保険について

お金と生活 -Money&Life-

社会保険と生命保険の目的

1)社会保険とは?

社会保険?

社会保険とは日本の重要な社会保障制度です。
国民の生活を保障するために設けられた公的な保険制度で、一定の条件を満たす国民は社会保険に加入して保険料を負担する義務があります。

「社会保険」というと会社で加入する健康保険と厚生年金のことを思い浮かべるかもしれませんが、社会保障制度上の社会保険とは、「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」の3つのことを指しています。

公的医療保険

公的医療保険とは、傷病、出産、死亡に対する保障制度で、これらに基づく医療費などが生じた場合にかかる費用の一部が負担・支給されます。

サラリーマンなどの給与所得者なら「健康保険」、自営業者・短時間労働者・無職の人は「国民健康保険」に加入します。

介護保険

高齢者や、老化で介護が必要な人に対する保障制度です。
法律に基づき40歳以上の人に加入が義務化されています。

訪問介護や老人福祉施設の利用などの各種サービスに適用されます。
保険料は、65歳未満の人は健康保険や国民健康保険などの医療保険に含まれる形になっており、65歳以上になると医療保険と切り離され、年金から天引きされています。

国民年金

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入する保険制度で、老後の生活扶助、障害者になった場合の保障、死亡したときには遺族に対してその保険料が支払われます。

加入は法律に基づいて強制加入になっており、就職、独立などでの切り替えも義務付けられていますから、基本的に支払わないということはできません。
(経済的な理由での全額免除や一部免除などの制度は審査を受けることで利用することが可能です。)

一般的には「年金」が支払われるという部分に意識が、偏りがちですが、重大な事故等で、若くして障害者になった場合の保障についても支払われます。

2)生命保険の目的とは?

生命保険とは死亡やけが・病気などになったときでも生活が維持できるように、備えておくための保険です。
死亡保険、医療保険、個人年金、介護保険などの種類があり、それぞれ備える目的が異なります。

自分の死亡時の不安に備える

自分が万が一死亡した場合、残された家族や親族はどうなってしまうのでしょうか。

自分の葬儀費用や、自分が死んだ後の残された家族の生活費など、これらの費用が保険金で受け取ることができます。

傷病の不安に備える

自分が病気やけがのときの入院費用や生活費、高額な治療を受けた際の医療費についても備える必要があります。
入院や手術などのための保険給付を受けられるように生命保険に加入することで、傷病の不安に備えることができます。

老後の不安

日本は現在高齢化社会を迎えており、女性の平均寿命は87歳、男性も80歳を超えています。
このように誰もが長生きすることで定年後の生活が不安という声がでてきています。

定年退職後、働いていない期間にも生活費はかかりますから、公的な年金だけで不足する可能性はとても高いと言えます。
或いは生活レベルをかなり落とす必要があるでしょう。

そうした点の備えとしても、介護保険や個人年金の加入を検討することができます。

3)貯蓄と生命保険の違い

貯蓄と生命保険の違い

財形貯蓄と生命保険はどちらが、将来の備えとしてベストなのでしょうか。

財形貯蓄と生命保険はそれぞれ将来の不安に対して、カバーできる範囲が異なります。

個人の将来設計に合わせて、両方の検討を行うといいでしょう。

財形貯蓄のメリット、デメリット

財形貯蓄には次の3種類があります。

①一般財形貯蓄

特に目的が決まっていない貯蓄のことで、冠婚葬祭・住宅ローンなど使途の制限はありません。
条件は給与所得者であり、3年以上の期間給与天引きを続けることです。

②財形住宅貯蓄

加入時55歳未満の勤労者が利用できます。
5年以上の期間給与天引きを続けて、マイホーム購入やリフォーム等の頭金に充てる場合を除き、払い出しできません。

③財形年金貯蓄

60歳を過ぎてから5年以上定期的に年金給付という形で受け取れる財形です。

こちらも加入時55歳未満の勤労者であり、5年以上の期間給与天引きを続けること、年金の支払い等の場合を除き、払出しを行わないことなどの制限があります。

メリットは積立金については非課税で税制上優遇されています。

また、給与天引きのため貯蓄して将来の備えを作りやすいというメリットもあります。

デメリットは利率が高くないこと、(都市銀行等で0.1%)目的外での解約が難しいこと、預けていることで特に資産が増えるわけでもないのがデメリットです。

しかし、一般財形貯蓄等でまとまった金額があれば、保険を最低限に抑えても傷病の入院・手術・通院等の費用や子どもの教育費、老後の生活資金など通常予想される費用には対応することが可能です。

生命保険のメリット、デメリット
デメリット

生命保険最大のメリットはリスクの損害金額を保険会社が支払ってくれることです。

自分は保険に加入して保険料を払うことで、自分や家族が被る危機、いってしまえば金銭的な損害を保険会社がカバーしてくれるのです。

生命保険加入で検討すべきリスクは「病気・ケガ」「失業」「死亡」が挙げられます。

自分の目的別に加入できるため、漠然と将来に備えて貯める貯蓄よりも計画的にリスクと向き合うことができると言えます。

また、生命保険は相続時には、一定の金額までなら非課税です。

具体的には配偶者(妻・夫)と1人の子供がいた場合、それぞれ500万円(合計1,000万円)までの保険金が非課税になるのです。

これが貯蓄であれば、相続税の対象になりますから注意が必要です。

デメリット

保険商品の種類が多く、内容も複雑なため不要な保険に加入してしまう恐れがあります。

無駄な保険に入ればその分長期に渡って、無駄なお金を払い続けることになります。

また、がん保険等のデメリットとして、責任開始日が遅いという点です。

通常の生命保険の多くは加入後すぐにサービスが開始しますが、がん保険については厳しい基準があり、契約して手続き完了後90日経過しなければ保障の対象外となってしまいます。

4)生命保険は加入すべき?

生命保険には是非加入し、通常の貯蓄や財形貯蓄でカバーできない部分で利用して、将来に備えるのが、リスクに広く対応できると言えます。

個々の家計状況によって貯蓄で対処できる範囲が異なってきますが、基本的は大きなリスクと感じる不足の事態、例えばファミリー世帯であれば収入の柱である父親の死亡、病気などに対して、生命保険に加入することでバランスの良いリスクヘッジができると言えます。

また、現代は特に長寿高齢化が著しいため、長く生きるほど様々なリスクに見舞われる可能性が高まります。
現代社会では生命保険の加入は今後必須となり、更にニーズが高まると予測されます。

その際に当然新しい複雑なサービスが出てきても、最低限の理解ができるように生命保険、貯蓄について一定の知識を持ち合わせていることが重要となってくるでしょう。

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