火葬場に残った遺骨はどうするの?

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火葬場に残った遺骨はどうするの?

お葬式が終わった後は火葬場に行き火葬をすることになりますが、その際の遺骨の取り扱いには、細心の注意が必要です。
遺骨の持ち帰りや残された遺骨の処分方法などは、事前に把握しておくことが望ましいと言えるでしょう。
火葬場での遺骨の処分方法などを紹介します。

火葬場で遺骨は持ち帰らない?

火葬場で遺骨は持ち帰らない?

火葬された遺骨は持ち帰るのが一般的ですが、遺族の中には「遺骨を持ち帰りたくない」という方もいます。
その理由としては「後継者がいない」、「経済的な問題でお墓を買えない」、「お墓を購入しても無縁になる可能性が高い」などが挙げられます。
その他にも「故人が浮気して家出をしていた」、「長い間、行方不明になっていた」、「以前から別居していた」、「元々仲が悪かった」、「家族思いの人ではなかった」、「多額の借金を残していた」など、複雑な理由があるようです。
経済的な問題だけでなく感情的な問題などがあることから、火葬した遺骨を持ち帰りたくない人も決して少なくはないのが現実です。

遺骨を捨てると?

どんなに嫌いな人あるいは縁のない人であっても、故人の遺骨を粗末に取り扱うことはあまりおすすめできません。
人に対する恨みの気持ちというのは、心象として永久に連鎖することになるからです。
故人の遺骨を粗末に取り扱った人は、自分自身も同じような目に遭う可能性が高くなります。
これは当然のことであり、因果応報と言われる自然な法則とも言えるでしょう。
遺骨を捨てたり粗末に扱うと、巡り巡って自分に跳ね返ることになるかもしれませんので、あまり罰当たりなことはしない方がいいかと思います。

処分以外の適切な方法

どうしても遺骨を持ち帰りたくないという人もいるかもしれませんが、そのような方は処分以外の適切な方法を探ってみましょう。
例として以下のような方法があります。

①粉骨や散骨

遺骨を処分する方法として、粉骨や散骨があります。
粉骨や散骨は最もお金がかからない方法として知られており、最近はそのような方法を行う人も増えているようです。
散骨や粉骨する際はその前にきちんと儀式を行い、その後に行うのが理想的です。

②手元供養

手元供養というのは遺骨の一部を粉骨し、それをペンダントなどに入れて部屋に置いたり、身に着けたりする方法です。
手元供養という方法は年々急速に増えていて、遺骨を身近に感じることができるものとして、たくさんの方に受け入れられています。
手元供養は遺骨の全部を使用するのではなく、あくまで一部を使用しますので、残りの遺骨の処分方法を考えておく必要があります。

③合葬墓

合葬墓もおすすめの方法になり、こちらは他の方と一緒に埋葬することになります。
合葬墓もお寺で永代供養することが多いのですが、その他の機関でも取り扱っていますので、興味がある方は確認しておくと良いでしょう。

火葬場で焼かれ遺骨はどの様に処分される?

火葬場で焼かれ遺骨はどの様に処分される?

火葬場で焼かれた遺骨は各遺族が持ち帰り、お墓などで供養することになります。
他の方法の一つとして、自治体の財源にする制度というものがあります。
これは残骨灰に含まれている有価金属に注目した方法と言え、その有価金属を売却することで市の財源にするのです。
有価金属に注目した方法は、現在では横浜市や名古屋市、福岡市といったいくつかの自治体で採用されています。
残骨灰の中には、故人が生前に治療した歯や人工骨、関節に使用した金、銀、パラジウムなどの金属などが含まれています。

他にも、残骨灰を売却することで多くの収益を得られることが分かっています。
名古屋市の場合は、残骨灰に含まれていた銀やプラチナ、パラジウムなどを売却することで約5000万円の収益を得たという話もあります。
売却方法としては、残骨灰の中から貴金属だけを回収して売却する方法や、残骨灰自体を売却する方法、さらに業者に売却した貴金属などの収益を、それぞれの自治体に納めさせる方法などもあります。
火葬場で焼かれた遺骨の処分方法は様々ですが、残された遺骨の処分の方法もありますので事前に調べておくといいでしょう。

火葬場に残された遺骨はどこへ?

火葬場に残された遺骨はその後どうなるのかと、疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。
火葬を行い、収骨した後に残った遺骨のことを「残骨灰」と呼んでいますが、その残骨灰は遺体1体について2kg程度残ると言われています。
残った遺骨については、それぞれの自治体の処理業者に委託して処理してもらうのが一般的です。
その際には骨とそれ以外のものとに分別し、骨については最終的には自治体が管理する墓地や寺院などに埋葬して供養することがほとんどです。

遺骨の収骨は地域によって方法が異なる

火葬場に残った遺骨は各火葬場で処理することになりますが、その方法は地域つまりは東日本と西日本で異なるようです。
火葬後の遺骨について東日本では、そのすべての骨を拾う「全骨収骨」が一般的になり、遺灰は刷毛を使用して集めて骨壺に納められます。
一方で西日本では「部分収骨」を行っており、そこでは頭や喉仏、腕や足、胸や腰といった主要な部分の骨だけを集めて骨壺に納めます。
そのため骨壷の大きさについてもそれぞれで異なり、東日本の場合は7寸サイズ(高さ25cm×直径22cm)の大きさで全ての遺骨が納まる、と言われています。
また西日本では3寸から5寸といった、少し小さめのサイズ(高さ11~17.5cm×直径9.5~15.5cm)のものを使用しています。
「全骨収骨」と「部分収骨」と方法は異なりますが、残骨灰を永代供養するのは同じです。

火葬場から遺骨を持ち帰らない「0葬」

最近は、火葬場から遺骨を持ちかえらない「0葬」を行う人も現れています。
「0葬(ゼロそう)」というのは、残った遺骨を火葬場から持ち帰ることなく、墓を造らない新しい葬り方のことを言います。
0葬という方法は、宗教学者である島田裕巳氏の著書「0葬-あっさり死ぬ」で紹介されたことから、全国的に知られるようになりました。
遺骨を持ち帰る必要がありませんので、墓地を造る心配や法要を行う必要もなくなります。

0葬であれば、火葬で全ての儀式が終わることから経済的な負担も軽減されますし、その後のお寺や親族間とのお付き合いに悩むこともなくなります。
苦労しなくても済む、新しい葬儀の形式として人気を呼んでいます。
しかし、注意する点もあります。
それが地域によって異なるという点で、どんなに遺骨を持ち帰らない方法を希望しても、すべての火葬場が0葬に対応しているわけではないからです。
通常の火葬場では、まだ遺骨を引き取るという方法を採用していますので、事前に確認する必要があるのです。

また0葬を行う場合には、故人の遺体を火葬した後その遺骨をパウダー状に整えて、合同墓地に納めるのが一般的です。
どんなに後から遺骨を返して欲しいと思っても、それができないことになります。
そのため後から遺骨が必要になる可能性のある方は、一般的なお持ち帰りの方法を選んだ方がいいでしょう。
以前とは違い、最近はお葬式や遺骨に対する考え方も徐々に変わってきていますので、最新の方法が現れていないかという確認も大切です。
最新の方法については葬儀会社でも把握していることがありますので、気になる方は相談しておきましょう。

お葬式が終わった後に火葬場に残った遺骨、それを持ち帰りたくない、という人も増えているようです。
その場合の処分方法にも色々ありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
火葬場での遺骨の処分方法として、お葬式や遺骨に対する考え方も、時代と共に徐々に変わってきています。

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