公正証書で遺言書を作成する際は公証人に相談

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公正証書で遺言書を作成する際は公証人に相談

相続というと遺言書をイメージする人も多いと思いますが、遺言書には公正証書で作成する方法もあります。
その場合は公証人役場に出向き、公証人から遺言書を作成してもらうことになります。
公正証書で遺言書を作成する際は、公証人に相談して行うといいでしょう。

1)公証人の役割

公証人の役割?

遺言書を公正証書で作成する場合には、公証役場にいる公証人から作成してもらうことになります。
公証人というのは、法務大臣から任命された公正証書の作成者のことです。
法律の実務に深い関係のある人たちから選ばれ、法的に有効性のある遺言書作成のサポートをしてくれます。
その公証人が在籍している役所が公証役場であり、これは全国に存在していますのでそれぞれの地域でお願いすることになります。
また公証人が作成してくれる遺言書が公正証書遺言であり、実際に作成した遺言書は公正証書として、作成した公証役場で保存してもらえます。

公正証書遺言書について

公正証書遺言を作成する際はその内容は公証人に伝え、公証人はそれを基にして書類を作成してくれます。
そのため自筆証書遺言のように、自筆で遺言書を作成する必要はありません。
その一方で自筆証書遺言については、その全文を自筆で記入しなければいけません。
作成するのが面倒臭いからと言って、パソコンなどを使用して書いたり代筆を依頼したりできないのが特徴です。

遺言書というのは遺書とは異なり、書式や要件などが厳格になっています。
そのため素人には、その作成が難しい面もあるでしょう。
公正証書は法律のプロがその内容を確認してくれますので、不安な方は相談することをおすすめします。
ただ公正証書遺言書については、例えば訂正の仕方が異なるだけでも無効になるケースもありますので、十分に注意する必要があります。

家庭裁判所の検認は必要はない

自筆証書遺言書は様々な原因などによって紛失したり、他の相続人から破棄されたりする可能性があります。
一方で公正証書遺言の場合は公証役場に公正証書として保管されることになるため、公正証書遺言を確認する際も原本でなく、その写しを発行してもらうことになります。

また公正証書遺言書は、家庭裁判所の検認がいらないというのも特徴です。
公正証書は事前に公証人のチェックを受けていることもあり、法的な有効性が認められています。
そのようなこともあり、家庭裁判所での検認事務も必要ないのです。
それに対して自筆証書遺言の場合は、それを発見したときに家庭裁判所の検認を受ける必要があります。

公正証書遺言作成の手順
公正証書役場に出向く
公正証書遺言を作成する際は、最初に公証役場に出向きます。
公証役場に行けない場合は、出張してもらうこともできますので相談してみましょう。
公証人との打ち合わせ
公証人役場に着いたら、打ち合わせを行います。
手続きをスムーズにするためにも「遺言の内容整理」、「証人の確保」、「必要な書類の収集」の3点の準備をしておきましょう。
遺言書の作成
遺言書の内容に特に問題がなければ、公正証書遺言書を作成します。

遺言は相続に対する重要な書類ですので、あらかじめ遺言内容を整理しておくことをおすすめします。
そうすれば本番の手続きもスムーズにいくはずです。

公正証書遺言書の作成に必要な書類

公正証書遺言書を作成する際に必要な書類は、以下のものとなります。

2)故人の遺言書の存在を調べる

被相続人が亡くなった後に、遺言書が存在するのかを調べる必要があります。
生前に被相続人が遺言書を作成しているのであれば、様々なところに保管している可能性があるでしょう。
そのため相続人全員で、思い当たる場所を探してみることから始めます。
また公正証書遺言であれば、公証役場の検索システムを活用できます。
公正証書で作成した遺言書(公正証書遺言)は、平成元年以降のものであれば日本公証人連合会の遺言書検索システムを利用できます。

このシステムを活用することで調べることができますので、試してみてはいかがでしょうか。
ちなみにこの遺言書検索システムは、日本全国にある公証役場が対象になっていますので、最寄りの公証役場からの検索も可能です。
しかし遺言書検索は、亡くなった方の遺言書の検索のみに限られます。
検索によって故人が生前に、公正証書で遺言書を作成したのかがすぐに分かります。

3)残された親の今後

残された親の今後

被相続人の死亡によって残された親は、今後は様々な手続きを行うことになります。
故人名義の不動産などがある場合はその名義変更を、銀行預金口座がある場合はそちらの名義変更も行うことになるのです。
被相続人にたくさんの借金があるなどの理由で相続放棄を行えば、その後は借金の支払い義務はなくなりますが、それを承知で相続を受けた場合には生前に故人が残した借金の支払いも受け持つことになります。
他にも様々な手続きがありますが、忘れてはならないのがメンタルケアです。
大切な配偶者が亡くなって精神的に参っていると思いますので、残った人たちでしっかり支えてあげることが大切です。
また相続における手続きについては弁護士や司法書士、行政書士など法律の専門家にお願いするのもいいでしょう。

4)任意後見とは?

任意後見というのは、被相続人が判断能力を有していた際に契約した事項について、将来自己の判断能力が不十分になったときの事務を行ってくれる制度になります。
この被相続人の事務を代行してくれる方を、任意後見人と呼んでいます。
任意後見制度というのは、被相続人の事務手続きを事前に契約で決めておく制度のことです。
なお任意後見制度では被相続人が事前に選任した任意後見人について、家庭裁判所が選任した任意後見監督人を介して監督することになります。
任意後見監督人は、被相続人が選任した任意後見人がしっかりと仕事をしているのかをチェックしてくれます。

また急迫の事情がある場合は、任意後見人の代理権の範囲内で必要な処分を行うことも可能です。
そして任意後見契約を締結する際は、一身専属的な権利(結婚、離婚、養子縁組など)について、その契約の中に入れることはできません。
任意後見制度を利用する場合は、必ず公証人役場に出向いて公正証書を作成する必要があります。

公正証書の作成にかかる費用は、次のようになっています。

これ以外にも遺族に交付する正本などの証書代金や、登記嘱託書を送る郵送代金が必要になります。

これらの費用については、最寄りの公証役場に問い合わせてみると良いでしょう。
任意後見制度は手続きが複雑な面もありますので、事前に弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談することをおすすめします。
法律の専門家であれば、手続きについて様々なアドバイスをしてもらえるはずです。
相談は無料のところが多いので確認をしておきましょう。

遺言書にも様々な種類がありますが、公正証書遺言書もその中の1つとして存在します。
公正証書遺言書を作成するときは、公証役場に出向く必要が生じます。
相続にはその他の事務的な作業もありますので、事前に準備しておくとスムーズにいくでしょう。

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