香典返しにまつわる疑問を解決

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香典返しにまつわる疑問を解決

お葬式では多くの人が参列される際に、香典を頂戴します。
もちろん人によって香典の額は異なり、参列者数が多くなればなるほど金額も増えていきます。
そのため遺族の中には、香典返しのことが気になる方も多いと思われます。
その香典返しの内容などを紹介します。

1) 香典返しの金額の目安は?

香典返しの金額?

お葬式では多くの人から香典をいただきますが、そのお返しに関しては頭を悩ませるかもしれません。
最も気になるのがその金額であり、香典返しの相場は地域によって異なります。
ただ大体の目安もあり、実際にいただいた額の半分程度をお返しする「半返し」が一般的とされてます。
この半返しは、昔の葬儀では実際にいただいた香典のうちの半分程度の額がいつも残っていました。
そしてその半分を、これまでお世話になった方たちにお返ししたり菩提寺などに寄進しており、それが半返しの由来になったとも言われています。

いただいた香典の半額をお返しするのが一般的と言われ、地域によってその額は異なります。
例えば東京の場合は半返しを行うことが多い一方で、大阪の場合は3分の1返しが相場とされています。
しかし現在では全国から参列者が訪れることも多くなり、さらに半返しが全国的に広まっていることもあって、その差もなくなってきているようです。
そのため東と西など単純に分けて決める必要はなく、従来通りに半返しが基本と見ておけばいいでしょう。
香典返しにはこのような大まかな目安がありますが、それでも親族や地域内のしきたりを重視している方もいます。
ですので実際に香典返しを行う際は半返しを考慮しつつ、地元の人たちや家族に前以って確認しておくことをおすすめします。

2) 即日返しとは?

香典返しを即日に返す場合はどうなるのでしょうか?
これまでと同じように、半返しや3分の1返しなどで問題がないのか気になると思います。
いわゆる「即日返し」ですが、この即日返しでは2000~3000円程度が目安とされています。
最近では葬儀の日にそのままお返しする、即日返しの方法を行うケースも増えてきているようです。

香典返しの金額については、実際にいただいた香典の額によって異なります。
即日返しをする場合には、基本的にいただいた額は分かりません。
そのため香典の相場などと照合して、その相場の額に見合った品物をお渡しすることが多いです。
実際の相場としては、故人が肉親以外のケースでは5000~1万円程度が相場と言われています。
即日に返す場合は、2000~3000円程度が目安になります。
ですので当日に返す際には、2000~3000円程度の品物を選定しておくといいでしょう。

例えば当日に5000円の香典をいただいた場合は、葬儀当日に2000~3000円程度の品物をお返しすれば、半返しと同じになります。
ただし実際にいただいた額が想定より多かった時には、当日分だけでは足りないことになります。
そのため四十九日の法要が終わった後に、改めて追加の品物をお渡するようにしてください。
即日返しはケースバイケースですので、様々な面を想定して準備しておくといいでしょう。

3) 香典返しをしない場合なんてあるの?

香典返しをしない?

お葬式で香典をいただいた時には、当日または後日に改めて香典返しを行うのが一般的です。
しかし人によっては、香典返しをしないケースも出てきます。
香典返しをしないケースとしては一家の大黒柱が亡くなった場合や、いただいた全額を福祉施設や故人の事業などに寄付をした場合などが考えられます。

その他にも葬儀を行うに際して、事前に香典や供物などをお断りする旨を明示した場合も該当します。
以上のようなケースの場合は、特にお返しをする必要はありません。
このようなケースも実際にはあります。
しかしそのような場合でも、挨拶状は参列者全員に郵送するようにしてください。
それぞれの家庭で事情があるとは思いますが、この挨拶状によって近況などを報告することはお葬式のマナーでもあるのです。
いただいた香典の全額を寄付した場合には、挨拶状の文面に「どこに、どのような趣旨で」寄付したのかを明確に表記しておくといいでしょう。

またその寄付が故人の遺志であった場合には、その旨もきちんと書き添えておいてください。
香典を寄付する場合は、寄付を行った福祉施設等から感謝状や受領証が自宅に届きます。
ですので、それら感謝状等のコピーなどを添付するのもいいかもしれません。
そうすることで挨拶状を受け取った方たちも安心できると思います。

4)香典返しに添える忌明けの挨拶状の例

葬儀の席で香典をいただいた場合、基本的にはいただいた方に礼状を出す必要はありません。
たとえ相手が親しい間柄の方であったとしても、香典を間違いなく受け取ったという確認の連絡をしたい方もいるはずです。
その場合は、葬儀から少し日が経過してから相手に連絡してください。
また挨拶状を送る際には、雛型を参考にするといいでしょう。
ちなみに忌明けの挨拶状文例には以下のものがあります。

仏式の挨拶状の文例

○○家御一同様には、愈々ご御清祥のことと御慶び申し上げます。
先日は、母○○○○死去の節には御多忙中にもかかわらず参列してもらい、誠に有難く厚く御礼申し上げます。
お陰をもちまして、本日四十九日忌法要を営みました。
早速、御礼を申し上げるべきではありますが、略儀ながら書面をもちまして謹んで御挨拶申し上げます。

神式の挨拶状の文例

謹啓、このたびは益々ご清祥のことと存じあげます。
先般は、母○○○○死去の節はご丁重なご弔問を頂き、誠に有難く御礼申し上げます。
本日、五十日祭に際し、心ばかりのお品をお届け申し上げました。
御受納下さいますれば幸いに存じます。

以上、仏式と神式の挨拶状の文例を紹介しました。
その他にも様々な文例がありますので確認しておくといいでしょう。
また挨拶状を書く時には、家族や親戚等周囲の人に相談して決めるのもいいと思います。

5)神式、キリスト教の場合、香典返しは?

キリスト教ではその教派は大きく、カトリックとプロテスタントとに分類できます。
キリスト教の場合は、亡くなられた方は皆が神のみもとに召されることから、死はすべての終わりではなく始まりだとされています。
この死のとらえ方ですが、カトリックは「昇天」そしてプロテスタントは「召天」と言われます。
ちなみに仏教の死後は仏様になり、神道の死後は家の守護神になるとされていますので、キリスト教はそれらと大きく異なることが分かります。

カトリックの場合には、臨終の時は故人の生前の許しをすべて乞い、死を通して永遠の命と安らぎをもらえるように神に祈ります。
そして息を引き取った後、末期の水としてパンや赤ワインを故人の口に含むのが儀礼となっています。
通夜についてはカトリックは行いませんが、プロテスタントは日本の慣習に沿って行われています。
キリスト教の香典返しは、葬儀当日に葬儀に参列した方たちにお礼として即日返しを行います。
ここでは弔問客の方すべてに同じ品物を渡しますが、大きい額の香典をいただいた際は、後日改めてお礼品を贈るのが一般的です。

お葬式の後に行う、香典返しについては相場や地域、宗派の儀礼によって異なります。
香典返しは後で行う方法と即日返しとがあり、地域やそれぞれの家庭によっても違いが生じるため、事前に確認が必要です。
またお返しする金額も異なるため、十分に注意をしなければなりません。

このページを監修してくださった専門家の方

齊藤学 写真
行政書士齊藤学法務事務所
行政書士 齊藤 学

遺言・相続・成年後見・ペット信託、民事信託を活用した財産管理・承継対策、ビザ(VISA)申請取次という「民事系の業務」と法人設立業務、WEB利用規約等各種契約書関係、記帳代行、許認可申請という「法人業務」を取り扱っております。

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