神式・キリスト教式でのお礼

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神式・キリスト教式でのお礼

1)神式の場合

神式の場合?

神社にお願いして神式の葬式をあげる場合は、仏式とお礼の慣習やマナーが異なります。

仏教と神道とでは死生観に違いがあるため、葬儀に関しても細かく相違が出てきます。

今回は神式のお礼について説明します。

神式の場合通夜祭、葬場祭※1、霊祭※2の時に、祭祀祈祷(さいしきとう)の御祓(おはらい)をいただいたお礼として、神社に対し、「御祭祀料(御榊料[さかきりょう])」という名目でお礼を渡します。

御祭祀料以外にも、神官が斎場まで足を運んでくれた場合は「御車代」としてお礼を渡します。
神官が通夜祭等の接待を辞退した時は、「御食事料(御膳料)」という名目でお礼を包みます。

※1告別式に当たります。
※2法要に当たります。

2)キリスト教式の場合

仏教や神式のお礼に該当するのが、キリスト教では「献金」「御礼」と呼ばれます。

「教会への感謝の気持ち」を形にする「献金」として、教会にお礼を渡すことになります。

3)表書きの例

神式の表書きは次のように書きます。

①玉串料

玉串とは、榊の枝に紙垂をつけたものをさし、神社において参拝者や神職が神前に捧げるものです。
玉串の代わりとして納める金銭を玉串料と言い、神社への謝礼として渡すお礼の表書きにも「御玉串料」という名称を用います。

その他には「御榊料」、「御霊前」、「神饌料」と表書きに書かれます。

②表書きの注意点

表書きの注意点としては、文字は薄墨か濃墨で書きます。
「御霊前」は宗教・宗派を問わず使用されるので「御霊前」と書くのが無難です。

キリスト教式

キリスト教式のお礼は次のように書きます。

①御霊前

黒白か銀一色の水引の不祝儀袋を要します。
蓮模様の型押や印刷などがついているものは避けるようにします。
カトリックでは「御ミサ料」と書くこともあります。

②お花料

福音派という宗派では「御霊前」という言葉は使いません。
そのため、「お花料」という名目になります。
香典袋は無地を使うか、ユリの花や十字架などの絵が入った、キリスト教式のものを用い、水引はかけません。

4)神式、キリスト教式のお礼

表書き
神式 「玉串料」、「御榊料」、「御霊前」、「神饌料」
キリスト 「御霊前」「お花料」「御ミサ料」「献花料」
渡すタイミング
①神式の場合

神式の場合は葬儀終了後、もしくは神主が法要後の会食に同席される場合には会食の後に、挨拶やお礼を述べてから渡します。
周年祭時の際は祭事終了後に渡すとよいでしょう。

キリスト

キリスト式の場合は特段の決まりはありません。

ただし、慣例的には教会にお世話になる儀として、遅くとも葬儀終了後や終了後数日内に渡されることが多いようです。

但し、通夜や葬儀式のタイミングでお渡しする方もいます。

葬儀が終わってから改めて教会へ出向くよりは早めにお礼を渡した方が、相手にとっても好印象と言えるのではないでしょうか。

金額
神式

招かれて持参する「御玉串料」は、やはり仏式に準じ、一応は香典の三割から五割が相場となります。
霊祭は神社では行いませんので、自宅、墓地、斎場に来てもらうことになります。
「御礼」のほか、「御車代」を包むことになります。
相場は3千円~5千円となります。

キリスト
キリスト教式のお礼の相場
一般的な相場としては、一日葬の場合は5万円、前夜式と告別式で二日葬の場合は10万円をお礼として渡します。
但しキリスト教式では例外的なケースもあるようで下記にまとめます。
①外国人司祭の場合は具体的金額設定をしない

外国人司祭などは、葬儀献金の具体的な金額設定をしない方が多いようです。

基本的には「お気持ちで結構です。」と言われてしまうのでその場合は上記のお礼の相場で支払うとよいでしょう。

②一律の献金額を設定しているところもある

教会によっては、献金額を決めているところもあるようです。
もちろん設定金額は強制ではなくて「ご無理が無ければ○○円を目安にお願いいたします」という意味になるようです。

葬儀に掛かった費用の〇%という決め方をしている教会もあるようです。

このように値段を決めれば通常、葬儀費用は家庭の経済力に比例する可能性が高いですか ら、葬儀費用をある程度かけることができる経済的余裕のある人からは多くの献金をもらえて、逆に経済的理由で葬儀にお金をかけられず葬儀費用が安い人からは少ない献金で済むため理にかなっていると考えることもできるでしょう。

③教会の利用頻度で変わる
教会の利用頻度が高く、教会維持献金を普段から支払っている人は値段が安くなるケースもあるようです。

教会は信徒の維持献金で賄われているため教会の宣教活動に協力し、教会の維持や営繕にも携わる信徒と「普段は教会に顔を出さないがお葬式の時だけ教会にお世話になる」という方が同じだとすると、金銭的負担という面において少々公平性に欠けるためこのような差異を付ける教会が在るのだと考えられます。

宗教者へのお礼というのは渡すタイミングや金額は地域性や、宗教者ごとの考えもあるため非常に難しいことの一つです。
しかし、大事なのは感謝の気持ちを表すことなので分からない場合は年長者や関係者に聞いてみるといいでしょう。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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