火葬・骨上げの概要と流れ

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火葬・骨上げの概要と流れ

1)納めの式を行う

納めの式?

火葬の前には、棺を安置した祭壇の前で、「納めの式」が行われます。
僧侶の読経、焼香のあと、喪主から順に焼香します。
棺を火葬炉の中に納めるときは、全員で合掌して見送ります。

2)火葬が終わるのを待つ

火葬の最中は、控室で火葬を待ちます。
火葬にかかる時間は火葬炉の性能や故人の体重・体型によって変わってきます。
時間としては40分~1時間半ほどかかることが多いようです。

地域によって異なることもあるようですが、控室では、僧侶や親族、同行者などをお酒や茶菓でもてなします。
火僧侶には上座に座っていただくのが礼儀で、喪主・代表者が応対します。

3)骨上げのしかた

火葬が済んだ後は骨上げを行います。
骨上げとは遺族や同行者の手によって、骨壷に納めることを「骨上げ」と呼びます。
お骨は、骨上げ台にのせられて出てきます。

骨上げは竹の箸を使い、2人1組になって1片のお骨を同時にはさんで拾い上げ、骨壷の中に納めていきます。

骨を1、2片拾ったら、次の人へと箸を渡します。
喪主から始まって、故人と血縁の深い順に拾います。

骨は、足の部分から順に、上体に向けて拾っていきます。
一番最後にのどぼとけを拾い、骨壷の中に安置します。

4)死体火葬許可証もいっしょに納める

火葬の際は「火葬許可証」がないと、火葬することができません。
葬儀社が預かって管理してくれる場合が多いので、事前に葬儀社に渡しておきましょう。

5)火葬・骨上げの流れ

火葬・骨上げの流れ

火葬と骨上げまでの流れは次のようになります。

6)神式・キリスト教式の場合

神式

神式の場合は葬場祭を行った後に火葬祭 となります。
これは、火葬の前に火葬場で行われる儀式です。
神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串を奉って拝礼します。

キリスト

キリストはカトリックとプロテスタントで流れが異なります。

カトリックの火葬

キリスト教は本来土葬埋葬です。
しかし、日本では多くの自治体が土葬を禁じていますから、葬儀後は棺を火葬場に移すことになります。

火葬場に着いたら火葬炉の前に棺を置き、聖歌合唱し、司祭が祈りを捧げた後、司祭と参列者との聖句交唱があり、撒水、撒香の後、再び司祭の祈祷、聖句交唱をしてから火葬します。

火葬後に焼骨を拾う「骨上げ」にキリスト教の作法はありません。
二人一組でご遺骨 を挟む「箸渡し」は必要なく、それぞれの人が箸で拾って骨壺に直接収めて構いません。

火葬後はそのまま墓地に埋葬しますが、自宅に持ち帰って安置し、「追悼ミサ」に合わせて埋葬する場合もあります。

「追悼ミサ」とは?

カトリックでは、故人が亡くなられた日から3日目、7日目、30日目と、毎年の命日に「追悼ミサ」を行います。

神父、遺族、近親者などが教会や自宅に集まり、聖書朗読と聖歌の合唱をし、お茶会を開いて故人を偲びます。

プロテスタント
火葬前式

カトリックと同様に、プロテスタントも土葬埋葬が基本です。
しかし、日本では多くの自治体が土葬を禁じていますから、葬儀が終わったら棺を教会(斎場)から火葬場に移します。

火葬場に着いたら火葬炉の前に棺を安置し、小机に十字架と生花を飾ります。

全員で賛美歌合唱の後、牧師が祈祷して「火葬前式」を終了します。

火葬後の「骨上げ」はカトリックの場合と同じです。
火葬後の遺骨はいったん自宅に持ち帰って安置し、「召天記念日」に合わせて埋葬するケースが多いようです。

「召天記念日」とは?

プロテスタントでは、故人が亡くなった日を「召天記念日」と言います。
故人が亡くなった日から7日~10日目、または30日目に、「召天記念式」を行います。

「召天記念式」は、故人の通っていた教会または自宅に、牧師、親族、友人たちが集まり、牧師による祈祷、説教と聖書朗読、賛美歌合唱などをして故人を偲び、生前の日々を神に感謝して、茶話会などを催して遺族を励まします。

※召天記念式は1年目、3年目、5年目の召天記念日にも行います。

土葬と火葬

総務省のデータによると日本の火葬率は99.93%です。
そして残りの0.07%は火葬以外の方法で埋葬されています。

日本では火葬以外では土葬による埋葬が行われています。

日本の土葬は昭和初期まで全国的に行われていました。
樽のような棺桶や木棺ごと遺体を土に埋めるという方法です。

棺桶を埋めた跡はその上に土を盛って土饅頭を作り、土饅頭がつぶれるころには遺体は土に還っているということになるようです。

遺体が土に還るのは腐敗菌や土中の微生物の働きによるもので、数か月もすると肉は完全に亡くなり骨だけになってしまいます。

日本で土葬が廃れた理由の一つには、「腐敗した遺体が原因で感染症が起こる恐れがある」ということがあったようです。
そのため、土葬があったころの日本では遺体を埋葬する墓場と参りに行く墓を分ける「両墓制」を取っていました。
今でも両墓制墓地は日本に残っているようです。

現代の日本では火葬が法律で義務付けられています。
しかし、自治体が許可すれば土葬しても可能となっています。
実際に奈良県や山梨県をはじめとする一部地域では土葬用の墓地が存在しています。

日本におけるイスラム教徒の土葬問題

これは日本在住のイスラム教徒の埋葬問題です。
イスラム教では土葬のみが埋葬法として許されていますが、火葬した遺骨しか埋葬できないタイプの墓地・霊園が多いため、日本に在住しているイスラム教徒は墓地探しで困るケースが自治体に相談されています。

専門家のワンポイントアドバイス!

イスラム教徒向け墓地は北海道余市町、静岡県清水市、山梨県甲府市、東京都多摩市、茨城県常総市、兵庫県神戸市、和歌山県橋本市などがあります。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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