将来不安な『年金』。受け取る額を少しでも増やす方法をご紹介!

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受け取る年金を少しでも増やす

少子高齢化で年金制度への不安が高まっています。
老後資金は公的年金だけで賄えないのではないかと、貯蓄や投資を考える人も多いでしょう。

ただ、実は、公的年金の受取額を増やす方法があるのです。
公的なものなので制度も安定していますし、金銭的なメリットも大きいです。

1) 厚生年金にプラス『企業年金』

企業年金?
サラリーマンは基礎年金(国民年金)と厚生年金に加入しています。
これらの公的年金に加え、企業によっては独自の企業年金を設けていることがあります。
確定給付企業年金

確定給付企業年金の「確定給付」とは、将来支払われる年金の額があらかじめ決まっているタイプの年金制度です。
一世代前には、企業年金といえば確定給付型でした。

掛金は原則企業負担で、運用も企業が責任をもって行います。
運用が上手くいかなくても、それは企業の責任なので穴埋めもしてくれます。

現在の「確定給付企業年金」という名称は、正確には、2002年施行の「確定給付企業年金法」にもとづいて設置されたものを指します。

企業単位で行っており、掛金も企業が払っているので、個人的に公的年金にプラスしたという感覚はないかもしれません。
しかし、勤め先に導入されていれば、厚生年金にプラスした給付が受けられます。

厚生年金基金

一昔前、企業が採用していたタイプの確定給付型年金です。
企業とは別に「厚生年金基金」を設立し、運用と給付を行います。

現在主流の「確定給付企業年金」との大きな違いは、公的な厚生年金制度の一部を国に代わって運営する点です。

もとは企業の福利厚生の一環として始まり、高度成長期やバブル期には企業も負担なく運用・給付ができました。
しかし、経済環境が悪化すると上手く機能しなくなります。
企業にとっては本業ではなく力不足が目立つようになり、監査などの制度も未整備で不祥事も起こりました。
そこで、2014年4月以降、法により、新規設立が認められなくなりました。

勤め先企業に厚生年基金が残存しているにせよ、他の企業年金に移行したにせよ、公的年金に上乗せした給付があります。

確定拠出年金(企業型)

これは従来の確定給付型と大きく異なります。
掛金が確定しており、将来の給付額が運用次第で異なってくるというタイプのものです。

アメリカでは法律の条文名から「401k」と呼ばれており、2001年の日本への導入時も「日本版401kがやってきた!」とマスコミなどで騒ぎとなりました。

企業型の確定拠出年金では、原則掛金を企業が負担しますが、掛金の運用は個人が行います。
規約に定めれば個人からの拠出も可能です(マッチング拠出)。

運用は個人の責任なのですが、企業単位で導入されているため「自分で運用している」実感がわきにくいかもしれません。

しかし、少しでも年金額を増やすためには積極的に活用していきたいものです。

2) 国民年金にプラスする

自営業の場合は、公的年金は基礎年金である国民年金だけです。
昔は「高齢でも働く手段がある」自営業の方が、「企業に労働力を差し出すしかない」勤め人よりも、老後の心配が少ないと思われていたのです。

とはいえ、任意で公的年金に上乗せする制度はあります。
人生100年時代、手段はあっても働くのが難しい年齢まで長生きするようになり、国民年金をいかに増やすか重要となってきました。

付加年金

毎月の国民年金保険料に月額400円を加算して支払うと、将来国民年金に付加年金を加算した金額を受け取ることができます。

この付加年金の額は「200円×付加年金保険料を支払った月数」です。
400円を一定月数払うと、将来「200円×一定月数」の金額が毎年受け取れます。
2年間受け取れば、支払った金額の「モトが取れる」ことになります。

国民年金基金

1991年、自営業にも厚生年金に相当するような年金が必要だという声が高まり、生まれた制度です。
加入は任意です。

掛金は性別、年齢によって異なり、口数制なので何口加入するかでも異なります。
上限は、確定拠出年金と合わせて月額6万8千円までです。

1口目は必ず終身年金(終身受け取ることができる)としなければなりません。
2口目以降は終身年金以外に、受け取る期間が決まっている確定年金の形で受け取ることも可能です。

1口目が「付加年金」の役割も果たしているので、国民年金基金に加入すると付加年金は脱退しなければなりません。

公的年金ではありませんが、掛金は社会保険料控除の対象となり、所得税がお得になります。

確定拠出年金(個人型)

企業型の確定拠出年金同様、掛金の運用を個人が行うものです。
個人型では、個人が掛金を出します。
上限はありますが、自分の決めた金額の拠出を行い、給付額は運用次第で変わることになります。

個人で掛金を出して運用する点では、普通の資産運用と似ています。
一方、年金制度の一環でもあり、老齢になるまで引き出せないなどの公的年金に近い性質と、税の優遇があります。

税の優遇には「運用益が非課税」、「受け取り時に『公的年金等控除』『退職金控除』が受けられる」ものがあります。
さらに、掛金が小規模企業共済等掛金控除の対象であるため、現在の所得税が確実にお得になるという大きなメリットがあります。

ただし、掛金には既に加入している年金に応じて拠出限度額があります。

3)確定拠出年金とは?

確定拠出年金?

2001年施行の「確定拠出年金法」で導入されました。
企業型は原則企業が、個人型は個人が確定した額の掛金を拠出し、個人が運用を行います。

法の条文に老後資金確保の「自主的な努力を支援」し「公的年金の給付と相まって」役割を果たすものとあります。
公的年金を補完するもので、国民年金、厚生年金、および従来の企業年金に上乗せする形になります。

個人型確定拠出年金は2016年に「iDeCo」と公的な愛称が決まり、2017年対象者が拡大され、日本に住むほぼ全ての人が対象となりました。

「iDeCo」が複雑に見えるのは、立場によって拠出限度額が異なることです。
これは、「iDeCo」が従来の年金を補完するためのものと考えるとわかりやすくなります。

自営業など、国民年金だけで老後資金が不足しがちな人が年間81.6万円(国民年金基金や付加年金との合計額)と最大です。
最も手厚い立場の確定給付型企業年金加入者が年額14.4万円と最小です。
その間に「自分か配偶者が厚生年金だけ」のサラリーマンと専業主婦が年27.6万円、「企業年金が企業型確定拠出年金のみ」の人が年24万円というケースがあります。

確定拠出年金は個人単位ですので、転職や退職しても、それまでの年金資産を持ち運びできます。
これをポータビリティといい、どんな立場になっても自分の年金を維持できます。

4)年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給とは?

公的年金の受給時期を変えることで年金を増やすことができます。
原則は65歳から受給開始ですが、1月繰り下げるごとに、「繰り下げた月数×0.7%」が生涯わたって加算されます。
現在は70歳まで繰り下げ可能です。
すると「60月×0.7%=42%」受給額が増えます。
かなりお得な制度です。

反対に60歳から64歳までの間に受給開始を繰り上げることができますが、この場合は1月繰り上げることに0.5%減額されます。
最大60月×0.5%=30%の減額です。
これも生涯その金額です。

繰り上げる場合は基礎年金と厚生年金で同時に行いますが、繰り下げる場合は別々に行うことができます。
どちらかだけを繰り下げることができます。

定年退職など働けなくなってから年金受給までの「つなぎ資金」が用意できるなら、ぜひ繰り下げを検討してみましょう。

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