エンゼルケアとエンバーミングの違い

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エンゼルケアとエンバーミングの違い

遺体処置の方法としてはエンバーミングの他にエンゼルケアもありますが、これらはどう違うのでしょうか? またエンバーミングと火葬との関係についての理解も必要です。
葬儀などの準備などで忙しい時期ではありますが、その点についてもしっかり確認しておきましょう。

エンゼルケアとエンバーミングの違い

違い?

エンゼルケアとエンバーミングは似ているものですが、それぞれに特徴があります。
お互いにどういったものかを知っておきましょう。

エンゼルケアについて

エンゼルケアというのは、遺体をキレイにするのが目的で行われています。
家族が病院で亡くなった際に、その遺体に対して看護師が清拭などを行います。
遺体の顔や首、体、手足などを消毒した脱脂綿などで丁寧に拭き取り、その他にも口、鼻、耳、肛門といった穴がある部分から体液など出てこないように、脱脂綿をも用いて塞いだりします。
そして目や口を閉じるなどの処置も、エンゼルケアに含まれています。
性別に関係なく行うことができるのが特徴であり、口紅や白粉、頬紅などのお化粧を施して、外見がキレイに見えるように仕上げてもらえます。

エンゼルケアは亡くなった方の遺体をキレイにするのが目的ですが、病気や事故や闘病生活によってやつれた顔や損傷した顔などの復元には対応していません。
エンゼルケアというのは、あくまでお葬式が終わるまでの応急処置と見ておいた方が良いでしょう。
そして全額自己負担が基本となっています。
死後の身体に行う処置というのは、国の健康保険は適用されません。
そのため実際のケアにかかった費用は、全額遺族が負担をすることになります。

公立病院の中には独自の料金設定を行っているところが多く、その料金も様々です。
安いところは数千円程度、高い場合は1万円を超えるところもありますが、その中には無料で処置してくれる病院もあるようです。
また私立病院では1~10万円とその金額には幅があり、適正金額が定まっていないのが実情です。

エンバーミングについて

エンバーミングは、故人に生前の面影が残るように処置するのが特徴です。
また保存期間が長いのも特徴にあり、2週間~50日など意外に長い期間の保存が可能です。
そのため故人との最期のお別れも時間に追われることなく、余裕を持って行うことができます。
エンバーミングの技術は海外で確立したものですが、遺体の殺菌や消毒、防腐処置を行うことで遺体の保存期間が劇的に長くなりました。

そのため日本では1人暮らしの人が死亡した場合など、時間の経過によって遺体の損傷が激しいときの復元をするために行われることも少なくありません。
実際の処置は遺体をキレイに洗った後に全身から血液を抜き、体内に防腐液を入れるのが一般的です。
この処置で腐敗を防止でき、生前の頃と比べて変わってしまった表情及び事故やケガなどで損傷した部分をキレイに復元します。
エンバーミング処置によって腐敗が進まなくなるため、遺族は火葬に合わせて葬式を行う必要もなくなります。

遺体処置の方法としてドライアイスを用いることもありますが、この方法であれば遺体の腐敗を保つのは1週間程度が限界と言われています。
それに対してエンバーミングは腐敗の進行が遅いのが特徴ですので、葬式も時間にゆとりを持って行うことができるのです。
気になる費用ですが、こちらもエンゼルケアと同様に健康保険の適用がありませんので全額自己負担になり、しかも料金が高いのが特徴です。
1回のエンバーミング処置で必要な金額は、材料費や人件費などの負担が大きいことから、15~20万円と料金は高くつくことが多いです。

火葬とエンバーミングの関係

関係?

エンバーミング処置を施すことで遺体がキレイになり、故人との最期のお別れも時間に余裕を持って行うことができます。
このようなメリットがありますが火葬がメインである日本にとって、遺体の長期保存を行うためのエンバーミングはあまり必要ないなどの意見もあります。
確かにそれも分かりますが、遺族の中には遺体をキレイに整えたいという希望が多いのも事実です。
そのためエンバーミングも、大切な遺体処置の一つとして見ておくことが大切です。

現在はまだエンバーミングについての法律が整備されていないこともあり、日本での処置については国内ではなく外国の規格を基準にすることが多いです。
その反面エンバーマーの養成機関が出てくるなど、日本でもエンバーミングの認識や認知度が徐々に高まっている気配を感じ取ることができます。
感染症の防止や遺族に対するケアなど、エンバーミングはとても大切な役割を担っていると言えます。
そのため日本でも、今後はエンバーミングが必須の行為になる時代がやって来る可能性があります。

エンバーミングを行う為に許可は必要?

エンバーミングを行う際は、専門家であるエンバーマーが行います。
エンバーマーは医学、解剖学、微生物学などの専門知識学び、さらにそれに加えて葬儀の知識も必要です。
しかしエンバーミングはとても大切な行為ですが、日本では公的な資格制度は樹立されていません。
日本遺体衛生保全協会「IFSA」が認定しているエンバーマー養成機関で基礎を学び、知識の習得や研修を行った者がエンバーマーライセンスの資格試験を受けることになります。
そして試験に合格すると、晴れてエンバーミングの有資格者になるのです。

そのようなこともありエンバーミングを行うために、特に国などから許可を取る必要はありません。
エンバーミングを希望する場合は専門のエンバーマーに直接依頼をしたり、在籍している葬儀会社などに申し込みをすることになるのが現状です。
現在エンバーミングは、欧米では医師と同じように大切な行為の一つとされています。
そのためエンバーマーになるために大学で専門のライセンスを取得し、国家試験や州が実施している試験に合格してライセンスを取得を目指す人が大勢います。
日本の場合は、現在のところ2校のエンバーマー養成カレッジが存在します。
そこでエンバーマーの教育養成を行っており、合格するとIFSAがライセンスを発行してくれます。

エンバーミングは葬儀屋に頼むの?

エンバーミングには遺体の長期保存や感染症の防止など、様々なメリットがあります。
遺体を取り扱う際は、特に感染症が心配です。
エンバーミングは見た目の修復作業はもちろん、それと同時に防腐処理も施してくれます。
そのため感染症の予防もできるのがメリットです。
このエンバーミング処置ですが、申し込みする際は専門のエンバーマーや葬儀会社に依頼することになります。

葬儀会社では様々なサービスを行っており、その中にエンバーミングもあります。
そのためサービスを希望する方は、その内容を確認しておくと良いでしょう。
また葬儀会社では様々な相談サービスもしていますので、不安な方はエンバーミングについても訪ねてみることをおすすめします。
さらにはネットにも様々な情報がありますので、そちらもチェックしておきましょう。

遺体処置の方法にはいくつかありますが、その中でもよく行われているのがエンゼルケアとエンバーミングです。
これら両者の大きな違いは、遺体を長期保存できるかにあります。
エンバーミングは長期保存が可能ですが、エンゼルケアは葬式が終わるまでの応急処置的な面が強いです。
またエンバーミングを行うための許可は必要なく、希望する場合は葬儀屋さんなどに頼むことになります。

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