます。
引き取りする遺族がいないときは、その遺骨を共同墓地などに納骨することもあります。

献体の申し込み

献体を希望する場合は、お住まいの地域の医科や歯科大学、または献体篤志家団体に登録します。
登録自体は本人が行いますが実際に献体するのは遺族になりますので、登録する際は遺族の同意が必要です。
遺族の中に献体に反対する人がいると、献体自体できなくなる可能性もありますので注意しておきましょう。

献体したら葬式しないの?

献体すると火葬など大学側で遺体の処理をしてくれますが、お葬式までをしてくれるわけではありません。
そのため故人のお葬式をする際には、遺族側でその費用を負担して行うことになります。
ちなみに献体をお願いしたときのお葬式には、以下の3つの方法があります。

詳しく説明すると、以下になります。

献体の前にお葬式をする方法

大学へ献体をお願いすると、大学は対象者が亡くなってから48時間以内に遺体を引き取ります。
そのため献体に差し出す前にお葬式を希望する遺族は、この時間内にお通夜とお葬式を行わなければなりません。
そして通夜や葬儀が終わった後は、大学側に献体として引渡します。
以上の点をまとめると、本人が死亡した翌日に通夜をそして翌々日にお葬式を行い、すべてが終わったら大学に搬送するという流れになります。

献体前にお葬式をするときは、事前に葬儀会社に献体の予定を伝えておかなければなりません。
献体は48時間以内に遺体を搬送する必要がありますので、その間にきちんと搬送できるように葬儀会社のスタッフと相談しておきましょう。
葬儀会社の中には献体用のプランを用意しているところもありますので、本人が献体を希望しているときはプランを提供している葬儀会社を選択することも検討しておくと間違いはないでしょう。
通常の流れの中でお通夜やお葬式を行うのが厳しいときには、これらの儀式をたった1日で終わらせる1日葬というプランも存在します。

献体をした後、故人の遺体なしでお葬式をする方法

何らかの理由で大学側が希望する48時間以内にお通夜やお葬式ができない場合は、最初に遺体を献体し、その後に遺体なしで儀式が行われるケースもあります。
その際は祭壇に遺体や遺骨がありませんので、故人の遺影だけのお葬式となります。
遺体がない場合の段取りについても葬儀会社がしっかり手配はしてくれますので、不明な点は相談しておくと良いでしょう。
なお近くに菩提寺がある場合は、そのお寺の住職にも事前に相談しておくことをおすすめします。

献体した後、遺骨が戻ってからお葬式をする方法

献体をした後は、大学側で火葬して遺骨を遺族に戻してくれますので、その後にお葬式を行うことになります。
ただ実際に遺骨を返却してくれる時期は、大学によって異なります。
通常は1~2年で戻ってくる場合が多いですが、長いときには3年以上かかることもありますので注意する必要があるでしょう。
遺体が戻ってくるまでは時間がかかり過ぎるため、献体後に遺骨が戻ってからのお葬式は現実的ではないと言えます。

最近は献体する人が増えていますが、これによって葬式費用や墓代が無料になるわけではありません。
大学側が負担するのは遺体の搬送費と火葬にかかる費用だけであり、お葬式の費用は遺族が負担することになるのに変わりはありません。
また献体を行うことが決まっていても、お葬式を行うことはもちろん可能です。

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