末期の水のタイミングや他の宗教の状況

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末期の水のタイミングや他の宗教の状況

故人とのお別れの際に行われる「末期の水」は、そのタイミングや回数に迷う人もいるかもしれません。
またキリスト教や神道など、他の宗教についても気になるところです。
末期の水のタイミングや、他の宗教の状況などを紹介します。

1)末期の水のタイミングや回数は?

タイミングや回数?
葬式までの流れ

末期の水の前に、まずは葬儀までの流れを知っておきましょう。

① 死亡診断書の受け取り

死亡診断書は、市役所など死亡届を提出する際に必要です。
また死亡届の手続きが終わった後は、火葬許可証を受け取ります。

医療費の支払い

病院の医療費は故人が亡くなった日、あるいはその翌日に支払います。
また最近は振込みする人も少なくありません。

末期の水

ここで末期の水の儀式を行います。
末期の水は、遺体に対する初めての作業になります。

お清め

末期の水が終わったら遺体を清めます。

ここではアルコールやお湯などで体を拭き、鼻、耳、肛門などに綿を詰めていきます。
着替え

遺体を死化粧して死装束にします。
白装束に着替えさせた後は髪の毛を整え、爪を切ったり髭を剃ったり、女性は薄化粧をしたりします。
また遺族の中には、故人が生前に気に入っていた服を着させる人もいるようです。

安置

遺体を自宅に迎えた後は、北枕に安置して顔に白い布をかぶせます。
このときは線香などを供えて枕飾りをすることが多いです。

納棺

着替えなどが終わった後は、遺体を棺桶に移します。
ここでは故人が愛用していた品物や、好きな食べ物などを添えます。

お葬式

そしてお葬式が始まります。

末期の水の回数やタイミング

末期の水は、亡くなった方の口元を水で潤す儀式のことであり、そのタイミングは③になります。
これは「死に水をとる」行為と同じ意味です。
以前は臨終の際に遺族が行うことが多かったですが、現在では亡くなった方に箸の先に脱脂綿などを巻いて行っています。
水で湿らせた脱脂綿を口元まで持っていき、サッと拭いてあげます。
ここでは主に割り箸を使用し、故人が生前に愛用していた茶碗などに水を入れるのが一般的です。

具体的には、新しい割り箸に巻いた脱脂綿やガーゼに水を含ませ、その場にいる近親者が交代で行うことになります。
順番は故人との血縁が近い方から、その場にいる全員が順に実施します。
なおこのときの回数は、それぞれ1回ずつ行います。
そして故人が浄土真宗や、キリスト教徒など他の宗教の場合は末期の水をしませんので注意しておきましょう。
また病院や葬儀会社のスタッフにも、その旨を伝えておく必要があります。
このように末期の水は宗派によって異なります。
さらに末期の水はそれぞれの地域や家庭などによっても変わりますので、事前確認は怠ってはいけません。

2)キリスト教に末期の水は行うの?

仏教では末期の水の儀式がありますが、キリスト教の場合はどうなるのでしょうか。
キリスト教は大きく、カトリック系とプロテスタント系に分かれます。
そのいずれもがお葬式では大切な儀礼がいくつか存在していますが、カトリックは伝統的な儀式が多く、プロテスタントは自由な儀式が多いです。
仏教や新道などとは異なり、キリスト教ではお葬式よりも如何に死を迎えるか、その内容を重視しています。
家族がご臨終の際、カトリックではまだ意識のあるときに神父が、プロテスタントでは牧師がその場所に立ち会い神に祈りを捧げながら、その時を待っているのです。
キリスト教では仏教のように死は終わりではなく、天上にいる神様から地上で起こした様々な罪が許されるときとされています。
そこで永遠の安息を得ることができる、というのが教義です。

キリスト教で行う葬儀は元々は信者とその家族が対象となっており、教徒はそれぞれ自分たちが居住している地域や洗礼を受けた教会に属しています。
そのため教徒信者が危篤になったときは、まずその教会に連絡して神父や牧師に来てもらいます。
そしてお葬式自体も教会単位で行っており、他の信者たちが手伝だったりお見送りをしています。
以上がキリスト教のお葬式ですが、末期の水はキリスト教では行われません。
末期の水に当たる儀式は該当せず、他の儀式が行われています。
教会によっては聖体拝領という儀式を行っており、これはキリストの血や体を象徴でもある赤ワインとパンを分配する儀式になります。
全体的に、教会、宗派、牧師や神父など、それぞれの考え方によって変わります。

3)神道における末期の水

神道における末期の水
神道の末期の水

神式の葬儀は、古来より日本で行われていたお葬式が基本になっています。
新道の場合は仏式と似た点が多いのが特徴であり、これは中国から日本に伝来した仏教が全国に広まっていく中で、神式の葬儀が生まれていったとされています。
さらに各地で伝統的に行われていた戯葬送の形に合わせる過程で、仏式の葬儀法が形成されていったとも言われています。

神式の葬儀は、神社神道の祭祀の「神葬祭」の儀礼を言います。
神社神道というのは神社本庁が包括している、全国の神社で実施されている祭祀儀礼が中心の信仰のことです。
これは天理教や金光教といった、神道系教団の教派神とは異なります。
そしてこの神道における末期の水ですが、こちらのお葬式でも行われています。
神道の場合は死を穢れと捉える習慣があり、穢れを祓う意味も込めて末期の水の儀式を行っています。
なお新道では仏式のような綿棒ではなく、榊の葉を用いるのが正式な方法になっています。

神道の葬儀の手順

神道の葬儀の手順は、以下の通りです。

末期の水、死化粧、死装束

末期の水や死化粧については、仏式と同じような内容で行います。
神式の死装束は正式には白の小袖になっていますが、現在では寝巻や故人がよく使用していた着物などを着用させることが多いです。
そしてその上に、小袖の死装束をかけるのが一般的になります。

神社への依頼

神道では、人が誕生した土地の守護神を産土神と呼んでいます。
そして故人の霊魂は肉体を離れた後はそのまま産土神の森に帰っていき、最終的には守護神になって子孫を見守ってくれるとされています。
神式のお式は、元々は故人の産土神に対して実施していますが、故郷が遠方地にあるときは氏神に対して行います。
臨終を迎えた際に、神官に連絡して通夜や葬儀の依頼をして日程などを決めていきます。

帰幽報告の儀

これは神棚に向かい、家族の死を報告する儀式のことです。

神棚封じ

帰幽報告の儀が終わった後は、神棚の扉を閉めて白い半紙を張ります。
これがいわゆる神棚封じのことで、死と神棚を分けるための大切な儀式と言えます。
また通夜から葬儀まで、灯明やお神酒を供えることはありません。

遺体安置

遺体を安置する部屋は殯室と呼ばれており、ここでは遺体を棺に納めて賓客として遇します。

枕飾り

仏式と同じように、遺体の近くに枕飾りを設置します。

枕直しの儀式

これは仏式の枕経であり、枕飾りを設置した後に灯明を灯して遺族や親族が礼拝を行います。
このときの礼拝ですが、「二礼拝二柏手一礼拝」が基本になります。

末期の水は、そのタイミングや回数などを理解しておくと後にスムーズに執り行うことができるでしょう。
またキリスト教や神道など宗教によっても変わってきますので、儀式の方法や必要となるものを調べておきましょう。
末期の水は故人との血縁が濃い方から全員が順に実施しますので、自分の順番も確認しておきましょう。

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