【自動車保険体験談】事故現場は人間性が露呈する

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【自動車保険体験談】事故現場は人間性が露呈する

2013年12月
大型駐車場内での接触事故 怪我人無し
過失割合0対10
破損個所 前方ライト ウィンカー ボンネット
修理費用 199,800円全額相手側保険会社からの補償

大晦日に近い12月の末、子供たちと近くのファミリーレストランへ食事に行った際の駐車場内での接触事故でした。

師走と言う事もあったからか、その日は駐車場が大変込み合っていました。

私が徐行しながら空いたスペースを探していたところ、前の車が停車したので私も十分な距離を取った位置で停車しました。

そして前の車はまた動き出した後に右へ曲がろうとしましたが、ほんの少し動いただけでまた停車してから、今度はバックライトが点灯し動き始めました。

「あの車は一体どうしたいのだろう?」と私はそのまま車を動かさずに、前の車の動きをじっと見ていました。

するとその車はまたもう一度停車した後に、意図の分からない角度のままバックをし始めました。

すると今度は停止せずにそのまま私の車の前方にぶつかってきたのでした。

当たった個所は相手の右側の後部と、私の車の前方ライトとウィンカーでした。

相手はセダンの普通車で、私は軽のワゴン車でした。

速度はいくらも出ていないにも関わらず、意外と衝突の体感を感じました。

そして私は当然のように相手が車から降りて来て、こちらに来るだろうとそのままの状態でしばらく待っていました。

ところが運転手は全く降りてくる気配を見せず、しばらくしてしびれを切らした私は車から降りて相手の方へと向かいました。

すると相手の運転手は誰かと電話で話しをしているようでしたが、同乗していた運転手の母親らしき女性が赤ちゃんを抱いて車から降りてきました。

ですが、その母親らしき女性は私に一切目線を合わさず一言も発する事なく何処かへ行ってしまいました。

私は唖然としたものの「これは面倒な事になるかも知れないな」と感じました。

車内に残った若い彼女は私に顔を背け、そして顔を隠すように背中を丸めて電話の相手と話し続けていました。

こちらに目もくれず一言も発する事なく、まるで私の存在が見えていないかのようで信じられない思いでその光景を見ていました。

そして何処かへ行ってしまった運転手の母親らしき人を探すように辺りを見回してみましたが何処にも見当たりませんでした。

実際のところ私は大きな事故でも無くこちらの同乗者にも怪我は無かったので、破損個所の修理さえしてくれればと思っていましたが、これはやはり警察を呼んだ方が良いと感じたのでその場で警察に電話をしました。

そして警察が到着するより先に、事故相手の運転手が電話していた相手と思われる男性が駆け付けて来ました。

その男性は私に聞こえるようにこう言いました。

「大丈夫や、こっちは悪くないんやから」「向こうからぶつかって来たんやろ、それなら大丈夫やから心配するな」そんな内容の事を何度か言っていました。

私はこの状況を飲み込めず、ただただ唖然とするばかりでした。

完全に停車中の私の車にバックでぶつかって来ておいて、ただの一言も謝る事もせずにいる。

そればかりか私を加害者のように言い、そう仕向けようとしている事に苛立ちを覚えました。

そうしている間に警察が来て、聞き取りが始まりました。

状況を説明する時何故か最初から別々に時間を取り、それぞれが話した事をメモしているようでした。

後で分かった事ですが私が警察に電話するより先に、相手側も警察に電話していたようです。

そして事前に両者の言い分が真っ向している事で、もめ事を最小限にする為に別々で話を聞く事にしたようでした。

やはり私の証言と相手の証言は、全くと言っていい程に食い違っていたようでしたが、破損個所や現場の状況やお互いの車の停車位置などを考えれば分かってもらえるだろうと言う思いと、この状況がどう言う方向に向かうのかと言う不安が混ざり合った、とても複雑な気持ちでした。

そして警察の勧めからその場はお互いの連絡先を交換するに留まり、自宅へと帰りました。

そして後日、相手側の保険会社から連絡が来ましたが、もちろんその時点でも相手側からの謝罪は一切ありませんでした。

相手側から担当者への事故当日の状況説明を聞いて私は本当にびっくりしてしまいましたが、相手側が謝罪などしてくる筈もないと言う事も遅ればせながら理解しました。

相手側の証言によると、車をぶつけたのは私の方だと言っていたようです。

詳細は、私が右側から無理に相手の車を追い越そうとした事によって接触した事故だと説明を受けたそうでした。

それを聞いた私は、とにかく腹立たしい思いでいっぱいでした。

右に曲がろうとする車の更に右側を追い越すなどと言う事は、運転免許証を持つドライバーは普通しない事です。

何処にでもある大型駐車場
両側が駐車スペース
通路は車が行きかう事の出来る幅
運転手は右に曲がろうとしていた

ただ、問題なのはその車の位置でした。

相手の車は右側いっぱいに寄った位置で通路に入ろうとしていて、そしてその後バックして来たのです。

通常ならば、通路に右折で入る際は左側を通行するのが当たり前ですが、事故相手は右側に寄りすぎた位置にいました。

ですので私がもし右側から追い越したかったとしても、そのスペースはありませんでした。

そこで私は接触事故当日の状況をありのままに相手の担当者に話しました。

そして私自身の気持ちも伝えました。

車さえきちんと直してくれたらいいと思っていた事
それなのに一言も謝る事もせず、それどころか全くでたらめな証言をしている事がどうしても許せない事
そんな不実は対応をするならば、こちらも徹底的に争う気持ちがあると言う事
駐車場の防犯カメラの確認を希望する事

それらを伝えた所、相手側の担当者はもう一度確認を取らせて欲しいと言いました。

ですが私の状況説明を聞くその様子から、私の説明に矛盾が無い事を感じてくれている様子が受けて取れました。

運転手は若い母親で、またその彼女の母親も同乗していた事や私自身子供をもつ母親でしたので、人の親である立場としても相手側のとった行動が私には理解出来ませんでした。

担当者との電話を切った後もスッキリしない気分でしたが、後日また連絡がきた時に状況は一変しました。

担当者からの回答はとてもシンプルで端的に伝えられました。

たった一言「そちらの車の修理を全てこちらで負担させて頂きます」

私はその一変した理由などについては、尋ねませんでした。

それは聞かなくとも、前回の電話での返答や声のトーンなどからその担当者がどう感じているのかを薄々感じ取れていたからです。

これでやっと終わったと本当に安心しましたが、実際よく考えるとそんなに時間のかかる事故では全く無かったし、最初から真摯に対応してくれていればその場で済んだくらいの事故でもありした。

この事故で私はとても嫌な思いもしましたが、他に学ぶ事も多かった気がします。

人として、親として、咄嗟にどんな行動をとるのかは人それぞれですが小さなきっかけから人となりを露呈する事に繋がったりもするのだと改めて自分の行動に責任を取れるようにこの経験を心に留めておこうと思いました。

運よくこの事故で怪我人は出ませんでしたがもし、大けがを負うような事故であったり生死に関わるような事故であった場合、どんな人でもパニックになる事は間違いないでしょう。

でも実際はそんな時ほど冷静に判断する事が求められるのだろうと思います。

そしてそれに備える事は難しい事かも知れませんが、どんな時も真摯に受け止め対応する事を心に留めておく事は、決して無駄にはならないのではと私はこの経験から学びました。

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