もしものときに備えて、葬儀に係わる最低4つの知識を身に着けよう

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もしものときに備えて、葬儀に係わる最低4つの知識を身に着けよう

1)平均的な葬儀費用は?

葬儀費用は?

葬儀費用は葬儀の種類や地域によって異なりますが、おおよそ以下の通りになっています。

各葬儀の概要について
一般葬

一般葬は明確な定義はありませんが、おおよそ30名以上の葬儀になります。

職場の方や古い友人など広くご縁があった方を呼んで葬儀を行います。

おもてなしや慣習などが重視されます。

価格の内訳は下記の通りになります。

合計・・・199.9万円

出展:日本消費者協会調べ

家族葬

30万円~50万円が平均価格です。
これは親族のみの最大10名程度の人数の葬儀を想定しており、葬儀スタッフ数が抑えられた、シンプルな体裁での葬儀になります。
価格が安く速やかに終わるメリットはありますが、デメリットとしては、家族といっても親族や兄弟といった方々のどの範囲まで知らせるかという問題や、葬儀プランによっては想像よりもシンプルな内容のため、満足感の低い葬儀になってしまうという恐れもあります。

直葬

価格は10万円~
お通夜・告別式などの儀式を行わず、ごく限られたご家族・ご親族で火葬のみを執り行う、少人数におすすめのお葬式です。
祭壇を飾らず会葬者も招かないので、葬儀にかかる費用を抑えることができ、経済的にも負担がかかりません。

葬祭費給付金制度について

葬儀費用については葬祭費給付金制度といった行政からの補助制度があります。

国民健康保険の被保険者が死亡したとき、葬儀を行った方に対して、費用が支給される制度です。

国民健康保険加入の方 50,000~70,000円
後期高齢者保険加入の方 30,000~70,000円
申請期間 2年間

申請・問い合わせ先については、市・区役所の保健年金課に問い合わせます。

2)遺族の生活費はどうする?

遺族が必要なお金
① 今後の生活費

生きていくうえで必要不可欠な食費や服飾費が必要です。

② 住居費

持ち家であれば、住宅ローンや各種管理費、賃貸であれば住んでいる間の家賃が必要です。

③ 教育費

子供がいる場合、学校の授業料や塾などに通う費用などが掛かります。

④ 冠婚葬祭 費用

親や親族が亡くなった場合の葬儀費用や結婚の際にかかる費用も考慮する必要があります。

⑤ その他

車の購入費用と維持費、急な病気や入院になどで必要になる費用があります。

何でまかなえるのか?

残された遺族は 「公的年金」、「企業保障」、「その他の収入」を基に生活をしていくことになります。

公的年金 
遺族年金

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。
被保険者であった方につきましては、受給資格期間が25年以上あることが必要です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。

遺族年金を受け取るには、亡くなられた方の年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。

老齢年金

20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた方は、65歳から満額の老齢基礎年金が支給されます。
保険料を全額免除された期間の年金額は1/2(平成21年3月分までは1/3)となりますが、保険料の未納期間は年金額の計算の対象期間になりません。

出展:日本年金機構HPより

企業保障
死亡退職金/死亡弔慰金

「死亡退職金制度」や「死亡弔慰金」がある勤め先の場合は、遺族はこれらを請求することが可能です。

しかし、制度自体は企業の義務ではないため、貰えない場合もあります。
通常は社内規定に基づき支払いされるため、総務課や人事課に問い合わせして確認します。(死亡退職金は「みなし相続財産」となり相続税の課税対象になります。)

その他の収入(私的保険、住宅売却益、相続財産)

配偶者からの生命保険、死亡した配偶者から相続した財産、家族で住んでいたが賃貸物件に移り住み賃貸或いは売却した際の不動産収入など。

3)世帯主が亡くなった場合、どれくらいの額が必要?

どれくらいの生活費・教育費が必要?

事例:3人家族で、夫が45歳で死亡した場合の妻(43歳)と子供1人(15歳)に必要な費用について

①生活費

※1参考:国税庁 民間給与実態統計調査結果より
※2参考:公益財団法人 生命保険文化センター調査

遺族の生活に必要な資金は「子供の独立前の生活費」に「子供独立後の生活費」を合計して計算します。
子育て期間の年間生活費は世帯主が生存していた年間生活費の70%で見積もります(夫死亡後は夫分の生活費を除きます)。
独立後、老後の生活費は現在の年間生活費の50%で見積もります。

子供が独立前の生活費:250万円/年→子供が大学卒業後に独立する場合は7年
子供が独立後:180万円/年→子供の独立後50歳から、37年間生きると仮定
(平均寿命 2016年厚生労働省調査:女性87.14歳 男性 80.98歳)

子供独立前の生活費:250万円/年×7年→1750万円 子供独立後の生活費:180万円/年×37年→6660万円

合計で8,400万円が、必要となる生活費の目安です。

②教育費について※3

子供がいる場合は教育費用もかかります。

公立と私立では、金額が大きく異なります。

子供の学習費調査結果
公立 私立
幼稚園 690,300円 1,462,281円
小学校 1,834,842円 8,534,142円
中学校 1,351,020円 3,885,468円
高校 1,159,317円 2,900,448円
大学 5,112,000円 6,923,000円(文系)
7,875,000円(理系)

※3文部科学省 子供の学習費調査結果より

今回の事例では子供が中学3年生であり、高校、大学に進学した場合公立高校、国立大学に進学した場合、615万9317円、全て私立に進学した場合は、最大で1077万5448円必要になります。

これらを勘案すると生活費+子供教育費で約9000万円~1億円が最低限必要になる資金となります。

4)必要額を計算できたら、次は収入を考えよう

①遺族年金とは

遺族年金は、家族を支える被保険者が、亡くなったときに、その方によって生計を支えられていた遺族が受けることができる年金です。
サラリーマンの方であれば、毎月給与から年金保険料が天引きされているかと思います。
この年金保険料を支払いしていれば、老後に貰える老齢年金の他に、遺族年金を受けとることができるのです。

②条件
③遺族年金の種類
遺族基礎年金

遺族基礎年金は、受給要件を満たしている場合、亡くなられた方によって生計を維持されていた子供のいる配偶者または子供が受け取ることができます。

子供は「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」が要件となります。

遺族基礎年金の受け取り金額について

779,300円を基に子供の数だけ加算されます。
子の加算は第1子・第2子が各224,300円、 第3子以降は各74,800円となっています。

事例で考えると、779,300円に第一子分加算で、1,003,600円が支給されることになります。

遺族厚生年金
受給範囲
遺族厚生年金は、子供がいない妻でも受け取ることができます。

死亡者の死亡当時、生計を共にしていた人ですが、すべての人が受け取れるのではなく、 ①~④の遺族のうち最も順位の高い人です。

①配偶者・子②父母③孫④祖父母

遺族厚生年金は、厚生老齢年金額の3/4を受け取ることが可能です。

しかし、今まで払ってきた保険料によって受給金額が異なるため、ねんきん定期便等で 金額確認を行う必用があります。

死亡退職金

全企業のうち約95%が弔慰金制度、約80%が死亡退職金制度を導入しています。

勤続年数や、諸条件によって金額は変わってきますが、例えば勤続25年の従業員が死亡したケースでは、弔慰金は平均418万円、死亡退職金は平均901万円が遺族に支払われるようです。

しかし、実際は、通常の退職金についても民間大手と中小企業では支払われる退職金に大きな差があります。
もし、死亡時の退職金や制度を確認したい場合は、会社の就業規則を確認します。

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