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喪主・世話役をきめる為にそれぞれの役割について解説します
1)喪主を決める
喪主は葬儀全体の手配を進め葬儀内容を取りまとめる役目を担います。
では喪主はどのような基準で、誰が選ばれるかを見ていきましょう。
優先順位1:故人の遺言で決定する
喪主を選ぶ際に、故人の遺言書で喪主の指定があれば、その遺言の指定が最優先されます。
よって遺言内容に従って喪主を決めることになります。
優先順位2:一般的慣習で決定する
この場合は、故人の配偶者が喪主になります。
元々は日本の古いしきたりから、故人の後継者が喪主を務めるという時代もありましたが、現代では家族構成の近い配偶者が行うことが多いようです。
配偶者がいない場合は血縁の濃い順番に喪主となる方を決めることになります。
長男→次男以降直系の男子→長女→長女以降直系の女子→故人の両親→故人の兄弟姉妹の順番に決めるのが一般的です。
優先順位3:配偶者や血縁者がいない場合
故人に身寄りがない場合は、知人・友人や入所していた介護施設の代表者などが喪主を務めることもあります。
この場合は、「友人代表」や「世話人代表」と呼びます。
2)世話役を決める
世話役とは、葬儀の時に弔問客から渡される香典を貰う受付係や、お金の管理をする会計係など、葬儀時の裏方としてしっかりとサポートする役割を担っています。
以前は町内会の方や、ご近所さんが実務的なお手伝いをしてくれるという習慣もありました。
現状では葬儀社や葬祭場のスタッフがその代わりを行うことが多いようです。
世話役を決める際は喪主または遺族が、葬儀全般を管理する世話役代表を決めます。
そして、世話役代表が受付係や会計係を決めます。
世話役は、親族や遺族の友人、会社の上司や同僚から選ばれることが多いようです。
3)喪主・世話役の役割は?
喪主には葬儀の中で重要な役割がいくつもあります。
喪主の役割は①葬儀全体の監督、②各場面での挨拶③寺院への連絡・打ち合わせ④依頼する葬儀社の選定⑤お礼とあいさつ回りの5つが主な役割になります。
①葬儀全体の監督
葬儀に関する内容は喪主が決定することになります。
葬儀の形式や日時、費用を親族や葬儀会社と打ち合わせを行い決定します。
②様々な場面での挨拶
喪主となった人は通夜式や告別式で挨拶をします。
ご僧侶が到着した時・お布施を渡す時、受付時、出棺時、精進落としの席での開式・閉式時などで挨拶を行います。
③寺院への連絡
喪主は菩提寺に連絡をとり、日取りの打ち合わせをします。
菩提寺がない場合には、葬儀社に手配をお願いすることになります。
④依頼する葬儀社の選定
喪主が中心となって最終的に葬儀社を決定します。
親族から勧められたところ、病院からの紹介で決めることが多いようです。
価格等もきちんと親族に説明し話し合って葬儀社を選定することで、後々高額請求が来たり、親族間の葬儀費用に関する支払いを巡ってのトラブルなどを防ぐことができます。
⑤お礼とあいさつ回り
葬儀でお世話になった方への、お礼の挨拶も喪主の重要な役割です。
できるだけ、直接お礼に伺います。
しかし、遠方の方の場合は電話で行うこともあります。
お礼の挨拶は、寺院・僧侶、お世話になった町内の方々、故人の勤務先や弔辞を述べていただいた人などに行います。
喪主挨拶例文
喪主の葬儀の際の挨拶例文を載せます。
まずは、会葬・参列に対するお礼の言葉を述べます。
その後故人が生前お世話になったことへの感謝を伝え、遺族に対する今後の協力を賜ります。
文例
遺族を代表いたしまして皆様にごあいさつ申し上げます。
本日はお忙しい中、故○○の葬儀、並びに告別式にご参列いただき誠にありがとうございました。
故○○は○月○○日、○○歳の生涯を終え永眠いたしました。
生前に皆様から賜りましたご厚誼(こうぎ)・ご厚情(こうじょう)に心からお礼申し上げます。
お陰様を持ちまして葬儀・告別式を滞りなく済ませることができ、また、このように最後のお見送りまでいただき故人もさぞ感謝していることと存じます。
今後とも故人の生前同様、私ども遺族に対し変わらぬご指導とご鞭撻(べんたつ)を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
葬儀の後について
葬儀の後には会食(精進落とし)の場をもうけ、会葬者や手伝いの方たちの労をねぎらいます。
そのため喪主は、上座を譲り、接待する者として下座に座ります。
その際、親戚代表や町内会長、世話役などに献杯の発声をお願いします。
このように喪主には葬儀全体において沢山のやるべき事があり、どうしても喪主をサポートして細かな作業を行ってくれる世話役、世話係が必要になります。
次に世話役の役割を説明します。
世話役の役割
喪主が葬儀に関することすべてを行うのは負担が大きいため、世話役と協力して進めることになります。
世話役は人数が多い場合、世話役を取り仕切る世話役代表と実際に作業を行う世話係に分担して作業を行うこともあります。
世話役代表の役割
世話役代表は、葬儀を遺族側として経験したことがある人で、ある程度全体を取り仕切れる人にお願いします。
親戚、会社の上司や同僚、町内会・自治会の役員などから選びます。
世話役の役割は葬儀の打ち合わせへの参加、寺院や弔問客の接待、受付、会計などを行います。
葬儀参列者の人数が多い場合は、まとめ役に世話役代表、実働する世話係を決めて行われることもあります。
葬儀打ち合わせへの参加
世話役は喪主と一緒に葬儀の打ち合わせに同席することもあります。
初めて喪主を担い葬儀の打ち合わせに臨む場合は、葬儀経験者を世話役にしてしっかりと立ち合いしてもらうといいでしょう。
寺院や慰問客への料理の準備・接待
世話役は、参列者や住職への料理の準備や手配をします。
通夜には通夜振る舞いがあり、告別式には精進落としがあります。
食べ物は業者に任せる場合も増えてきているようですが、それでも料理の手配や準備を行う重要な役割です。
また、訪れた慰問客や僧侶への挨拶、接待を対応します。
そのため世話役はある程度故人とのつながりもある方が望ましいでしょう。
受付係
受付係は、通夜・葬儀の受付を行います。
親戚や友人が主に担当します。
香典の受け取りや記帳、香典返しの事務が役割になります。
特に受付係は弔問客に対し遺族の代わりにお礼を述べますから、礼節をわきまえた人が適任です。
会計係
会計係は、香典の管理や出納帳の記入など、葬儀のお金に関することを担当します。
大事なお金のことを担当してもらうので、親戚の中で信頼できる人や、会社の親しい人にお願いすることが多いです。
銀行で働いている人や、企業で経理や会計をやっているような方であればなお適任でしょう。
お金を取り扱う責任のある立場になりますから、慎重に選びましょう。
古くは葬儀の際は町内や親戚の力を借りて進行を進めることが多かったです。
しかし、現代社会では家族間や親族間の関係の変化、単身世帯の増加、ご近所関係の希薄化など多様な形態の方々が増えているため、葬儀の儀式に関しては葬儀社のサポートで行われることが多いようです。
それゆえに葬儀社のニーズも増しており地方では人で不足の葬儀業者も多いのが現状です。
また、葬儀についても沢山の人を呼んで行う一般葬だけでなく、家族葬や直葬など限られた家族や親族だけで行う新しい葬儀のスタイルが選択されることも増えているため、今後更に葬儀の在り方、喪主の在り方というのは変化していくことと予想されます。
このページを監修してくださった専門家の方
- 行政書士齊藤学法務事務所
- 行政書士 齊藤 学
遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。
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