年金がもらえるかなんて話題だけどその前に4つのポイントを理解よう!

お金と生活 -Money&Life-

  • トップページ
  • 年金がもらえるかなんて話題だけどその前に4つのポイントを理解よう!

年金がもらえるかなんて話題だけどその前に4つのポイントを理解よう!

1)年金の仕組み

年金の仕組み

現在の日本の年金制度は3階立てになっています。
1階部分は公的年金である「国民年金」、2階部分は職業に応じた上乗せ給付をする「厚生年金」、3階部分は企業や団体が加入する「企業年金」などがあります。
これらの年金について説明していきたいと思います。

国民年金

国民年金は、日本人住んでいる20歳から60歳未満の全ての人が加入します。

加入の仕方は、働き方や暮らし方に応じて分かれていて、自営業者などを第1号被保険者、会社員・公務員などの厚生年金加入者を第2号被保険者、第2号被保険者の被扶養配偶者を第3号被保険者といいます。

年金制度の1階部分となっています。

厚生年金

厚生年金とは、企業に勤めている人が支払い、国民年金に上乗せして受給できる年金です。

国民年金の金額に、厚生年金保険の受給額が加算され、合計金額をもらうことになります。
厚生年金保険の対象者は、主に会社員やサラリーマンなどが挙げられます。

こちらが2階部分。

企業年金

企業年金とは、企業が社員に対して、厚生年金に上乗せ給付を行う制度です。
給付額が予め決まっているものと、そうでないものがあります。
「年金」というと、国が用意してくれたいわゆる「公的年金」を指しますが、企業年金は、国が管理する公的年金とは別に受け取ることのできる年金です。

この企業年金が3階部分となっています。

企業年金には、母体会社とは別の法人として基金を設立し、基金が年金資産の管理・運用、給付を行う「厚生年金基金」、会社が運用の責任を負い運用結果が悪ければ、企業が不足分を穴埋めする「確定給付企業年金」、会社が拠出した掛金を、従業員が自分で運用し、その結果による給付を受け取る「確定拠出年金」の主に3つがあります。

企業年金の他にも公的年金に上乗せできる年金があるので紹介します。

個人型確定拠出年金

「iDeCo(イデコ)」とも言い、最近テレビや雑誌・書籍などでも紹介されるようになり、関心を持つ人も増えてきています。
加入者が月々の掛金を拠出(積立)し、予め用意された金融商品で運用して、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。
60歳になるまで、引き出すことはできません。

いくら積み立てるか、どんな金融商品で運用するか、どのように受け取るか、すべて自分自身で決めることができる制度です。

掛け金は、月額5,000円から1,000円単位で選べます。
掛金は年1回変更可能で、60歳まで積み立てます。

iDeCoの一番のメリットは税金が安くなる優遇があることです。
iDeCoで積み立てた掛け金の全額が所得控除され、所得税・住民税が軽くなります。
年末調整や確定申告を行うことで、所得や掛け金に応じて納めた税金が戻ってきます。

また、運用期間中に得られた利益に税金がかからないのも大きなメリットとなっています。
得られた利益から税金が差し引かれることなく、そのまま運用に回せるので、利益がさらに利益を生んで、雪だるま式に資産を増やすことができます。

国民年金基金

国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金とセットで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。

国民年金に上乗せして厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じます。
この年金額の差を解消するため、国民年金基金制度が平成3年4月に創設されました。

自営業などの方々の年金の2階部分になっています。

国民年金基金は、少ない掛金・自由なプランで始められます。
加入後もライフサイクルに応じて月々の掛金を増減することもできます。

掛金は、全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。

2)国民年金のルール

国民年金は公的な年金制度で、加入が義務付けられています。

「年金なんていらないから払わない」という選択はできません。
そのため、正当な理由なく、国民年金保険料を支払わない場合には、国が強制的に保険料を徴収することもできます。

但し、外国に居住する日本人の方など、「任意加入」に該当する方もいらっしゃいます。
その方々は本人の判断で加入するかを選択することができます。

また、国民年金を受給するための条件として、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて25年以上あることが挙げられます。

3)厚生年金のメリット

厚生年金のメリット
サラリーマンとOL、公務員は2階建て

日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。
サラリーマンとOL、公務員に関しては厚生年金加入者である、第二号被保険者に該当しています。
自営業、主婦の方達の公的年金が国民保険のみになっているのに対し、厚生年金を支払っている第二号被保険者は、年金受給の際、老齢国民年金に上乗せして老齢厚生年金を受給できるため、給付金額が割り増しであると言えます。

サラリーマンに扶養されている妻はお得

第3号被保険者は、第1号、3号と大きく違うところがあります。
それは「保険料負担がない」ということです。

第1号被保険者は国民保険料がかかりますし、第2号被保険者は厚生年金保険料を給料に応じて負担し、その中に国民年金分も含まれています。

一方、第3号被保険者の本人負担は全くの「ゼロ」です。
健康保険の被扶養者とセットですので、年金積み立てと病院にかかる時の健康保険料が無料で済んでしまうということになります。

但し、ここで確認してほしいことがあります。
よく、厚生年金に関しても、扶養者である配偶者が合わせて支払っていると勘違いしている方が多いように思います。
配偶者が支払っているのは、被扶養者の国民年金です。
ですので、サラリーマンの妻が第3号被保険者である場合、妻は、厚生年金を支払っていませんので、受給の際も、被扶養者であった期間の老齢厚生年金は受給されません。

4)公的年金の給付

公的年金には、老後に給付される老齢給付以外にも、障害給付や遺族給付があり、所得の喪失、または、減退に対して給付を行う仕組みとなっていて、高齢者に限らず受給することができます。
ここからは、3つの需給について簡単に解説していきたいと思います。

老齢給付

65歳を越えてから支給される年金のこと。
皆さんがいくらもらえるのか気になっている、いわゆる老後にもらえる年金のことです。
国民年金を支払っていた方がもらえるのが「老齢基礎年金」、会社に勤めていて厚生年金を支払っていた人がもらえるのが「老齢厚生年金」です。

障害給付

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

また、障害年金給付には一定の条件が設けられています。

遺族給付

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

被保険者であった方の、受給資格期間が25年以上あることが必要です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。

遺族年金を受け取るには、亡くなられた方の年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。

以上が年金制度の説明でした。
最後に、みなさんが一番気になっている、老後は結局いくらもらえるの?という疑問について、イメージを持って頂くため、大まかな例を挙げたいと思います。

23歳から60歳まで会社員だった場合

老齢基礎年金→約5万円 老齢厚生年金→約9万円
月約15万円支給

23歳から7年間会社員、それから60歳まで被扶養者だった場合

老齢基礎年金→約5万円 老齢厚生年金→約1万円
月約6万円支給

これはあくまでも、大まかな計算であって、実際には給料額などによって、ばらつきがあります。
実際にいくらもらえるのか、正確な年金額が知りたい場合は、50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」などで確認してください。

最後になりますが、年金制度自体が消滅するということは考えにくいですが、 少子高齢化の進行につれて、年金財政のバランスがより懸念されるようになっています。
負担と給付のバランスについては、定期的に見直しがあると思います。

現在の計算よりも給付が少なくなることも想定しておき、公的年金以外の制度や、資産運用、60歳以上になっても働き続けることができるよう、若い世代は今のうちから準備しておいた方がいいと思います。

これからの仕事は大きく、ものすごいスピードで変化していくと思われます。
個人的には、AIやインターネットの普及によって、単純作業や肉体労働は、機械が代行することによってほどんど無くなり、高齢になっても働き続けることができる時代になると予想しています。

年金は大丈夫なのかと、不安視する声もありますが、今のうちから情報収集をし、行動しておけば、年金だけに頼らず楽しい生活する可能性は大きいと思います。
一緒に、頑張りましょう。

サイトカテゴリー

お金について
貯蓄について
仕事とお金について
結婚とお金について
家と車とお金について
保険とお金について
会社とお金について
老後とお金について
葬儀とお金について