葬祭費給付金制度や後期高齢者医療の葬祭費

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葬祭費給付金制度や後期高齢者医療の葬祭費

被保険者が死亡した際に、その葬儀を行った方に対して支給される葬祭費給付金制度というものがあります。
お葬式には様々な費用が掛かり、場合によっては予算を超過することもあるでしょう。
そのような時に、この葬祭費給付金制度があれば心強いのではないでしょうか。
葬祭費給付金制度や後期高齢者医療の葬祭費、そして相続税における葬祭費について紹介します。

葬祭費給付金制度とは

葬祭費給付金制度とは

葬祭費給付金制度というのは、亡くなった方が国民健康保険か後期高年齢者医療制度に加入していた場合に、その葬儀を行った喪主などが申請すれば国や自治体から葬祭費用の一部を補填してくれる制度のことです。
葬祭費については各自治体などで呼称が異なることがあり、国民健康保険以外の健康保険に加入していた場合も同様です。
例えば健康保険に加入している場合は葬祭費ではなく、埋葬費や埋葬料と呼ばれています。
市区町村や加入している健康保険などによって呼び方や金額は異なりますが、基本的には葬祭費と同じような扶助制度であることには変わりはありません。

実際にもらえる額

具体的には、葬祭費給付金制度ではどれくらいの給付金をもらえるのでしょうか? 各自治体によって実際にもらえる額は異なりますが、一般的な葬祭費給付金制度では3~5万円程度を申請でき、東京23区については一律7万円になっています。
ただ葬祭費給付金制度というのは、あくまでも葬儀に掛かった費用負担を扶助するのが目的となった制度です。
そのため当然のように、お葬式をしなかった場合は支給されないのです。

意外と忘れやすいのが申請であり、葬祭費給付金制度には期限がありますので、期限内にきちんと提出するようにしましょう。
手続き自体は2年以内なので問題ありませんが、国民健康保険の資格喪失の届け出は「人が亡くなってから14日以内」と定められていますので、最初にこちらの手続きを行う必要があります。
まずは国民健康保険の資格喪失の届け出を行い、その後に葬祭費給付金制度を申請するのが一般的です。
申請については多くの方が忘れがちですので、条件を満たしている方は早めに手続きしておきましょう。
手続きの内容はとても簡単で、故人が加入していた市区町村役場の窓口に対して、国民健康保険被保険者資格喪失届を提出して返却するだけで大丈夫です。

葬祭費給付金制度の手続きに必要なもの

葬祭費給付金制度の申請は、生前に故人が加入していた市区町村役所に申請すれば、お葬式を行った喪主や遺族などに葬祭費が支給されます。
その手続きに必要なものは、「葬祭費支給申請書」、「故人の健康保険証」、「申請者の印鑑」、「喪主や遺族名義の振込先の口座番号」、「葬儀会社の領収書や会葬礼状など、喪主を確認できる書類」です。
申請に必要なそれらの書類は各自治体によって異なることがありますので、事前に確認しておくといいでしょう。
葬儀費用以外にも給付金が支給される健康保険組合もありますので、実際に加入している保険内容を確認して、該当する方は早めに問い合わせておきましょう。
葬祭費給付金制度はお葬式を行った後、2年以内であればいつでも申請できます。
実際に最寄りの役所に申請しなければ支給されませんので、期限内に忘れずに申請するようにしましょう。

後期高齢者医療の葬祭費

後期高齢者医療の葬祭費

健康保険に加入している場合に支給されるのが葬祭費になり、こちらは後期高齢者医療にもあります。
後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなった場合には、その方のお葬式を行った方(喪主など)に対して葬祭費が支給されます。
実際に支給される額は各自治体によって異なりますが、一般的な葬祭費と同じように一律5万円のところが多いです。

葬祭費支給の申請で必要な書類は、以下のものが挙げられます。

後期高齢者医療の葬祭費に申請に必要な書類は以上のものですが、こちらも自治体によって異なることがありますので事前に確認しておきましょう。

相続税における葬祭費

相続税の納付が必要な場合には、少しでも収める額を減らしたいという人もいるかもしれません。
相続する財産の種類や数などによって収める税額は異なりますが、葬祭費も控除されると助かります。
相続税を計算する際に相続する全ての財産を加算するだけではなく、逆に相続財産から差し引くことができる項目もあります。
その中の一つが「葬儀費用」です。
お葬式に掛かる費用は遺族によって異なりますが、そんなに安いものではありません。
一般的に200万円くらいは掛かると言われており、場合によってはもっと高くなる可能性もあります。
葬祭費が相続税で控除できれば、相続税の税率が一番低い10%にした場合でも、20万円の税金を減額できます。

ただ葬儀費用と言っても、葬儀会社に支払う費用はもちろん、それ以外にも菩提寺の僧侶などに支払うお布施やお寺の戒名料、さらにお通夜やお葬式に参列したいただいた方からもらう香典のお返しなど、様々な費用が掛かるのが実情です。
そのためどの葬儀費用が相続財産から差し引けるのか、その対象となる項目を把握しておかなければ、余計な税金を負担することにもなり兼ねません。
勝手に判断して差し引いてしまうと、思わぬペナルティを受けてしまう恐れもあります。
そのため事前にその内容を確認しておくことをおすすめします。

相続税から控除できる葬儀費用とは

お葬式に掛かった葬祭費は相続税から控除できますが、具体的には以下のものの控除が可能です。
「医師の死亡診断書」、「お通夜式やお葬式、告別式に掛かった費用」、「葬儀場までの交通費」、「葬儀に関する飲食代」、「遺体の搬送費用」、「火葬料や埋葬料」、「お手伝いさんへの心付け」、「運転手さんに対するお車代」、「お布施や読経料、戒名料など」、「納骨費用」、「その他、葬式に伴う費用」などです。
この中でも医師が発行した死亡診断書については、相続税申告の添付書類としては必要ありませんが、納骨を行うために取得した医師の診断書や死亡届出書は控除の対象になります。
他にも葬儀に関する飲食代など、お通夜やお葬式、告別式に参列した方々の食事代やおつまみ代、お茶やジュース代などの接待費用も含まれます。

当然ですが、コンビニや売店など飲食店以外で購入した商品などの費用も含まれます。
お手伝いさんに支払った心付けが気になる人もいるかもしれませんが、香典などの受付に対する人件費や受付全般に要した費用も控除対象になりますので、手伝ってくれた方に心付けを支払った際に分かるように記録しておきます。
ただ香典返し、生花、お供え、位牌、仏壇の購入費用、墓地や墓石の購入費用、法事(初七日、四十九日)に関する費用などは控除の対象にはなりませんので注意が必要です。

この記事のまとめ

国民健康保険に加入していた方が亡くなった際には、その葬儀を行った方に支払われるのが葬祭費給付金制度です。
後期高齢者医療にも葬祭費制度がありますので、該当する方は確認しておきましょう。
相続税では葬祭費も控除対象になりますので、申告する際は事前に必要書類を用意しておくといいでしょう。

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