相手に先立たれた後、親の世話はどうする?

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相手に先立たれた後、親の世話はどうする?

いつまでも健康でありたい、誰もがそう願っていると思います。
しかし生き物には寿命がありますので、いつの日か必ず旅立つことになります。
自分もそして親も例外ではなく、いずれは最期の時が訪れます。
相手に先立たれた場合に、残された親の世話について考えておく必要があるでしょう。

1)親の変化を観察する

親の変化?

自分の親が相手に先立たれた際には、まず残された親の様子を観察しておきましょう。
相手に先立たれた配偶者は、そのショックには計り知れないものがあります。
もろちん人によってですが、中にはかなりのショックを受ける人もいると思います。
そのような場合は残された親のショックを理解して、それが長引かないように支えてあげる必要があるでしょう。
これまで長年連れ添った配偶者を病気や事故等で失った親は想像以上のショックを受け、無気力や絶望感等の様々な症状に陥ってしまう可能性があります。

また怒り等の変化以外に食欲不振、不眠、疲労等、数多くの症状に見舞われることもあります。
そのため残された親の変化を、しっかり観察することが大切です。
相手に先立たれてしまった変化をきちんと理解した上で、残りの人生を遺族でサポートしてあげましょう。
死別の悲しみで親が陥る変化は人それぞれですので、遺族の中には理解できない方もいるかもしれません。
親の変化を注意深く観察することで、その症状が分かってくることがあります。
親を毎日観察して日記等に記録したり写真や動画で撮影する等、様々な方法がありますので自分のやりやすい方法を選択しましょう。

2)親のためにこどもができることは?

こどもができることは?

親が死別の悲しみから立ち直るために、こどもができることを紹介します。

① 話を聞いてあげる

最初は、親の話を聞いてあげることが大切です。
まず残された親の話を、口を挟まずにしっかりと聞いてみてください。
配偶者が亡くなり悲しみも多いと思いますが、親はこどもと話すことで気持ちが紛れて楽になることもあるのです。
一緒に住んでいる方は相手の様子を伺い、様々なことを話かけましょう。
また一緒に住んでいない人は、電話やメール等を活用するといいでしょう。
電話やメールがあれば、親に直接会えなくてもコミュニケーションを取ることができます。

② 食生活のケア

次は食生活のサポートです。
家族と一緒に暮らしている場合はいいのですが、1人暮らしをしている時は相手に先立てれてしまうと食事を作る気力さえ失われることがあります。
中でも父親はその傾向が大きいため、尚更しっかり支えてあげる必要が生じます。

父親の中には、これまで家事の経験がない方もいるでしょう。
そんな父親をそのままにしておくと偏った食生活になり、健康に影響を及ぼします。
ですので家族で食事や買い物に行ったり、また楽しみながら食事をしたり等、とにかくワイワイ楽しめる機会を作ってあげることが大切です。
親が遠くに住んでいる方は、家族全員で協力して食生活をサポートしましょう。

③ 税金、保険等の各種手続きを手伝う

残された親は、これから様々な手続きをする必要が生じます。
1人だと分からない点も多いと思いますので、家族で協力して手伝いましょう。
特に税金や保険は面倒な点が多いため、どのような手続きが必要なのか前以って確認しておくといいでしょう。
公的機関等、各種の手続きや届け出等も、残された家族で手助けすれば早く片付きます。
配偶者と死別した後の親は、高齢になるほどそのような事務処理に大きなストレスを感じます。
一致団結してサポートしてあげてください。

3)具体的にどんなことで困る?

残された親は、これからの生活で様々な問題点が出てきます。
そのためどのようなことがあるのか、事前にまとめておくといいでしょう。
具体的には以下の事例が挙げられます。

① 相談相手

家族と一緒に住んでいる方ではなく、1人で暮らしている親は話し相手や相談相手がいません。
時間を作って親の家を訪問したり、メールや電話等を頻繁に行って連絡してみるといいでしょう。
可能であれば一緒に住むことが理想ですが、残された親にもそれぞれ意思があります。
今までの暮らし方を今後も続けたい、という親も少なくありません。
たとえ配偶者が亡くなっても健康面に問題がなければ、これまでの生活スタイルを維持したいという高齢者が多いです。
ですので、こどもは親の本音をきちんと理解してあげることも大切です。

親が元気な状態であれば、あえて同居を申し出さず時々親の顔を見に行ったり、困った時に手助けする方がいいでしょう。
しかし親が同居を希望している場合には、その願いを聞いてあげる方がいいかもしれません。
いくら体が元気であっても、人によっては話し相手や相談相手がいなくなり、寂しい気持ちになる人もいます。
また残された親が要介護の状態や経済的な事情等で、1人での生活が困難な方もいます。
決して親任せにはせず、積極的に同居を申し出ることも必要かもしれません。
何かあってからでは遅いので、早めに対処することが大切です。
そしてこどもが数人いる場合は、親をどのような形で支援していくのか協議して決めておきましょう。

② 住まいの手入れ

親が1人で住んでいる場合は、住まいの手入れも必要です。
部屋の掃除、庭の手入れ、ペンキ塗り、電球交換等、様々なことがあります。
高齢の親の中には体が弱っている人も少なくありませんので、きちんとサポートしてあげてください。
特に高いところでの作業は危険が伴いますので、家族でカバーしてあげましょう。

③ 食生活

1人で暮らしている親は、毎日の食事にも注意する必要があります。
1人になって料理を作る気力がなくなったりすることもありますので、交代で食事を作ってあげる等のケアが必要です。
父親は料理の経験がない方も少なくありません。
料理の経験がない人に、いきなり作れと言っても戸惑うでしょう。
料理の作り方を教えてあげるといいかもしれません。

また家族全員で食事に行く機会を設けるのもいいでしょう。
家族全員で楽しむことで、これまでの悲しみが和らぐこともあります。
ですので時間を作って誘ってみるのも、重要なことと言えます。
毎日の食生活は健康にも影響してきますので、こちらも家族全員で支えてあげてください。

④ 収入

残された人生を暮らしていくためには、収入は大切です。
特に父親等、働き手が亡くなった場合は注意する必要があります。
「年金があるから大丈夫では?」と思っている方もいるでしょう。
確かにもらえる年金の額が多ければ、それで暮らしていけるかもしれません。
しかしすべての方が該当するわけではありません。
母親の中には遺族年金では生活できない人もいますので、足りない分の生活費を援助してあげる必要があります。

⑤ 健康状態

1人暮らしになると健康の面も心配になります。
これまでの疲労感、睡眠障害、食欲不振、病気、ケガ、便秘等が起こりえますので、元気で暮らしているか定期的に確認しましょう。
かかりつけ医にも相談しておくといいでしょう。

⑥ 心の変化

残された親は、心の変化にも注意してください。
怒り、無気力感、後悔、絶望感、罪悪感等、人によって感じ方は様々です。
こちらも定期的なケアが必要です。

相手に先立たれた親の世話については、家庭の事情によって異なります。
同居や頻繁に会う等が良いですが、大切な点は親の変化を観察することです。
そこから様々なことを察することができますので、可能であれば毎日観察できるような環境にしましょう。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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