遺族厚生年金に税金はかかるのか?

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遺族厚生年金に税金はかかるのか?

家族が亡くなったとき、残された遺族は悲しみに浸り、しばらくは何もできないかもしれません。
その気持ちも分かりますが、今後の生活もありますので早めに気持ちを切り替えることも大切です。
家族が亡くなった後の生活ですが、その中でも大切なものの一つが「遺族厚生年金」ではないでしょうか。
遺族厚生年金について知っておきましょう。

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金というのは、会社員や公務員として厚生年金保険に加入している被保険者が亡くなったときに、その遺族が受け取れる年金のことです。
以前は、会社員といった事業所や事務所などに勤務する人が対象となっていましたが、平成27年に公務員などを対象とした共済年金と統合されたことで、遺族厚生年金の対象になる方が一気に拡大することになりました。
遺族厚生年金などの「遺族年金」は、元々は夫を亡くした妻を支援するための年金という意味が強いイメージがありましたが、厚生年金の被保険者たる妻が亡くなった場合でも、一定の条件を満たしているときは夫も遺族厚生年金を受給することができます。
この点は、意外に知られていないのではないかと思います。
現在は共働き世帯が多くなっていることもあり、夫だけでなく妻もフルタイムで仕事をしている家庭もそう珍しくはありません。
そのため万が一のために、遺族厚生年金の仕組みなどを理解しておくことが大切です。

遺族厚生年金の支給要件

実際に遺族厚生年金が支給されるのは、以下の条件のいずれかに該当した場合です。

これらのいずれかの条件を満たしていれば、遺族厚生年金を受け取ることができます。

遺族厚生年金を受給するための前提条件

遺族厚生年金を受ける際に、亡くなった方は以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。

ここでの「初診日」というのは、その名前にある通り障害の原因でもある病気やケガ(傷病)について、医師や歯科医師による診療を最初に受けた日のことを言います。
一般的には治療する目的で医療機関を診察した日がこれに該当し、会社などで受ける健康診断は初診日には該当しないとされています。

ただケースによっては、初診日の判定が難しいときもあるでしょう。
実際に受けた診療が初診日として認定されるか判断が難しい場合に、判定については基本的に年金機構が行うことから、不安で分からなことがある方は専門家や年金事務所に相談することをおすすめします。
例えば同じ初診日であっても、以下のような違いもあるのです。

遺族厚生年金の受給額の計算方法

遺族厚生年金の受給額の計算方法

遺族厚生年金の計算方法は、以下の通りです。
具体的には、「平成15年3月までの加入期間部分+平成15年4月以後の加入期間部分」×3/4となっています。
ここでの「平成15年3月までの加入期間部分」は、「平均標準報酬月額×7.125(生年月日に応じた率)÷1,000×平成15年3月までの加入月数」です。

また「平成15年4月以後の加入期間部分」は、「平均標準報酬額×5.481(生年月日に応じた率)÷1,000×平成15年4月以後の加入月数」です。
在職中に亡くなった場合は、被保険者期間が300月(25年)未満であれば、300月とみなして計算することになります。
遺族厚生年金は、中高齢寡婦加算についての理解も必要です。
中高齢寡婦加算というのは、相手に先立たれて遺族になった妻が、遺族厚生年金に40歳から64歳になる前まで加算して支給される有期年金のことです。
中高齢寡婦加算は遺族厚生年金に加算されるのが特徴であり、遺族厚生年金を受け取っていることが条件になります。
以下のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金に対して、40歳から65歳になるまでの期間、1年間に584,500円が加算されます。

遺族厚生年金は税金がかからない?

年金を受給する場合には、気になるのが年金にかかる税金ではないでしょうか。
遺族厚生年金の額によっては税金がかかるのでは、と思っている人もいるかもしれません。
確かに通常の年金には所得税などの税金がかかりますので、不安になる人もいると思います。
しかし、心配する必要はありません。
いわゆる遺族厚生年金など、遺族年金として呼ばれるものには全く税金がかからないのです。
公的年金である国民年金や厚生年金から支給される遺族年金については、所得税や相続税などもかかりません。
この点については、国税庁の公式サイトでも確認できます。

国税庁のWebサイトによると、「国民年金法、厚生年金保険法、恩給法、旧船員保険法、 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、旧農林漁業団体職員共済組合法」に基づいて、遺族に対して支給される遺族年金・遺族恩給については所得税や相続税はかからない、という説明があります。
一般的な国民年金や厚生年金から支給されるもので、この非課税の条件を満たす年金は、「遺族基礎年金」、「寡婦年金」、「死亡一時金」、「遺族厚生年金(中高齢寡婦加算等の加算を含む)」です。
ただその限度額が気になる人もいるかもしれません。
遺族厚生年金の非課税の限度額ですが、実際に非課税となる金額には一切の限度がないのです。
遺族年金に非課税になる範囲などは決まっていませんので、支給される金額の全てが非課税扱いとなります。
たとえ他の年金を受けているときでも、それは同じです。
もちろん老齢年金は所得税の対象になりますが、遺族厚生年金については一緒にもらっていても非課税ですので安心しても大丈夫です。

このページのまとめ

大黒柱である夫や妻が亡くなった場合には、その後の生活で頼りになるのが遺族厚生年金ではないかと思います。
実際にもらえる額は各自変わってきますが、今後の生活の大切な糧になることには違いはありません。
もらえる遺族厚生年金の額が気になる方は、計算方法もありますので自分で計算しておくといいでしょう。

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