形見分けに添える手紙やお礼は必要か

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形見分けに添える手紙やお礼は必要か

故人の遺品を形見分けする際には、形見分けのマナーを守ることが大切です。
一般的にマナーと言われるものとしては、遺品に添える手紙やお礼状、実際に渡せるものなどが挙げられます。
実際に形見分けを行うことになった時、事前にマナーを確認しておくことはとても大事です。

形見分けに添える手紙

形見分けに添える手紙

故人の遺品を形見分けとして相手に渡す場合に、その形見分けと一緒に、遺族として手紙も添えたほうがいいのかは悩むところです。
渡す相手が、故人や遺族との関係性なども影響してきますが、手渡しするのであれば特に必要はないでしょう。
どうしても添えたい方は、遺品と一緒に渡すのもいいと思います。
形見分けは、本来であれば四十九日法要など親戚一同が集まる場で手渡しで行うのが一般的です。
四十九日法要などで集まった方々が、それぞれが気に入った物を持ち帰るのが形見分けの意味であり、もしお気に入りの物がなければ、その場で辞退することもできるのです。
そのため遺品に手紙を添えるのは、かえってその相手に失礼にあたることもあるでしょう。

ただし四十九日法要の日などに、都合によって出席できない方へ遺品を郵送される際には、手紙を添えたほうが相手は分かりやすいと思います。
その場合の手紙の内容ですが、書き方が分からない人は下記のような例文を参考にするといいでしょう。

「前略 ご尊家ご一同様には益々ご清祥のこととご拝察申しあげます 先般 父○○のご葬儀の際には 鄭重なるご会葬 ご弔問を賜り、且つ過分なる御香料 ご供花 お供物などを賜り誠に誠にありがたく御礼を申しあげます 皆様のお陰を持ちまして 葬儀万端滞りなく相済ますことが出来ました これも偏に皆様のご厚情のお陰と深く感謝申しあげます(中略) この度は生前に父が作った陶芸品を送らせて頂きました 皆様方に大切にご使用いただくことが何よりもの父の供養になると思い 甚だ勝手で失礼かとは存じますが ご自宅で使用していただければ幸いと思います 本来であれば早々に拝眉の上御礼申しあげるのが本意ではございますが 書中をもちまして謹んで御挨拶申しあげます 早々 令和○○年○月 喪主 ○○○○」などです。

このように形見分けではなく、陶芸作品を是非使ってもらいたいという気持ちを全面に出すといいかと思います。

形見分けにお礼は必要?

故人の遺品を形見分けとしと受け取った側は、その形見分けに対してお礼やお返しをするべきなのか、またはお礼の手紙を書くべきなのかという点は、悩みどころでもあるでしょう。
こちらも生前の故人との関係性にもよるのですが、基本的には形見分けに対するお礼は不要です。
もちろん一概に言えませんが、一般的にはお礼は必要ないとされています。
故人の死は元々不慶事でもあり、さらに形見分け自体はプレゼントではないからです。
そのため基本的にはお礼は必要ありませんが、どうしてもお礼をしたいと思う人もいるはずです。
お礼をしなければどうしても気が済まないという方以外は、止めたほうがいいのですが、どうしてもという方は手紙やお礼状を送ったり、お供え物などを持参するといいでしょう。
この時に持って行くお供え物としては、お墓や仏壇など手向ける供花やお線香、ロウソクや果物などがおすすめです。

形見分けとして現金を贈る

形見分けとして現金を贈る

形見分けとして贈る物は色々ありますが、現金を贈りたいという遺族もいるはずです。
その場には、マナー的にはどのようにして相手に渡せばいいのでしょうか? もし形見分けを現金で行う場合は、無地の白封筒を使用しておくほうが無難です。
白封筒の中に現金を入れた後、「特に形見分けしてお渡しすべきものが見当たりませんので、こちらをお受け取りしていただけると幸いです」など、一言だけでも手紙などを添えておくといいでしょう。
このような形で行う人もいますが、形見分けというのは元々故人が生前に愛用していた品物などを故人との関係性が深いなど、親しい人たちに分けるのが目的です。
形見を分けたことによって、これまでの故人との思い出を忘れないように、大事に育んでいく習慣や風習などから誕生したものです。

そのため形見分けを現金で行うというのは、本来の趣旨からズレていることになります。
ただし昨今のように物が豊富に溢れている現代社会においては、生前に故人が使用していた物をそのままの状態でいただくことに抵抗を感じたり、たとえいただいたとしても特に使い道がなかったりなどと考える人たちが多いのも実情です。
そういう背景もあって、形見分けを現金で行う人もいます。
形見分けを現金で贈る際には受け取る側の心理的な負担を考えることも大事であり、大きな負担にならないように高額を渡さないこともマナーと言えます。

形見分けを現金で贈る側のマナー
①包装の仕方

現金を形見分けとして贈る際には、いくつかマナーがありますので確認しておきましょう。
まず注意点として言えるのは、包装方法に関して知っておくという点です。
基本的に現金の渡し方は様々であり、どのように包装して贈るかという明確な決まりやルールはありません。
そもそも形見分けそのものは贈り物ではありませんので、品物を包装する必要はないのです。
だからと言って、現金をそのままむき出しで相手に渡すのは失礼にあたります。
現金で形見分けを行う際は、無地の白封筒に入れて渡すのが一般的です。
もちろんその他の封筒でも構いませんが、あまり派手なものは控えるようにしましょう。
そして渡す金額は、受け取る側の心理的な負担を考慮して、一般社会で適度な額を渡すようにしてください。

②相続税や贈与税

形見分けとして現金を贈る場合に気をつけておきたいことは、相続税や贈与税が掛からないようにしっかり確認することです。
遺族側は単なる気持ちとして現金を贈ったとしても、その額によっては税金が掛かってしまい、予期せぬトラブルに繋がる可能性があります。
形見分けの有無に関係なく、遺品などの価値として認定されれば相続税が課せられるのです。
そのため現金で贈る際には、税金についても確認しておくことをおすすめします。
税金については税理士や、ネットなどで調べることができます。

現金で形見分け受け取る側のマナー

遺族から形見分けとして現金をいただいた時は、そのまま受け取るのがマナーになりますが、どうしても受け取れないというような事情があれば、丁重にお断りしましょう。
そして形見分けをいただいた際のお礼も、気になる点ではないかと思います。
「せっかく現金をいただいたのでお礼をしなくては」という人もいるでしょう。
その気持ちも分かりますが、形見分けは贈り物ではなく弔事ですので、基本的に手紙やお礼状は必要ありません。

これは現金であっても同じことなのです。
ただ現金の場合は、そうはいかないこともあります。
本来の形見分けというのは、遺族からいただいた遺品を大切に使用することが、故人を偲んだりするなどの最大のお礼になりますが、現金の場合は難しいケースが多いのです。
そのため形見分けとして現金をいただいた時は、故人のことを思い出させてくれるような商品などをお礼として贈るのもいいかもしれません。

この記事のまとめ

形見分けを贈る場合には、手紙を添えるのかということが気になる点ですが、手渡しする際は特に必要ありません。
また形見分けをいただいた時は、その品物に対するお礼を贈る必要もないのです。
形見分けとして現金を贈る際は、相手方の心理的負担を考慮することを忘れないようにしましょう。

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